「もっとTOGETHERしましょう!」 デザイナート トーキョー2022開幕[DESIGNART TOKYO 2022リポート]

「DESIGNART TOKYO(デザイナート トーキョー)2022」オープニングセレモニー開催

日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO(デザイナート トーキョー)2022」が、約300のクリエイターやブランドの参加を得て、東京表参道・外苑前、原宿・明治神宮前、渋谷、六本木、銀座のエリアをまたぐ65会場で、10月21日より30日まで開催中。初日には東京・青山のワールド北青山ビルでオープニングセレモニーが行われました。

発起人のひとりMIRU DESIGNの青木昭夫さんは、今年のテーマ「TOGETHER〜融合する好奇心〜」について説明。6年目となる本フェスティバルを交わりの機会の場として欲しいと訴えました。また、昨今の円安をむしろ日本のもの作りを世界に発信するきっかけにしたいと意気込みます。

また、会見が行われたワールド北青山ビル1F「DESIGNARTTOKYO 2020 INFORMATION CENTER」を「NEXT CIRCURATION」と銘打ったことについて、「物質的な循環だけでなく、教育(のついての継承)も重視したい」と次世代に向けた新たな気づきをもたらすものを目指したと強調しました。

Klein Dytham architectureのアストリッド・クラインさんは、今回のテーマについて触れ、「春に考え始めた当初はまだコロナ禍で、対面で集まるのは難しい状況で、『TOGETHER』は願望でしかありませんでした。でも、互いのインスピレーションの交流、異素材のコンビネーションといったデザイナートトーキョーのテーマとしてもっと面白いことができそうだと企画したところ、実際に『TOGETHER』できました。もっと『TOGETHER』しましょう!」と呼びかけました。

会場テーマは「富嶽三十六景の松の木の影」

この会場の空間構成を担当したのは、建築事務所「ザ デザインラボ」の板坂諭さん。

 

エントランスではリマーレの色鮮やかなサインボードが来場者を迎えるほか、展示台はワークスタジオのアップサイクルボードPANECOを武蔵塗料ホールディングスの色鮮やかな7色のバイオ塗料で塗り上げるなど、“リサイクル”感のあるくすんだイメージを一掃。

 

丸く高低をつけた展示台の配置についても、「今回のテーマである循環型社会の指針を表現するには、かつてそうであったはずの青山──富嶽三十六景の松の木の影を落としたさまを表現したかった」といいます。

サステナブルなグッズ作品が目白押し

会場には、豊島株式会社の天然由来プラスチックブランド「LandLoop」のアートプロジェクト“Printed Sculpture”の作品や、イスラエル人デザイナーOrna Tamir Schestowitzが手掛ける自然とテクノロジー、原始と未来という二つの極がクロスした作品「Seeds of Heritage」、空間デザイナー吉添裕人による100%リサイクルガラス製のシェードを利用した照明作品「Orbit」、有機溶剤を使わない水性アクリル樹脂で樹木の廃材をかためたマテリアルで作ったForestBank、サスティナビリティを考慮したAmazon Echoの新製品Echo Show10などが展示されています。

また、台湾デザイン研究院(TDRI)は、「the SP!RAL」と題したサステナブルなデザインを一堂に展示。「資源が限られている台湾では、デザインを取り入れる活動をしてきました」といいます。

 

回収ガラスを使った「CRYSTN」、紙を撚った糸でコートを作る「The Paper Coat」、長さを自在に変えられるハニカム構造のソファ「Honeycomb Paper Sofa」、アジアらしい竹の伝統工芸「竹が織りなす暮らしのフォルム」、廃棄漁網を活用したメガネフレーム「Hibāng RE-fishing-Net Circular Eyewear」、世界初のオフグリッド型廃棄物リサイクルシステム「TRASHPRESSO」から生まれたアップサイクル多機能な器、電力設備廃棄物から生まれるサステナブルなグッズ7作品が展示されています。

「DESIGNART TOKYO(デザイナーとトーキョー)2022」は、東京表参道・外苑前、原宿・明治神宮前、渋谷、六本木、銀座のエリア65会場で、10月21日より30日まで開催中。

 

(取材・撮影・文:遠藤)

 

[DESIGNART TOKYO 2022 INFORMATION CENTER]

ワールド北⻘山ビル 東京都港区北⻘山3-5-10