「あなたの知らないフランス映画祭」がスターチャンネルEXで
動画配信サービス「スターチャンネルEX」は、現地から直接買い付けして集めた日本初公開・初配信の新旧入り混ぜて19本のフランス映画を11月にリスト追加。「あなたの知らないフランス映画祭」と題して、既に配信している作品と合わせてフランス映画は56本にものぼります。
クロード・シャブロル監督特集
注目は、11月21日(月)より順次配信される、クロード・シャブロル監督特集。
エラリー・クイーンの原作をオーソン・ウェルズ他豪華キャストで映画化した 『十日間の不思議』(1971)が待望の日本初公開されます。また現在スターチャンネルEXで配信中のドラマ『ビースト・マスト・ダイ/警部補ストレンジウェイズ』(全6話)と、同原作のサスペンススリラー『野獣死すべし』(1969)、『一寸先は闇』(1971)、『肉屋』(1970)の初配信3作とあわせ、絶対に見逃せません。
『十日間の不思議』(1971) ★日本初公開
原題:LA DECADE PRODIGIEUSE
監督:クロード・シャブロル
出演:アンソニー・パーキンス、オーソン・ウェルズ、ミシェル・ピコリ
推理ミステリー作家エラリー・クイーンの原作小説を映画化。若き彫刻家の青年、その父親である一家の初老の主、その若く美しい後妻。謎めいた秘密に彩られた一家に脅迫状が舞込み、やがて忌まわしい事件へと発展していく...。アンソニー・パーキンス、オーソン・ウェルズ、ミシェル・ピコリら米仏の名優を配した豪華キャストに注目。
彫刻家のチャールズはある日、目覚めると手が血まみれ。身に覚えのない彼は、自分が知らないうちに恐ろしいことが起きているのではないかと恐怖し、大学時代の師である心理学者ポールに助けを求めます。チャールズの屋敷にやってきたポールは、威厳をたたえたチャールズの初老の父と、チャールズよりも若い後妻エレーンに会います。そんな中、ポールはチャールズに脅迫状が届き大金を要求されていることを知ります...。
『野獣死すべし』(1969) ★日本初配信
原題:QUE LA BETE MEURE
監督:クロード・シャブロル
出演:ミシェル・デュショーソワ、ジャン・ヤンヌ、カロリーヌ・セリエ
スターチャンネルEXで配信中のドラマ『ビースト・マスト・ダイ/警部補ストレンジウェイズ』と同じ原作にあたるニコラス・ブレイク(ダニエル・デイ=ルイスの父)の小説を映画化した傑作サスペンススリラー。
幼い息子を猛スピードで走る車に轢き逃げされ、悲しみに暮れていたチャールズ。いつまでも犯人を見つけられない警察にしびれを切らし、ついに自ら犯人探しをはじめます。周囲に悟られないため、新作小説のアイディアを探すふりをしながら黒い手帳に殺人計画を記録。するとある日、車を目撃したという人物が浮上しますが、車に乗っていたのは、ある意外な人物でした...。
『一寸先は闇』(1971) ★日本初配信
原題:JUSTE AVANT LA NUIT
監督:クロード・シャブロル
出演:ミシェル・ブーケ、ステファーヌ・オードラン、フランソワ・ペリエ
ある男が親友の妻と不倫し情事の果てに殺害する。成瀬巳喜男監督『女の中にいる他人』 (1966)と同じエドワード・アタイヤのミステリー小説「細い線」を原作とした犯罪ミステリー。
シャルルは友人フランソワの妻ローラと不倫している。その日、密会の最中にシャルルは求めに応じて彼女の首に手をかけそのまま絞殺してしまう。遺体を残しその場を去ったシャルルはバーでフランソワに出くわすも、何食わぬ顔で一緒に飲んでいると、フランソワ宛に警察から電話が。翌日、ローラの死は新聞に載りシャルルの妻エレーヌも知るところとなりますが、シャルルは真実を誰にも言えず罪の意識が日々強まって...。
『肉屋』(1970) ★日本初配信
原題:LE BOUCHER
監督:クロード・シャブロル
