ただ美しいだけでなく、日々の暮らしに価値あるインテリアを──生活用品を吊すバー

Kvadrat/Raf Simonsが新アクセサリーコレクションShaker Systemを発表

デンマークのテキスタイルメーカーKvadrat (クヴァドラ) とデザイナーRaf Simons (ラフ・シモンズ) の協業により2014年にスタートした「Kvadrat/Raf Simons」。2022年8月9日(火)に、新作のライフスタイルアクセサリーコレクション『Shaker System (シェーカーシステム) 』をデンマーク・コペンハーゲンで発表しました。日本での展開は、『Shaker System』ファーストコレクションが2022年冬頃、セカンドコレクションは23年初頭の発表を予定しているとのこと。

これまで「Kvadrat/Raf Simons」では、Raf Simonsがデザインしたインテリアテキスタイルやクッション、スローを展開してきました。

 

一方、今回新たに発表した『Shaker System』のアイテムは、シェーカー教徒によって発案されたペグレール(一定間隔に丸いフックが並ぶ壁掛けコートラック)に着想を得た、彫刻のような造形の水平のバーと、バーに吊るすことができるアクセサリーで構成。ほとんどのアイテムに「Kvadrat/Raf Simons」の代表的なインテリアテキスタイル「Vider(ヴィダー)  4」が採用され、オフホワイト、ピンク、グリーン、ブラックの4色を軸に、全26アイテムのライフスタイルアクセサリーとなりました。

 

キーチェーン、キャップ、トートバッグ、ショッピングバックをはじめ、スロー、クッション、ミラートレイ、アクセサリーボックス、マガジンストラップ、収納スリーブ、全アイテムを壁掛けできるペグレールのバーまで、居住空間を演出する洗練されたライフスタイルアクセサリーを網羅しています。

日常と非日常の一体性について考え抜いた成果

『Shaker System』のバーをデザインするにあたり、色の濃さや表面の仕上げを表現手段として用いたJohn McCracken (ジョン・マクラッケン) のミニマルな彫刻にもインスピレーションを受けたとRaf Simonsは語ります。

 

「これまで以上に、家は私たちの生活の中心を占める存在となります。それをより良い方向に導く仕組みをつくりたかったのです。私は工業デザインを学びましたが、ただ美しい製品を生み出すだけでは十分ではないと考えています。現代に暮らす私たちの生活に、何かしらの価値あるものをもたらしたかったのです」

 

このコンセプチュアルなビジョンをベースに、快適さ、触感、雰囲気を大切な要素としています。また吊るすことで、秩序ある空間を生み出しています。

 

存在感のある彫刻的なバーは、工業的ではなく職人的な印象で、精密に仕上げられています。Raf Simonsはバーをテキスタイルで包む際、家具を革で纏うことを得意とした、フランスの装飾芸術デザイナーJacques Adnet (ジャック・アドネ) からもインスピレーションを得ています。

 

「どこにでもあるような、気取らない、それでいて、スケール感のあるものをデザインしたいと思いました。Shaker Systemのアイテムは、建築的に空間を演出することもできますし、例えば東京の35m²のアパートで使用することもできるのです」(Raf Simons)

 

Raf SimonsとKvadratの開発チームは、人々がどのように行動し、何によって寛げるのかを調査。その結果、”必要性 (本当に必要なもの)”と、”欲求(あれば良いなと欲するもの)”というふたつの要素を抽出し、シリーズを構成したのだそう。

 

「当初は各部屋に至るまで家全体について考えていましたが、美的な観点からアプローチするのではなく、機能やニーズを重視し、ユーザーと同じ目線に立ち考えることが重要だと気づきました。椅子などを買うときと同じような心境で、日常生活に取り入れることに刺激を感じてもらえれば嬉しいです」(Raf Simons)

 

本コレクションには、Raf Simonsが日常と非日常、そしてそれらがいかに一体となりうるかについて思考した結果が反映されています。ヨーロッパからアメリカへと何度も引っ越しを繰り返し、新しい家では常に整理整頓が必要だったというRaf Simons。本コレクションは実は、彼の個人的なニーズから生まれたと言っても過言ではないでしょう。

初のコンセプトストアはシェーカー文化の美学を体現

またこのたび、「Kvadrat/Raf Simons」初のコンセプトストアがデンマークのコペンハーゲンにオープン。

 

Raf Simonsがインスピレーションを得たシェーカー文化の美学や関連性に焦点を当てた店内は、木製の垂木が設えられ、叙情的な美しさを演出。『Shaker System』のダイナミックな世界観を表現するため、スウェーデンのデザイナーAxel Einar Hjorth(アクセル・エイナー・ヨース)の家具が店内に展示されています。

Photo by Elizabeth Heltoft

 

(資料提供:KVADRAT/RAF SIMONS)