『ガール・ピクチャー』フィンランドのアカデミー賞5冠達成!

『ガール・ピクチャー』4月7日(金)公開

第38回サンダンス映画祭ワールドシネマドラマ部門観客賞、第95回(2023年度)アカデミー賞国際長編映画賞部門フィンランド代表の⻘春映画『ガール・ピクチャー』が4月7日(金)に公開。

 

このたび、フィンランドのアカデミー賞と言われる“ユッシ賞”で最優秀作品賞、最優秀脚本賞、最優秀監督賞など5冠を達成。フィギュアスケーターのエマ役を務めたリンネア・ネイノにはその年に特別な影響を与えた俳優に贈られるブライトスポット賞が与えられました。なお、ミンミ役のアーム・ミロノフは主演女優賞、ロンコ役のエレオノーラ・カウハネンは新人女優賞にノミネートされ、これを記念し主要キャスト3名のキャラクターポスターが公開されました。

公開されたポスターは、3人の少女たちの揺れる心を切り取ったもの。

 

「もう諦めようかな、何で失敗ばかりなんだろう」「わざと傷つけたいわけじゃないんだ」「強さと繊細さその両方が必要なの」といった劇中に登場するそれぞれの象徴的な台詞とともに彼女らの心のうちを告白するようなものとなっています。

枝優花「素直になれないもどかしさすら愛おしい」

併せて、映画『そばかす』で企画・原作・脚本を務めた脚本家のアサダアツシ、映画『少女邂逅』の映画監督・写真家の枝優花ら著名人より本作への絶賛コメントも到着しました。

 

アサダアツシ(脚本家)は、「ミンミ、ロンコ、エマ、3人の少女たちによる冒険物語。舞台はアマゾンの秘境ではなくフィンランドの平凡な日常だけど、そこには新しい出会いと発見があり、未知の扉を開く勇気と決断が迫られる。不器用で純粋な3人は失敗も沢山するけれど、その度に逞しくなっていく姿のなんとまぶしいことか。見終わると映画丸ごと抱きしめたい気分にさせられる」とコメント。

 

朝比奈ひかり(Z世代マーケ seamint.代表)は、「たった3度の金曜日でも、大人と17歳から18歳の少女では、体感がまるでちがう。彼女たちと、一喜一憂を共に感じながら見ました。自由でジェンダークィアな青春映画の『ガール・ピクチャー』は、一人一人の不完全さも愛してくれる、そんな映画だと思います」と紹介。

 

枝優花(映画監督•写真家)は、「頭でわかっているのに口から出る言葉はずれてしまう。心が感じていることに素直になれず、身体は想いとは逆方向へ。全部が思い通りにうまく動いたら、どんなにいいだろうか。そんな10代の記憶が蘇る。しかし大人になった今、そんなもどかしさすら愛おしく、ああ、本当は今だってもっともっとも輝けるはずだと思い出させてくれる時間」とコメントしています。

 

清田隆之(文筆業・桃山商事代表)は、「ヒリヒリするような孤独も、バカバカしい空騒ぎも、みんなみんなまぶしかった!でも、経済状況やジェンダー観が違いすぎる日本だったら、同じように自分探しができただろうか……。すべての若者が存分にトライアンドエラーを繰り返せるような社会にしていくことこそ、私たち大人が果たすべき責任ではないでしょうか」と問題提起しています。

 

ハヤカワ五味(起業家)は、「大人になって色々知りすぎてしまった私たちは恋愛も人生も、なんでもラベリングして考えがちだけど、本当はもっと自由なのかもしれないと思った」と感想を語ります。

現代少女たちのリアルな青春ポートレート

本作品は、今を生きるティーンエイジャーはもちろん、かつてティーンだった大人たちの心にも刺さる、みずみずしさに溢れた北欧発の青春映画。

 

最初の金曜日、同じ学校に通う親友のクールでシニカルなミンミ(アーム・ミロノフ)と素直でキュートなロンコ(エレオノーラ・ カウハネン)は、放課後スムージースタンドでアルバイトしながら、恋愛やセックス、そして自分の将来についての不安や期待にまつわるおしゃべりを楽しんでいます。

 

「男の人と一緒にいても何も感じない自分は、みんなと違うのでは?」と悩み続けていたロンコは、理想の相手との出会いを求めて果敢にパーティーへ。一方、ロンコの付き添いでパーティーにやってきたミンミは、大事な試合を前にプレッシャーに押しつぶされそうなフィギュアスケーターのエマ(リンネア・レイノ)と急接近します──。

アカデミー賞フィンランド代表、サンダンスで観客賞を受賞

感情的ではあっても心優しいミンミを演じるのは、12歳から俳優業をスタートし『エデン』(ウラ・へイッキラ 監督/20)で初主演を務めた2000年生まれのアーム・ミロノフ。

 

静かなたくましさを持つロンコ役を、俳優、ダンサー、シンガーでもあり、舞台俳優として活躍し、本作が⻑編映画デビューとなるエレオノーラ・カウハネン。

 

フィギュアスケートに⻘春を注いできたエマ役には、ドラマや映画で活躍中のリンネア・レイノが挑みます。

 

3度の金曜日を過ごす少女たちの物語は、アールト大学在学中に出会ったという気鋭の脚本家ダニエラ・ハクリネン、イロナ・アハティが、自身の経験も振り返りながら綴っています。

 

監督は、自分の声を見出していく女性作家を描いた映画『Love and Fury』(16)でデビュー、強い女性たちが主導するストーリーを生み出しているアッリ・ハーパサロ。ノーベル平和賞を受賞した社会運動家のジェーン・アダムズにちなんで名づけられたシチズン・ジェーン・プロダクションにより製作され、第38回サンダンス映画祭ワールドシネマドラマ部門観客賞を受賞、第95回アカデミー賞国際⻑編映画賞部門のフィンランド代表に選出されました。

 

『ガール・ピクチャー』は、4月7日(金)公開。

 

[作品情報]

『ガール・ピクチャー』

原題:Tytöt tytot tytöt

監督:アッリ・ハーパサロ 

脚本:イロナ・アハティ、ダニエラ・ハクリネン 

出演:アーム・ミロノフ、エレオノーラ・カウハネン、リンネア・レイノ

2022年/フィンランド/100 分/カラー/スタンダード/5.1ch//PG12

日本語字幕:松永昌子 

配給:アンプラグド 

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