出演:ステファーヌ・オードラン、ジャン・ヤンヌ、アントニオ・パサリア
シャブロルが脚本も手がけた異色スリラー。心に傷を抱えた女性教師が肉屋の男と親密になり、やがて連続殺人に巻き込まれてゆく。シャブロル作品に数多く出演し、後に妻ともなったステファーヌ・オードランが、男を愛しながらも信じきることのできないヒロインを陰影豊かに演じています。
フランスの小さな村で教師をしているエレーヌは、同僚の結婚式に出席し、その村で生まれ育った帰還兵で今は家業の肉屋を営むポポールと偶然に知り合い意気投合します。エレーヌは、肉を届けてくれたり授業の手伝いをしてくれる彼に惹かれていきますが、そんな平穏な生活が一遍する連続殺人事件が発生。エレーヌはその事件現場に誕生日の記念にポポールに贈ったライターが落ちているのを発見します...。
シャンタル・アケルマン監督作、初配信
再上映イベントで再評価されブームとなっている女性監督シャンタル・アルケマンの傑作『ジャンヌ・ ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』(1975)も11月3日(木・祝)から日本初配信。ジャック・ドゥミ監督の遺作となったミュージカル『想い出のマルセイユ』(1988)もあわせて14日(月)から日本初配信されます。すでに配信中の「Gaumont (ゴーモン)」セレクションからは、エリック・ヴァリ監督、ジュリアン・サンズ出演の『少女は砂漠を越えて』(2006)などの日本初公開作をはじめ、初配信のレア作品に注目です。
『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』(1975)★日本初配信
原題:JEANNE DIELMAN, 23, QUAI DU COMMERCE, 1080 BRUXELLES 監督:シャンタル・アケルマン 出演:デルフィーヌ・セイリグ、ジャン・ドゥコルト、ジャック・ドニオル・ヴァルクローズ
日本でも再上映イベントが大ヒット。再評価の機運が高まっているシャンタル・アケ ルマンによるフェミニズム映画の傑作として評された貴重な代表作の一本。女性が監督した傑作映画 ランキング1位(インディー・ワイアー紙)にも輝いた名作です。
ブリュッセルのアパートで、思春期の息子と二人で暮らす女性ジャンヌは、家事をこなし、隣人の赤ん坊の子守りを引き受け、買い物へ出かけ、息子の身のまわりを清潔に快適に保っています。そんな彼女は、息子が学校へ通っている午後、時おり自宅で売春をすることも。そうしたジャンヌの規則正しい生活は、少しずつ綻びを見せてゆきます。ある日の午後、いつものように“客”を迎えるジャンヌでしたが、自分でも予期せぬ行動をとってしまい…。
「PATHÉ(パテ)」セレクション
フランス在住の映画ジャーナリスト林瑞絵さんがセレクトした「PATHÉ(パテ)」セレクションでは、フランスで歴代興収2位の大ヒットコメディ『ようこそ、シュティの国へ』(2008)、カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したコスタ=ガヴラス監督の『スペシャル・セクション/捏造された法廷』(1975)、巨匠クロード・ベリ監督の自伝的作品『クロード・ベリ 〜パパと僕の映画〜』(1971)が日本初公開。
『ようこそ、シュティの国へ』(2008) ★日本初公開
原題: BIENVENUE CHEZ LES CH'TIS
監督:ダニー・ブーン
出演:カド・メラッド、ダニー・ブーン、ゾエ・フェリックス
フランスの国民的コメディ俳優ダニー・ブーンが手がけ、フランスで歴代興収2位という大ヒットを記録したコメディドラマ。南仏から閉鎖的と言われる北部の街へ単身赴任した郵便局員と地元の人々の交流をユーモラスに描きます。
