MASTERWAL COLLECTION 2020

 

2020年2月6日、7日の東京におけるMASTERWALL新作発表会場は、恒例の銀座にあるマスターウォール東京ではなく、建築家向けの情報スペース「ASJ CELL」。

 

ウォールナットのウッディーな家具の印象が強い同社のイメージとは離れ、ファブリックも意識させたソフトな提案とともに、同ブランドが運営するTHE GREAT LAKESでのワイン立てやクラフトビールといった岡山の町興しの一環となる取り組みも紹介され、大いに賑わった。

 

 

今回の目玉、ひとつめは、Blueprintラウンジチェア design by シロロデザインスタジオ 近藤俊介さん。

 

目に飛び込んできたのは軽快で緩やかなフレームと低重心のフォルム。近藤さんが引いた青図とともに展示されている。

 

背クッションなしのロータイプ(¥145,000+税〜、予価・以下同)が印象的だが、座ってみると深い後ろ重心となるため、背クッションタイプ(¥190,000+税〜)が優しい。座面も600mmあって広く、フェザーやダウンを使ったクッションと相まって、かなりゆったりした掛け心地だ。

 

ハイバック(¥240,000+税〜)はこれに首のサポートが付くため、テレビ視聴などにもオススメ。フェザーやダウンの枕に委ねているかのようでうっかり眠ってしまいそう。

興味深いのは、畳擦り仕様が用意されていること(4本脚タイプにそれぞれ¥5,000+税アップ)。全体的に低重心であることと相まって、北欧の定番パーソナルチェア群よりも使い勝手がいいかもしれない。時代劇大好きの父に勧めてみようと思う。

 

もうひとつの目玉は、YUシリーズ:チェア design by 小林幹也スタジオ 小林幹也さん。

 

優しいフォルムを無垢材削り出しとモールドウレタンで表現したUC9(¥76,000〜)はとくに印象的。絶妙な傾斜角による視覚的な歓びとともに、上質な車のバゲットシートに腰掛けたときのようなしっかりとしたサポート感にはちょっと驚いた。