『新潟国際アニメーション映画祭』技術職を表彰する「大川=蕗谷賞」発表!

⻑編商業アニメーションにスポットを当て、⻑編アニメーション映画のコンペティション部門をもつアジア最大の祭典として新潟から世界へアニメーション文化を発信する映画祭『新潟国際アニメーション映画祭』が3月17日より22日に開催されます。このたび、戦後の日本アニメーション文化に大きな役割を果たした新潟出身の大川博と蕗谷虹児の名を冠した「大川=蕗谷賞」の受賞者が決定、プログラム・ディレクターの数土直志がコメントを寄せました。

『犬王』 ©2021“INU-OH”FilmPartners/『漁港の肉子ちゃん』 ©西加奈子/幻冬舎 ©2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会/『THEFIRSTSLAMDUNK』 ©I.T.PLANNING, INC. ©2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners/『劇場版 呪術廻戦 0』 © 2021 「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 ©芥見下々/集 英社 ©芥見下々/集英社/『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』 ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

⻲田祥倫、中野悟史 『犬王』(総作画監督)

「音楽に合わせて跳んだり走ったり、『犬王』は全編にわたりアニメーションの動きの魅力が溢れています。その動きを作りだすアニメーターの仕事が『犬王』の見せ場です。時代劇でミュージカルアニメとの難しい課題に挑戦し、見たこともない動きを次々に繰り広げる。日本のアニメーションの最高峰を実現しました」

木村真二 『漁港の肉子ちゃん』 (美術監督)

「⻑年にわたり、アニメーション映画の美術に欠かせない存在であった木村真二さんが、『漁港の肉子ちゃん』でまた素晴らしい仕事を残しました。作品の舞台になった東北地方の漁港を、物語に相応しい繊細さと情感で表現しました。まさに日本のアニメーション技術の極みといえるものです」

寺尾優一 『劇場版「⻤滅の刃」無限列車編』(撮影監督)

「近年、アニメーション制作における撮影の役割が以前より大きくなったと指摘されます。完成したアニメーションの絵に撮影の技が最後に加わることで、作品はさらに輝きを増します。寺尾優一さんはそんな撮影の素晴らしさを、『劇場版「⻤滅の刃」無限列車編』を通じて示し、同時にその技は作品の魅力の大きな部分を担っています」

東映アニメーション/ダンデライオンアニメーションスタジオ 『THE FIRST SLAM DUNK』(CG アニメーション)

「『漫画の絵がそのまま動き出したようなアニメーションを実現したい』多くの漫画家が夢見る映像を、原作者・井上雄彦と共に最新のCGアニメーションで実現。誰も観たことがない、こんなことが出来るのか、驚きの連続でした。卓越した技術で実現した『THE FIRST SLAM DUNK』の映像は、CGアニメーションの新しい時代を切り拓くことになるはずです」

MAPPA 『劇場版 呪術廻戦 0』(アニメーション制作スタジオ)

「現代の若者の心を掴み空前の大ヒットになった『劇場版 呪術廻戦0』。これはアニメーション制作を担当したMAPPAが設立から12年の若いスタジオであることも無関係ではないはずです。『チェンソーマン』『ユーリ!!! on ICE』など話題作を次々に生み出すMAPPAは、新しい時代を捉える未来のアニメスタジオなのです」

作り手のための「大川=蕗谷賞」

本映画祭の特徴のひとつに、アニメーションの技術職のスタッフ、企業・スタジオを選出し業績を顕彰する「大川=蕗谷賞」の創設があります。

 

大川博は、1957年当時、東洋最大といわれる東映動画スタジオを立ち上げ、日本初の⻑編フルカラーアニメーション映画『白蛇伝』を制作。蕗谷虹児は、それに先立つ日本初のフルカラー短編アニメーション『夢見童子』の監督・構成・アニメーターを務めたことで知られています。

 

これら二人に続く若手を含むスタッフの直近の成果、また制作現場の幅広い職種での活躍にスポットを当て、作り手を顕彰することで、アニメーションの文化の発展・振興への貢献を目指す役割も担います。

なぜ今の日本に国際アニメーション映画祭が必要なのか?

現在、アニメーションは日本を代表する文化となり、「アニメ」と呼ばれる日本の作品はいまや世界中のどこででも見ることができます。しかし、未来永劫アニメーション文化を維持するためには、文化価値の共有や作品への評価、人材やスタジオが持続する基盤を作る必要があります。

 

現在、アニメーション文化は、「商業」と「アート」、「国内」と「海外」、「専門家」と「大衆」に分断され、十分な力を発揮しているとは言えない現状があります。それを打破する中心的な役割を担おうとするのが「新潟国際アニメーション映画祭」です。

[開催概要]

「第1回新潟国際アニメーション映画祭」

英語表記:Niigata International Animation Film Festival 

主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会 

企画制作:ユーロスペース+ジェンコ 

特別協力:新潟市、新潟日報社、新潟県商工会議所連合会、燕商工会議所

後援:外国映画輸入配給協会

協力:新潟大学、開志専門職大学、JAM 日本アニメ・マンガ専門学校

協賛:NSG グループ

会期:3 月 17 日(金)〜22 日(水) 毎年開催 

上映会場:新潟市⺠プラザ、開志専門職大学、T・ジョイ新潟万代、シネウィンド 

イベント会場:新潟日報メディアシップ、古町ルフル広場、新潟大学駅南キャンパスときめいと 

公式サイト:https://niaff.net