南仏プロヴァンスの郵便局長フィリップは、地中海のコートダジュールに異動したいために不正をはたらき、それがばれて北部の小さな街ベルグへ左遷。北部に対して寒く閉鎖的な偏見を持ちながら、嫌々その街で暮らし始めたフィリップでしたが、北部の訛りの強い言葉や個性的な人々との出会いに戸惑いながらも地元の人々との交流を通し、次第に北部の地の魅力に気付いていきます…。
『スペシャル・セクション/捏造された法廷』(1975) ★日本初公開
原題: SECTION SPECIALE
監督:コスタ=ガヴラス
出演:ルイ・セニエ、ロラン・ベルタン、ミシェル・ロンズデール
『Z』のコスタ=ガヴラス監督がエルヴェ・ヴィレレの原作小説を基に映画化。ドイツ占領下のフランスを舞台に、政治的な策略のために殺人事件の犯人に仕立て上げられた人々の裁判を描く法廷ドラマで、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した他、ゴールデングローブ外国映画賞にもノミネートされました。
第二次世界大戦中、ナチスドイツ占領下のパリの地下鉄駅でドイツ軍将校が殺害される事件が発生。犯人はレジスタンスに参加するフランスの若者2人だったが、当局は彼らを取り逃がしてしまいます。時のヴィシー政権はドイツの報復を回避するため「特別法廷」を設置する法令を制定。事件とは無関係の4人の共産主義者と2人のユダヤ人を犯人に仕立て上げ、できるだけ早く彼らに有罪判決を下すため裁判が開かれ...。
『クロード・ベリ ~パパと僕の映画~』(1971)
原題: LE CINEMA DE PAPA
監督:クロード・ベリ
出演:イヴ・ロベール、クロード・ベリ、へニア・ジヴ
俳優、プロデューサー、監督として数多くの映画に携わった巨匠クロード・ベリの自伝的作品。毛皮職人の父親と、映画の道を志す青年との日常を綴ります。フランソワ・トリュフォーが「ベリの最高傑作」と絶賛。
1946年パリで、クロードは毛皮職人の父親、優しい母親、ちょっと生意気な妹と質素に暮らしていました。クロードに毛皮店を継いでほしい父親は、彼に勉学や毛皮職人になるための修行に励んでほしいと願うも、映画が大好きなクロードは俳優を目指すように。最初は難色を示す父親でしたが、だんだんとクロードの才能に惹かれ、彼を応援するようになります…。
『一発逆転のディベートレッスン』(2017) ★日本初公開
原題: LE BRIO
監督:イヴァン・アタル 出演:カメリア・ジョルダナ、ダニエル・オートゥイユ、ヤシン・ウイシャ
イヴァン・アタル監督、フランスの名優ダニエル・オートゥイユと歌手活動でも人気のカメリア・ジョルダナ出演のコメディ。
パリ郊外の団地で暮らすアルジェリア系のネイラは、弁護士を目指し名門のパリ第2大学に入学。しかし初日からひねくれ者の教授ピエールの授業に遅刻してしまいます。怒ったピエールは人種差別的な発言でネイラを侮辱。するとこの発言が問題視され、ピエールの大学での立場が危機に。名誉挽回の方法を考えた結果、ピエールはネイラを訓練して権威あるディベート大会に出場させることになります。最初は嫌々始めたふたりでしたが...。
『想い出のマルセイユ』(1988) ★日本初配信
原題:TROIS PLACES POUR LE 26
監督:ジャック・ドゥミ
出演:イヴ・モンタン、マチルダ・メイ、フランソワーズ・ファビアン
イヴ・モンタンが主演を務め、故郷マルセイユを舞台に彼の半生を回想する『シェル ブールの雨傘』のジャック・ドゥミ監督の遺作となったミュージカル映画。
20年ぶりにミュージカル公演のためマルセイユに帰郷したイヴ・モンタン。そのステージは、彼自身の半生を歌とダンスで振り返るというもの。リハーサルの合間に彼が楽屋に戻ると、マリオンという若い女性が待っていました。この公演のチケットが欲しいと懇願され、リハーサルの見学を許してしまうと、リハーサルを見学する最中モンタンの相手役が突如倒れてしまい、ミュージカル俳優志望のマリオンが急遽代役に…。
