『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』公開直前!タランティーノ9作品を振り返る!

『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』8月11日公開

奇才クエンティン・タランティーノ監督の頭と心の中を出演俳優たちが暴くドキュメンタリー『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』が、8月11日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかで全国公開。10作品で引退が伝えられるタランティーノ監督の過去9作品を振り返ってみましょう。

第1作『レザボア・ドッグス』(1992 年製作)

犯罪都市、ロサンゼルス。この街にブラック・スーツ、ブラック・タイ、真っ黒なサングラスに身を包んだ6人の男たちが終結します。彼らは犯罪プロフェッショナルのジョーと、その息子ナイスガイ・エディから、大掛かりな宝石強盗の仕事を持ち掛けられてやって来たのです。

 

それぞれにMr.ホワイト、Mr.ピンク等のコードネームが付けられ、互いの名前も素姓も知らぬまま、“宝石強盗”という目的のために固い絆で結ばれており、周到に練られた計画は非の打ち所がないように思われました。

 

しかし、宝石店には警察が待ち伏せ。必死の逃亡の末、ある者は傷つき、ある者は銃弾に倒れ、アジトに辿り着いた者たちも次第に疑心暗鬼に駆られ、やがて血で血を洗う惨劇へと変貌していきます…。

 

裏切り者は誰なのか!? 本作では、低予算だったため衣装の黒いスーツは自前だったことが明かされ、さらにはスーツのズボンでなく黒ジーンズを履いている人物もいたとの証言があります。

第2作目『パルプ・フィクション』(1994年製作)

“パルプ”とは、30年代にアメリカで流行した低級犯罪小説の意味。映画は三文雑誌のように3つの物語が交錯してクライマックスまで突っ走ります。

 

【1】たった一晩、ボスの妻のお供を命ぜられたギャングがクラブで夜遊び、いいムードになった矢先、ドラッグ のやり過ぎで倒れた妻......。

 

【2】マフィアのボスから八百長を持ちかけられたボクサーが、恋人との甘い生活を夢見て一世一代の大博打!八百長破りを敢行し一旦は逃げだす も、父の形見の時計を置き忘れ、マフィアの元へ戻るはめに......。

 

【3】騙しとられたスーツケースをとり戻しにいったギャング二人組。ケースはとり戻したが、車中で別の仲間を殺してしまいます。死体処理に困った2人は嫌がる友人宅から助けを呼ぶと、やたらと怖い“死体掃除屋”がやって来て…。

 

本作では、ジョン・トラヴォルタが演じた役は別のある役者のために書かれたものだったと暴露されています。

第3作 『ジャッキー・ブラウン』(1997年製作)

メキシコの航空会社に勤めるスチュワーデスのジャッキーは、生活苦のため裏では武器商人オデールの運び屋をやっていました。ある時、ジャッキーはオデールを追っていた連邦捜査官のレイに逮捕されてしまいます。レイからオデール逮捕に協力するよう持ち掛けられるジャッキーでしたが、取引には応じないまま保釈。親しくなった保釈金融業者のマックスと共に捜査官に協力する素振りを見せながらオデールの隠し金を横取りしようと企んでいたのです。

 

本作では、主人公のジャッキー役にパム・グリアが決まることになった意外な秘話が明かされています。

第4作 『キル・ビル』『キル・ビル Vol.2』(2003年/2004年製作)

長い長い眠りから奇跡的に目を覚ましたのは、通称“ザ・ブライド”。世界を震撼させた毒ヘビ暗殺団(DiVAS)で最強と言われたエージェントだった女。彼女は4年前の惨劇のすべてを思い出します…自分の結婚式の最中に、かつてのボス、ビルに殺されたことを。ビルは手下と共に参列者を惨殺し、ザ・ブライドの頭を打ち抜いたのです。こうして彼女はすべてを失った。友人も夫も、お腹の中に宿っていた子供までも...。一命はとりとめたものの、4年もの間、昏睡状態に陥っていたのです。

 

