3年ぶりの旭川家具展でカンディハウスが発表した新作は、やっぱり“椅子”

旭川の雄・カンディハウスが3年ぶりの旭川リアル展示で魅せたかったモノ

北海道・旭川で開催された家具を中心としたデザインイベント「Meet up Furniture Asahikawa」が6月22日から26日に実に3年ぶりにリアル開催されました。これにあわせて各社新製品を発表しましたが、本稿ではカンディハウスの3つのプロダクツをご紹介します。

 

掛け心地のいいハイスツール「KYU」

ひとつめは、ドイツ人デザイナー・ミヒャエル・シュナイダーによる「 KYU(キュウ)」。これは6月22日より発売が開始されました(102,300〜135,300円・税込)。

 

ハイスツールでありながら掛け心地がよいのが特徴で、バーカウンター風に誂えたダイニングや、リビング脇に仕立てたリモートワーク用の小机でのPC作業など、ちょっとした作業を快適に行えるための新感覚チェアーです。

 

実はシュナイダー自身、腰を痛めた経験から同じ姿勢で長く座らず身軽に動く方が体への負担も少ないとの発想が根底にあるのだとか。長くすっと伸びた脚は、北海道産タモ材の質感を際立たせるととともに、 空間のヌケ感を高めています。

 

シュナイダーは、必要最小限のパーツで機能性と美しさを実現したこのスツールの出来に満足しているよう。

 

「座の後ろの手掛けになった木部は機能的なディテールで気に入っている。これはカンディハウスの設計チームの提案によるものだ。地元の木を使うのも環境負荷の面から賛成だ」

 

ボリュウミーなもの、シャープなもの

あとの2つは、「国際家具デザインコンペティション旭川[IFDA]」2021年入選作品の製品化。発売時期は改めて発表されるとのことです。

 

「FLAN(フラン)リビング イージーチェアー」は、下里修平による作。「包まれる感じ」「どこにあっても自分だけの空間がつくれる」といった“パーソナル”の居心地の良さにこだわってデザインされています。

 

大きな空間にあっても人と人の距離感をほどよく保ちたいという感覚、それでいて後ろからのボリュウム感は「肩身の狭い」思いをさせない堂々たる存在感をみせています。

もうひとつは、石橋忠人デザインの「TUB(タブ)スツールRL」。

 

無垢の厚い座と細いパイプのコントラスト、さらにパイプの脚がそのままLED照明になっているという斬新さは、一度見たら忘れられないでしょう。

 

光が人の居所の証として機能するか、人の感性が試される一脚だと思います。

 

これだけたくさんの家具が発売されていても、やはり家具の原点は椅子なのだと思い起こさせる発表となりました。