『ル・ジュエ おもちゃにされた新聞記者』(1976) ★日本初公開
原題: LE JOUET
監督:フランシス・ヴェベール
出演:ピエール・リシャール、ミシェル・ブーケ、ファブリス・グレコ
新聞記者の男が自分の会社社長のわがまま放題の子供と共に社長の裏の顔を暴く 『メルシィ!人生』のフランシス・ヴェベールの日本未公開コメディ。
新聞記者のペランは、冷酷に社員を扱う社長、彼に媚びる編集長に嫌気がさしていました。ある日、同僚カメラマンと大型店舗のおもちゃ屋を取材していると、大勢の大人を引き連れたエリックという男の子に出会います。彼は、ペランが務める新聞社の社長の息子だったのです。エリックはペランを気に入り、自分のおもちゃにしたいと言い張り、店の責任者に説得されたペランは社長邸宅 へと運ばれます。そこでエリックのわがまま放題に振り回され...。
『ふたりの最高はこれから』(2019) ★日本初公開
原題: MEILLEUR RESTE A VENIR
監督:アレクサンドル・ド・ラ・パトリエール 出演:ファブリス・ルキーニ、パトリック・ブリュエル、ジネブ・トリキ
親友同士の中年男性2人組が残された人生を何にも我慢することなく生きていこうと決意する姿を描くコメディドラマ。
アーサーとセザールは親友同士。アーサーは大学病院の講師として堅実な日常を送っており、方やセザールは常にお金の問題に悩まされ、家財道具を差し押さえられる際に誤って自宅バルコニーから転落する始末。セザールの怪我を見たアーサーは、病院に行こうとしない彼を病院まで連れて行き治療を受けさせますが、数日後にセザールの診察をした医師に呼び出され、セザールについて驚きの事実を告げられます…。
『ジャッキーと女たちの王国』(2014) ★日本初配信
原題: JACKY AU ROYAUME DES FILLES
監督:リアド・サトゥフ 出演:ヴァンサン・ラコスト、シャルロット・ゲンズブール、ディディエ・ブルドン
“バンド・テシネ”(フランス文化圏のコミック)の作家として有名なリアド・サトゥフが手がけた長編監督第2作目。女性が権力を握る架空の国を舞台に、独裁者の娘との結婚を夢見る青年の奮闘を描いたブラック・ユーモア作品。
ブブンヌ民主主義人民共和国では、女性が政治や軍事的権力を握り、男性はヴェールをかぶり家事をおこなっています。20歳の青年ジャッキーは、国中の多くの若い男たちと同じ大きな夢…この国の独裁者である将軍の娘“大佐”と結婚し、女の子をたくさんもうける…を持っていました。そんな中、将軍が娘の結婚相手にふさわしい男を探すための舞踏会を開催することになり、意気揚々とジャッキーはⅢ化します...。
『クスクス粒の秘密』(2007)
原題: LA GRAINE ET LE MULET
監督:アブデラティフ・ケシシュ 出演:アビブ・ブファーレ、アフシア・エルジ、ファリダ・ベンケタシュ
『アデル、ブルーは熱い色』のアブデラティフ・ケシシュ監督の人間ドラマ。チュニジア系移民の家族がレストラン開業に奔走します。ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞しました。
南仏の港町で暮らす初老のスリマーヌはリストラの危機に瀕していました。そこで彼は愛人の娘・リムと共に、廃船を買い取って船上レストランを開く計画をたてます。しかしスリマーヌは、銀行の融資が降りず役所の許可も得ることができない状況に頭を抱えてしまいます。関係者を納得させるため家族と共にプレオープンの試食会を開いたパーティーは盛り上がるものの、予定していたクスクスが届かずスリマーヌは窮地に立たされます…。
9月13日にこの世を去ったジャン=リュック・ゴダール監督の代表作もふくめ、初心者からマニアまで楽しめるフランス映画全56作品は、スターチャンネルEXで11月より配信。
(資料提供:株式会社スター・チャンネル)