80〜90年代のミニシアターブームを牽引したヴィム・ヴェンダース作品5選

3月はヴィム・ヴェンダース特集Part1

1980年代から90年代のミニシアター・ブームを牽引した現代ドイツを代表する監督ヴィム・ヴェンダースの作品が、3月7日(火)~11日(土)にCSザ・シネマで放送。動画配信ストリーミングサービス「ザ・シネマメンバーズ」でも期間中配信されます。

『都会のアリス 【レストア版】』 放送日:3月7日(火)7:15~

映画作家ヴェンダースの原点がここに!青年と少女のあてどない旅を綴るロードムービーの名作。

© Wim Wenders Stiftung 2014
© Wim Wenders Stiftung 2014

アメリカ東海岸をさすらうドイツ人青年フィリップが、旅行記の仕事を諦めて帰国を決意。そんな彼が空港で出会ったのは、同じくドイツに帰ろうとしている9歳の少女アリスと母親のリザでした。リザからひと足先にアリスをアムステルダムに連れて行ってほしいと頼まれたフィリップは、やむなくそれを受け入れるも、現地でいくら待ってもリザは現れません。そこでフィリップはアリスを車に乗せ、彼女の祖母が住むドイツのヴッパタールに向かいます。

『まわり道 【4Kレストア版】』 ★TV初放送 放送日:3月8日(水)6:00~

ゲーテの青春小説をヴェンダースが翻案。作家を志す若者のモラトリアムな彷徨を紡ぎ上げたロードムービー。

© 1975 REVERSE ANGLE LIBRARY GMBH
© 1975 REVERSE ANGLE LIBRARY GMBH

作家を志しながらも迷いを抱えるドイツ人青年ヴィルヘルムが、自己を見つめ直すため故郷の町を旅立ちます。まもなく大道芸人の老人ラエルテスと口のきけない少女ミニョン、美しい女優テレーゼ、若い詩人ベルンハルトと行動を共にすることになった彼は、さまざまなことを語らいながら気ままな旅を続けていきます。やがてヴィルヘルムはテレーゼと愛し合うようになるも、ふとしたことで諍いを起こした一行の旅は終わりに近づいて…。

『さすらい(1976)【4Kレストア版】』 ★TV初放送 放送日:3月9日(木)6:00~

[R15+]即興で綴る「映画を届ける旅」──ヴィム・ヴェンダースによるロード・ムービー3部作の最終章。

© Wim Wenders Stiftung 2014
© Wim Wenders Stiftung 2014

映像技師のブルーノは、仕事場兼住居の大型ワゴンに乗って小さな町の映画館を巡回し、映写機を修理したりフィルムを運ぶ仕事をしていました。そんなある日、ブルーノは猛スピードで川に飛び込む車を目撃。その車に乗っていたのは、妻と離婚したばかりのロベルトでした。2人は自然と意気投合し新たな旅に出ます。そしてロベルトは印刷屋を営む父の家、ブルーノは母と暮らしていた廃屋と、互いに生まれ育った家を訪れます。

『アメリカの友人 【4Kレストア版】』 放送日:3月10日(金)6:00~

詐欺師トム・リプリーの完全犯罪の行方は?名匠ヴィム・ヴェンダースの映像美が際立つサスペンス。

© Wim Wenders Stiftung 2014
© Wim Wenders Stiftung 2014

ヨーロッパで贋作を売りさばく米国人トム・リプリーが、ある日オークションに絵画を出品したところ、ハンブルグの額縁職人ヨナタンに贋作だと見抜かれてしまいます。その後ヨナタンに紹介されたリプリーは、彼が白血病の治療に莫大な金を必要としていることを知ります。その夜、リプリーの元に昔なじみの殺し屋ミノが訪問。パリでマフィアを殺すために身代わりとなる素人を探しているミノに、リプリーはヨナタンを仲介しようと仕向けます。

『ことの次第 【4Kレストア版】』 ★TV初放送 放送日:3月11日(土)6:00~

撮影中止の危機に見舞われた映画クルーの夢と現実。ヴェンダースの私的な葛藤が反映されたモノクロ映画。

© 2015 WIM WENDERS STIFTUNG
© 2015 WIM WENDERS STIFTUNG

ポルトガルで古典SF『ザ・サバイバー』のリメイクに取り組む映画クルーが、資金難によって撮影中断に。監督のフリッツ、ベテランの撮影監督ジョー、主演女優アンナらのスタッフ&出演者は、荒廃したホテルで宙ぶらりんの時間を過ごすことになります。やがて妻の訃報を受けたジョーはアメリカに帰国。撮影続行の可否を確かめたいフリッツも、音信不通のプロデューサー、ゴードンを捜すためロサンゼルスに向かいますが…。