アントニオーニ監督『太陽はひとりぼっち』へのオマージュも!?『ダークグラス』ダリオ・アルジェント監督インタビュー映像

アルジェント節炸裂!ジャッロ・ホラー『ダークグラス』

『サスペリア』(77)、『フェノミナ』(84)、『サスペリア PART2』(75)を生んだ巨匠、ダリオ・アルジェント監督の最新作『ダークグラス』が4月7日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサほかで公開中。このたび、監督インタビュー映像が公開されました。

冒頭、監督は苦い思い出とともに、隠された意図も吐露。

 

「以前にもあったように計画は中断されました。それで、この作品は撮るべきじゃないと。作品冒頭の日食はある意味ではアントニオーニへの敬意だ。だが私は違う意味を込めた。予兆を示唆したつもりだ」

 

これは、ミケランジェロ・アントニオーニ監督『太陽はひとりぼっち』(62)の原題『L' ECLISSE』(日食の意)からみて、そのオマージュを仄めかしています。

 

監督自身の過去作でも盲目のキャラクターを描いていますが、本作ではヒロインのディアナが視力を失います。その理由を次のようにコメントしています。

 

「見えないということに興味がある。映像が成立しないからだ。私は映画製作者、つまり映像の作り手である。もし私が視力を失うようなことがあれば本当につらい試練になるだろうね。“恐怖”は私たちが持つ感情の一つ。喜びと恐れは誰もが持っている魂の感情だ」

アルジェント監督82歳の集大成

アルジェント監督が82歳にして前作から10年ぶりに完成させた本作は、自身のルーツであるジャッロに立ち返ったイタリアン・ホラー。2000年代初頭に脚本を執筆しながらも、製作サイドの事情で中止を余儀なくされた幻の企画がついに実現。盲目のヒロインがサイコパスの殺人鬼に脅かされる“見えない恐怖”をスタイリッシュに映像化し、第72回ベルリン国際映画祭におけるプレミア上映で大きな反響を呼びました。

 

本作の舞台は、イタリア・ローマ。娼婦ばかりを狙った猟奇的な連続殺人事件が発生し、その4人目としてターゲットにされたコールガールのディアナもまた、殺人鬼に執拗に追いかけられます。ある夜、車を衝突させられ大事故に遭い、一命を取り留めるも両目の視力を失ったディアナは、同じ事故で両親を亡くした中国人少年チンと一緒に暮らすこととなるも、殺人鬼はその後もディアナたちを殺害しようと執拗につけ狙います…。

 

『ダークグラス』は、4月7日(金)より全国公開中。

 

[作品情報]

『ダークグラス』

原題:Occhiali neri 

監督:ダリオ・アルジェント  

脚本:ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ  

音楽:アルノー・ルボチーニ 

出演:イレニア・パストレッリ、アーシア・アルジェント、シンユー・チャン  

提供:ロングライド、AMGエンタテインメント

配給:ロングライド  

公式サイト: https://longride.jp/darkglass/

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