「もう一つの9.11だ」命を値踏みする弁護士の葛藤『ワース』

『ワース 命の値段』2/23公開

マイケル・キートン主演で9.11 テロ犠牲者の命に値段をつけた弁護士たちの実話を映画化した『ワース 命の値段』が、2月23日(木・祝)にTOHOシネマズ シャンテほかで全国公開されることが決定。場面写真が公開されました。

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場面写真では、マイケル・キートン演じるケン・ファインバーグ弁護士が、大学の教壇で「命の価格」について講義している姿、被害者への説明会に立つ姿などが切り取られています。

著名人も注目のコメント

ジャーナリストの田原総一朗は、「人の命に値段などつけられる筈がない。この、あまりにも難しい問題に唸らざるを得ない。そこに自ら立ち向かっていく主人公に不謹慎ながら、しびれてしまった」と語ります。

 

ジャーナリストの柳澤秀夫は、「もう一つの9.11だ。テロとの戦いの舞台裏でこんなことが起きていたのか!知らなかった自分を恥じた。命の計算式からはアメリカ社会の素顔が垣間見えてくる。一人の弁護士の葛藤を通して『我々にとって何が大切なのか?』重い命題を突き付けられた」とコメントしています。

 

『週刊東洋経済』編集長の風間直樹は、「調停のプロによる独自の計算式、ルールが完璧でないから正しい補償金額を出せないのではない。ときに前に進むよりも、いや、前に進むためにこそ、公正さ、道義的正しさの追求が欠かせない現実をクリアに描き出した」と称賛。

 

憲法学者の木村草太は、「法は正義のためにある。個人の尊厳が守られ、個人が尊重されないところに、正義はない。個人の尊厳が守られない法、個人が尊重されない法ならば、誰も従わない。良き法律家に必要なのは、他者の尊厳を守り、尊重する姿勢だ」と語ります。

 

認定 NPO 法人 Dialogue for People 副代表でフォトジャーナリストの安田菜津紀は、「数字に置き換えられるはずのない悲しみに心を揺さぶられたのなら、映画の『その後』にも思いを巡らせたい。米国の『報復攻撃』や侵攻の犠牲となり、何ら支えを受けられずにいる、アフガニスタンやイラクの人々の命にも」と手厳しい。

 

映画監督の瀬々敬久は、「100人近い被害者遺族を演じる俳優たち、その全員が素晴らしい。悲しみとやるせなさ、不条理を抱えた存在。 命の価値がどう違うのか、問い直してしまう。突きつけられてしまう。私たちは、この映画を通して何百もの命と出会ってしまうのだ」と語ります。

血も涙もなかった弁護士が徐々に遺族に耳を傾ける

本作品は、アメリカを襲った未曾有の大惨事9.11テロの発生直後、約7000人ものテロ被害者と遺族に補償金を分配する国家的事業に携わった弁護士たちを描く物語。

 

このプログラムを束ねる弁護士ケン・ファインバーグ(マイケル・キートン)は、前代未聞の難題に直面します。年齢も職種もバラバラの被害者たちの“値段”をどうやって算出するか?彼らの“命”を差別化することは、道義的に許されるのか...?

 

調停のプロを自認するファインバーグは、独自の計算式に則って個々人の補償金額を算出する方針を打ち出すも、さまざまな事情を抱える被害者遺族の喪失感や悲しみに接するうちに、いくつもの矛盾にぶち当たります。約7000人の対象者のうち80%の賛同を得ることを目標とするチームの作業は停滞する一方、プログラム反対派の活動は勢いづいていきます。期限が刻一刻と迫るなか、苦境に立たされたファインバーグが下した大きな決断とは......?

 

全米の道徳観を揺さぶったこの知られざる実話は、被害者遺族それぞれの苦悩と向き合い厳しい批判に晒されながら使命に立ち向かった、弁護士たちの驚くべき2年間の軌跡です。

 

アカデミー賞作品賞に輝いた『スポットライト 世紀のスクープ』『それでも夜は明ける』の製作陣が手掛け、『バットマン』のマイケル・キートンが主演とプロデューサーに名乗りを上げた本作。実在のモデルで、原案となった回想録「What is Life Worth?」の著者である弁護士のファインバーグと意気投合したキートンは、計算機のようだったファインバーグが遺族の声に耳を傾けて変わっていく姿を真摯に演じきっています。

 

監督は、2018年サンダンス映画祭監督賞受賞作『キンダーガーテン・ティーチャー』(未)で注目された女性監督サラ・コランジェロ。脚本は、2008年に書き上げた本作で高い評価を受け、『GODZILLA ゴジラ』『キングコング:髑髏島の巨神』といった大作に抜擢されたマックス・ボレンスタイン。

 

そんな若い才能のもとに、アカデミー賞ノミニー俳優のスタンリー・ トゥッチ(『ラブリーボーン』)、エイミー・ライアン(『ゴーン・ベイビー・ゴーン』)らベテラン実力派キャストも集結、アメリカの知られざる真実の物語を描きます。

 

2020年サンダンス映画祭でお披露目されるや「尋常じゃなく感動的!─New York Times」と絶賛を浴び、バラク・オバマ元大統領夫妻の製作会社ハイヤー・グラウンド・プロダクションズがいち早く配給権を獲得したことも話題に。世界を大きく変えた9.11という歴史的事件を題材にした社会派エンターテインメントドラマが完成しました。

[作品情報]

監督:サラ・コランジェロ 

脚本:マックス・ボレンスタイン 

出演:マイケル・キートン、スタンリー・トゥッチ、エイミー・ライアン

2019年/アメリカ/英語/118 分/シネスコ/カラー/5.1ch/原題:WORTH /日本語字幕:髙内朝子 

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提供:ギャガ、ロングライド 

配給:ロングライド 

公式サイト:longride.jp/worth/