5月16日より開催中の第76回カンヌ国際映画祭で31年ぶりの新作『Close Your Eyes(原題:Cerrar los ojos)』の正式出品が決定したビクトル・エリセ(別名:ヴィクトル・エリセ)監督。その代表作である『ミツバチのささやき』『エル・スール』が放送/配信されます。

現実と幻想が交錯する子どもたちの不思議な世界。ビクトル・エリセ監督の詩的な映像に魅入られる名作。

舞台は1940年代、スペイン中部カスティーリャの小さな村。6歳の少女アナと姉イザベルは、養蜂場を営みながら蜂の生態を研究する父と、昔の恋人への手紙を書き続ける母と暮らしていました。ある日、村に巡回してきた映画『フランケンシュタイン』を鑑賞したアナは、フランケンシュタインを見たことがあるという姉の嘘を信じ、彼の家という村はずれの廃屋小屋へ通うように。そんなある日、アナは小屋に逃げ込んでいた脱走兵と出会います…。

エリセ監督は1969年に監督デビュー、現在82歳。その50年以上のキャリアの中で3作しか長編映画を撮っていない映画作家の、31年ぶりの新作『Close Your Eyes』に注目が集まっています。さらに『ミツバチのささやき』で子役として出演したアナ・トレントが50年の時を経てビクトル・エリセ監督作に出演します。

少女の目線から映し出されるスペイン内戦の傷跡。ビクトル・エリセ監督の美意識が凝縮された長編第2作。

医者の父と元教師の母を持つ8歳の少女エストレーリャは、スペイン北部の城壁に囲まれた町へ引っ越し、郊外の一軒家で新生活を始めます。父アグスティンには振り子を用いて目的物を探す不思議な能力があり、村人から尊敬される父をエストレーリャも慕っていました。また、父の故郷が南(エル・スール)にあると母から聞かされ、見知らぬ地への憧れも募ります。そんなある日、エストレーリャは机の中の封筒から父の秘密を知ることになります…。

ビクトル・エリセ監督特集代表作『ミツバチのささやき』『エル・スール』は、動画配信サービス、ザ・シネマメンバーズで6月から配信、CSザ・シネマで7月に放送されます。