モルテーニのシステムやワードローブのように建築とインテリアに溶け込み機能も充実のキッチン──モルテーニ・ダーダ東京 探訪記Part.2

ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン デザインモデルからアルマーニ / ダーダまで豪華ラインナップ

モルテーニ・ダーダ東京探訪の第2回。今回は、キッチンブランドのDada(ダーダ)を中心にお届けします。

ひとつめは、Vincent Van Duysen(ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン)の最新キッチン「INTERSECTION」は、彼ならではの素材感を大切にした大胆ともいえるコレクション。

 

「上質と言われる家具なら天然の木目を合わせる」という常識を逆手に取り、扉やスナックテーブルの表面は、突き板を手作業で市松模様のように幾何学的に貼り合わせ、“光と影”が交差するデザインに。天板下は扉にかけて45度に絞り込まれ、ハンドルがなくても指を差し込んで開くことができます。さすがは建築家と思わせる流麗な処理が施されています。

 

メイン棟2Fの「Home」(予約制)に展示されています。

アルミ内蔵の薄型パネルで巨大天板を支える、建築家らしい逸品

2019年ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンによってデザインされたRATIO(ラッツィオ)は、モジュール性、機能性、対応性を更に高め、厳選された素材や仕上げを加え2020年に正式発表されました。

 

大理石の分厚い天板を支えているのは、16mmのアルミ製グリッドを基調に、アルミ材を内蔵することで実現した13mmのドア材。スナックテーブルというには広いカウンターは、ダイニングとしても十分通用しそうです。スラット入り扉と内部照明を備えた新しいフロアベースも魅力たっぷりです。

 

遊び心と機能性をミックスしたモジュールキッチン

SYSTEMA XY(システマ エックスワイ)は、フランチェスコ・メダデザインの、デカルト座標(XY軸)からインスピレーションを受けたモジュールキッチンシステム。

 

キッチンでは様々なツールが必要な時に瞬時に使いやすい位置にあるべきで、そのためには必要なものを決められた場所に置いておけることが重要。そこで、X・Y軸を導線に、様々なアクセサリーを組み合わせることで集いやすく機能的なキッチンを実現することが考えられました。

基本の軸は中央のアクセサライズドチャネル。ここにはナイフホルダー、まな板、スパイスジャー、ソルト&ペッパーミル、コンセント、食器ラックなどが集まっています。

 

SISTEMA XYは既存のキッチンモデルに組み合わせて使用することができ、ダーダ東京では今回新しく展示に加わったイタリアでも人気のスタンダードモデルINDADAに設置しています。INDADAの壁面には015 LIGHTING SYSTEM( 015 ライティングシステム)を採用し、iPadを吊ってみたり、調理器具を掛けておくことが可能です。また、INDADAの扉を大きな時計にしてしまう遊び心も楽しいですね。

 

美しさも価格も段違い、アルマーニのキッチン

2008年にアルマーニ / カーザとのパートナーシップにより誕生したジョルジオ・アルマーニ デザインのキッチンブランド・アルマーニ / ダーダ。その最新キッチンMIDNIGHT(ミッドナイト)は、モルテーニ・ダーダの最新の技術を取り入れながら、現代的な感覚と異国への憧れを表現したカクテル&ワインバーキッチンです。

水栓も収納可能で、引き出しはワインセラーなどにカスタマイズも可能。国際特許を取得した、開けても本体横に格納されて場所を取らない扉は、日本の伝統建築にインスパイアされたのだそう。

 

価格はなんと、13,007,500円(税込)! モルテーニ東京のメイン棟B1に展示されています。

 

機能のみならず、世界観に驚くこと必至のダーダキッチン。この上ない博物館のような空間に、この夏、身を置いてみて。

 

なお、ダーダは完全予約制で、モルテーニと定休日も異なる(水・土・日・祝 定休)ので、事前予約をお忘れなく。

(取材・写真・文:遠藤)