ファイルーズあい、デミ・ムーアの吹き替えで「浮いてる感じにするのは難しかった」

『セント・エルモス・ファイアー』CSザ・シネマ オリジナル新録版

80年代青春群像映画の金字塔『セント・エルモス・ファイアー』のCSザ・シネマ オリジナル新録版が、11月23日(祝・水)21:00より初放送されます。このたび、デミ・ムーア演じるジュールズ役の吹き替えを担当したファイルーズあいのインタビューが公開されました。

アニメとの違いで大きいのは「技術的なこと」

ファイルーズあいは、7月6日生まれ、東京都出身の声優で、第14回(2020年度)声優アワード新人女優賞受賞。主なアニメ出演作品は『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』空条徐倫役、『ダンベル何キロ持てる?』の紗倉ひびき役をはじめ、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の夏海まなつ/キュアサマー役のほか、2022年10月放送開始の 『チェンソーマン』パワー役で話題を呼んでいます。

 

今回演じたジュールズについて、本当に等身大の女の子だと印象を語っています。

 

「虚勢を張ったり、自分の本当の気持ちを隠したりして強い自分を演じたい、演じようとする気持ちは誰にでもあるものだと思いますし、自分にも経験があるので、演じやすかったです」

 

そのジュールズを演じるにあたり、音響監督・吹替演出を担当した依田孝利さんと交わしたやりとりについては、次のように明かしました。

 

「依田さんが一番大切にするようにとおっしゃっていたのが、彼女はいつも虚勢を張ってる子だということ。だから、“いい女を演じている”という表現は難しかったです。わざと芝居がかった話し方で演じていて、そうすることで、7人の中での彼女の存在が、いい意味で浮いている風になるといいなというのは意識しました。ただ、収録は他の方と一緒ではなかったので、仕上がった映像がどうなるのか。これから楽しみです」

 

興味深いのは、アニメと洋画の吹き替えの違い。技術的なことが大きいと語っています。

 

「アニメーションだと、まだ絵ができていない段階でアフレコをすることも多いので、ある程度のアドリブだったり、尺にそこまでぴったり合わせなくてもいいという意味での自由度は高いのですが、外国映画の吹き替えになると、やっぱり本国の役者さんがその役を作っていらっしゃるので。その方のイメージと、自分のイメージのすり合わせをして。なおかつ、翻訳の方がぴったり口に合うように翻訳してくださっているので、その思いもちゃんと乗せて表現できるようにするのが大変です」

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7人に選ばれたことに「感謝しかない」

そうそうたる声優陣に混じっての参加となったことについては、「感謝しかない」と語ります。

 

「私の名前も挙げてくださったことは本当にもう感謝しかありません。実際、今回の吹き替えのキャストも、本国の役者さんたちと同じぐらいの世代のキャストを集めたと伺いました。私はデビューが遅かったので、同世代であっても皆さんよりはずっと経験が浅いんですが、それでもわたしを信頼してジュールズという素晴らしい役を任せていただけたことは本当に光栄だなという気持ちでいっぱいでした」

 

 今回の「ザ・シネマ新録版」のように、過去の名作をあらためて吹き替えするというプロジェクトについては、次のように印象を語っています。

 

「わたしも小さい頃や、今でもそうですが、過去の名作をたくさん見てきました。ただどうしても昔の作品だと、当時の吹き替えキャストの方のイメージが固まっていることもあって。いち視聴者としてそれはものすごく楽しいのですが、それと同時に自分はまだキャリアも浅いから、昔の名作に携わることはなかなかできないんだろうなという思いもありました。なのでこういったプロジェクトのおかげで過去の名作に携わることができて本当にうれしいです」

 

最後に、初めて見る若い人たちに向けて、次のようにアピールしました。

 

「今はSNSなどが発達しているので、大事な友達との会話の時間が減ってきているのかなと思っていて。友達とも疎遠になりやすい環境なのかなと思うんです。でもそんな時代だからこそ、直接会ってコミュニケーションをとることの大切さを私はこの作品から感じましたし、そうした友達の大切さをこの作品から感じていただけたらと思います」

『セント・エルモス・ファイアー』のCSザ・シネマ オリジナル新録版は、11月23日(祝・水)21:00より初放送、11/30(水)23:15より再放送。

 

 (資料提供:株式会社ザ・シネマ)