クリント・イーストウッドやモリコーネが語る『荒野の用心棒』の口笛誕生秘話

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』シーン写真とトルナトーレ監督のエピソード公開

2020年7月に91歳でこの世を去ったエンニオ・モリコーネ。その弟子にして友人でもあるジュゼッペ・トルナトーレ監督が密着し、結果的に生前の雄姿を捉えた最後の作品となったドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』が2023年1月13日(金)に公開決定!このたび、モリコーネを一躍時の人とした『荒野の用心棒』(64)のテーマ曲「さすらいの口笛」誕生秘話について、クリント・イーストウッドやモリコーネが語る本編特別映像が公開されました。

モリコーネが世界的にその名を響かせる発端になった『荒野の用心棒』(64)のテー

マ曲“さすらいの口笛。

 

本作の大ヒットをきっかけに<イタリアで作られる⻄部劇=マカロニウエスタン>のジャンルを確立、そのブーム の立役者として広く名前を知られることになったセルジオ・レオーネ監督によるものだが、すべての発端は、小学校時代の同級生だったレオーネ監督から「『荒野の用心棒』はこの雰囲気だ」と黒澤明監督『用心棒』(61)を見せられたことに由来すると語ります。

 

レオーネ監督の要望を受けたモリコーネは、早速、彼のイメージに合うように米国の歌手のためウエスタンの曲を独創的に編曲。その上でさらに、全てをオリジナルでゼロから楽曲を書き直すという変遷を経て、結果的に、それまでの映画音楽ではほぼ使われなかった「口笛」や「チャルメラ」「金床」「鐘の音」なども効果的に楽曲として採用。「さすらいの口笛」に象徴されるようにシンプルながらも記憶に残る独創的なメロディを生み出したのだと明かされています。

 

主演を務めたクリント・イーストウッドが「当時あれほどオペラ的な⻄部劇の曲はなかった」と振り返るように、まさに当時は「カルチャーショックだった」モリコーネの音楽。本作以降、モリコーネ以外とはタッグを組まず、その監督と作曲家という関係を超え、創作においても彼に全幅の信頼を置いていたというレオーネ監督の逸話も残っています。

 

このように、予想を遥かに超える革新的な音楽を生み出し続けたモリコーネの作曲の秘密と想いが垣間見える重要なシーンとなっています。

人間味あふれるモリコーネの偉業と仕事術にも密着

本作品は、500作品以上の映画とTVの音楽を手掛け、アカデミー賞には6度ノミネートされ、『ヘイトフル・エイト』(15)で遂に受賞、全功績を称える名誉賞にも輝いたエンニオ・モリコーネ。そんな伝説のマエストロ自らが半生を回想する音楽ドキュメンタリー。

 

かつては映画音楽に対する芸術的評価が低かったため、幾度もやめようとしたという衝撃の事実の告白、そしてそれをいかにして克服したか──。数多の傑作の名場面や、ワールドコンサートツアーの演奏、さらにクエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーンら70人以上の著名人のインタビューによって、モリコーネの仕事術の秘密が明かされます。

 

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』は、2023年1月13日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほかで全国順次ロードショー。

 

(資料提供:ギャガ株式会社)

[作品情報]

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』

原題:Ennio

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ

●本編登場作品(全51登場作品のうち一部):『荒野の用心棒』(64)『革命前夜』(64)『夕陽のガンマン』(65)『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』(66)『ウエスタン』 (68)『死刑台のメロディ』(71)『1900年』(76)『天国の日々』(78)『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』 (84)『ミッション』(86)『アンタッチャブル』(87)『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)『Uターン』(97)『海の上のピ アニスト』(98)『ヘイトフル・エイト』(15) ほか

●出演著名人(一部):クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーン、ハンス・ジマー、ジョン・ウィリアムズ、ダリオ・アルジェント、テレンス・マリック、ブルース・スプリングスティーン、ベルナルド・ベルトルッチ、ジェイムズ・ヘットフィールド、クインシー・ジョーンズほか

157 分/イタリア/カラー/シネスコ/5.1ch デジタル

字幕翻訳:松浦美奈 字幕監修:前島秀国

公式 HP : https://gaga.ne.jp/ennio/

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