オジー・オズボーンと表裏一体──天才ギタリスト没後40周年映画『ランディ・ローズ』

天才ギタリスト、ランディ・ローズのドキュメンタリー映画11月11日公開

オジー・オズボーン・バンドの初代ギタリストで没後40年になる天才ギタリスト、ランディ・ローズのドキュメンタリー『ランディ・ローズ』が、11月11日(金)より公開されます。今回は本編でも登場する、ランディ・ローズとオジー・オズボーンのふたりの深い友情を示すエピソードを紹介します。

オジーとは対照的なランディの素顔と悲劇的な最期

2人の出会いは、オジー・オズボーン・バンドのオーディションにランディ・ローズが参加したこと。オジーが新しいバンドのオーディションをLAで行っていた際、オジーの友人スローターのベーシスト、デイナ・ストラムから「絶対に演奏を聴くべきだ」と言われ、母ドロレスからの勧めなどもあり、ランディがオジーのスタジオを訪ねました。

 

「オーディションは初めてで不安だった」と、ランディは当時の心境を語っていますが、他の参加者たちがマーシャルやエコープレックスを持参する中、ランディはエフェクターも無しに持参した練習用の小さなアンプに直接プラグイン。アルペジオなど指慣らしの練習を始めるや否や、曲を聴く前にオジーは「君に決まりだ!」と合格を告げたそう。

 

その時の衝撃をオジーは「演奏を聴いて夢を見てるかと思ったよ。体は小さいのにデカい音を出す」と振り返ります。

 

その後はオジー・オズボーン・バンドのギタリストとしてツアーに参加、世界各国を 飛び回り、大成功を収めていきます。

 

しかし謙虚な性格のランディは偉ぶることもなく、対照的な性格のオジーに対しても信頼を寄せていました。

 

「オジーは謙虚だ。彼の予想はいつも当たるし、いろいろ教えてくれる。レコード会社やファンの事をね」

 

しかし1982年3月19日、ノックスビルのコロシアムでのライブ後に次のライブ会場へと向かう途中で悲劇が。バンドの乗っていたツアーバスが故障。バス運転手のエイコックの自宅近くにバスを停車させ、庭にあった小型飛行機で遊覧飛行を行うことにしたものの、飛行機の左翼がバスに当たり、庭の木に衝突したのちガレージに突っ込み機体は炎上。飛行機に乗っていたランディとメイク担当の女性、操縦士の3名が即死したのです。

 

オジーの目の前で起きたこの悲惨な事故は、オジーの心に深い傷を残しました。

 

「人生は一瞬で急転してしまう。高速道路を走るバスの中で就寝。目覚めたら外、家は火事。飛行機はバラバラ、人は混乱。なんとおぞましい。現実とは思えない。何が起きているのか理解できない。時間が止まったようで恐怖を覚えた。外に出るともっと危ないかもしれない。戦場にいるようだ」

 

非業の死を遂げ、永遠のギターヒーローとして多くのファンの胸に刻まれたランディの名前が、ロックウォークに追加される際の式典で、オジーは哀悼の意を述べました。

 

「ランディとの日々は大昔のようで、つい昨日のことのようにも思える。だがランディとの思い出は死ぬまで忘れない。体は小さいが、無限大の才能の持ち主だった。俺たち家族は日々ランディのことを考えている。いつも俺の心の中にいるよ。神のご加護を」

 

なお、日本のファンに向けたランディ直筆メッセージ(印刷)入りポストカード付き前売券が9/9(金)より発売中。ぜひ、ランディ没後40年を迎えた今年、劇場でその素晴らしい演奏を目撃して。

突如訪れたロックスターの悲劇…その死の真相と偉大なる軌跡を記録した傑作ドキュメンタリー

本作品は、80年代に端正なルックスと華麗なるギタープレイで世界を魅了した天才ギタリスト、ランディ・ローズの生涯を描いています。

 

ランディ・ローズは、自身のバンド、クワイエット・ライオットでのプロデビューは日本のみで、全米デビューは果たせませんでした。その後、オジー・オズボーン・バンドへの抜擢により転機が訪れます。

 

“闇の帝王”オジーと“天使”のランディ──相反する2つの個性のぶつかり合いは極上の化学反応を巻き起こしました。

 

刺激的でキャッチーなギターリフは、時にオジーのヴォーカル以上に耳に記憶され、哀愁を帯びたギターソロは、無駄な音は一音も無い完璧なフレージングで聴く者の心を鷲掴みにし、一気にギターヒーローとなりました。

 

しかし人気絶頂期の全米ツアー中に起きた、突然の悲劇。一人のギター少年がロックスターへと昇華する瞬間、そして悲劇的な最期までを克明に捉えた、全音楽ファン必見の傑作ドキュメンタリーとなっています。

 

監督は、アメリカの伝説的HIP HOPグループN.W.Aの真実を暴くドキュメンタリー『N.W.A & EAZY-E:キングス・オブ・コンプトン』などを手掛けたアンドレ・レリス。脚本と編集をマイケル・ブルーイニング、ナレーションをL.A.ガンズのトレイシー・ガンズが担当し、クワイエット・ライオット時代の貴重なライヴ映像や肉声インタビュー、プライベートショットをフィーチャー。更に、オジー・オズボーンや、同時代にデビューしギターヒーローへと昇華したエディ・ヴァン・ヘイレン、ランディを敬愛するミュージシャンやギター・テック、ランディの母や兄弟などの貴重なインタビューも多数収録されています。

 

『ランディ・ローズ』は、新宿シネマカリテ、渋谷シネクイントほかで2022年11月11日より全国ロードショー。

[作品情報]『ランディ・ローズ』

原題:RANDY RHOADS:Reflections of A Guitar Icon

出演:ランディ・ローズ、オジー・オズボーン、エディ・ヴァン・ヘイレン、ルディ・サーゾ、フランキー・バネリ、ジョージ・リンチ、ゲイリー・ムーア、ダグ・アルドリッチ、ジョエル・ホークストラ、ブ ルース・キューリック、ドゥイージル・ザッパ/ナレーション:トレイシー・ガンズ

監督:アンドレ・レリス 

脚本・編集:マイケル・ブルーイニン

2022 年/アメリカ/英語/カラー/シネスコ/5.1c/92 分

字幕監修:上田慎也(ヤング・ギター) 

提供:ニューセレクト 

配給:アルバトロス・フィルム 

後援:文化放送

 

 公式 HP:https://randy-rhoads.jp

 

©RANDY RHOADS: LEGEND, LLC 2022