目覚めたザ・ブライドの脳裏に浮かんだのは「復讐」の2文字。自分を不幸のどん底に突き落とした全ての人間を血祭りにあげなくては、復讐は神が彼女に与えた運命だと、ザ・ブライドはたったひとりで闘いの旅に出ます。

 

本作では、キル・ビル撮影中に起きたユア・サーマンの交通事故の映像も切り取られています。

第5作 『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007年製作)

テキサスの夕暮れ時。オースティンのラジオ局で一番の人気DJジャングル・ジュリアは、親友のシャナ、久しぶりに地元に戻ってきた大学時代女友達アーリーンとともに街へ繰り出し、一夜の気晴らしをすることに。お気に入りのバーをはしごする彼女たちを、密かにつけている男の影が。それは、ドクロマークの付いた不気味なシボレーを乗り回し顔に傷痕のある謎の中年男、スタントマン・マイク。ジュリアたち3人やバーに居合せたパムは、会話するうちにこの男への警戒心をゆるめていきます。しかしパムを送るために車に乗せた彼は、突如、恐るべき豹変を遂げて…。

 

14か月後。テネシー州で映画撮影に携わっているスタントウーマンのキムとゾーイ、メイク係のアバナシー、新進女優のリーは、ぽっかり空いたスケジュールを有意義に過ごそうと計画。ゾーイの希望で『バニシング・ポイント』に出てきた70年代型ダッジ・チャレンジャーに試乗しようということに。ディーラーの元にリーを置き去りにしてアクロバティックなスタントライドを楽しむ3人。ゾーイはボンネットに乗ってごきげん。そんな彼女たちに目をつけたのが、例のスタントマン・マイクでした。

 

いきなり車をぶつけてきたマイクに女たちの怒りが爆発。タフな女たちの猛反撃が始まります。

 

本作では、ゾーイ・ベルが時速145キロで走る車のボンネットの上で命がけの演技を成功させるも、タランティーノの予想外の一言で撮り直しを 命じられたことが明かされます。

第6作 『イングロリアス・バスターズ』(2009年製作)

ナチス占領下のフランス。家族をナチスの“ユダヤ・ハンター”ランダ大佐に殺された少女ショシャナは、ただ 1人 生き延びてうら若き映画館主となり、ナチスへの復讐を誓います。

 

時同じくして、アルド・レイン中尉率いるユダヤ系アメリカ人兵士の特殊部隊“バスターズ”が、ナチス暗殺の極秘ミッションに参加。協力するドイツ人スパイの女性ブリジットに接触を図ります。

 

そんな彼らにまたとない情報が。新作映画のプレミアで、ヒトラーをは じめとするナチスの高官たちがショシャナの映画館に集結するというのです!ショシャナとバスターズはそれぞれ彼らを一網打尽にする壮大な計画を画策。しかしこのキナ臭い動きを誰よりも早くランダ大佐が察知します。果たして勝利するのは誰なのか…!?

 

本作では初めて殺される役を演じたダイアン・クルーガーが、首を絞められるシーンで最後にみた人物について証言しています。

第7作『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012年製作)

主人のもとで人間性を奪われ、妻を奪われた奴隷のジャンゴは、賞金稼ぎのシュルツと出会い自由を与えられ、彼と共に銃の腕を磨き稼いだ金で妻を買い戻そうと決意します。

 

お尋ね者を追うアメリカ横断の旅の最終目的地は、妻が捕らわれているキャンディ・ランド。そこは残忍な若き暴君カルビン・キャンディが君臨する農園です。

 

ジャンゴとシュルツは奴隷商人を装いキャンディ・ランドに乗り込むも、見かけは黒人、心は白人の老獪な奴隷頭スティーブンに2人の正体を見破られ大死闘が展開します。

 

本作では、ジャンゴを演じたジェイミー・フォックスがタランティーノから説教されたことを暴露しています。

第8作 『ヘイトフル・エイト』(2015年製作)

どこまでも続く白銀の世界を疾走する1台の駅馬車が、行く手を阻む一人の男の前で停まります。北部の元騎兵隊で今は賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン、椅子代わりに座っているのは、レッドロックへ運ぶお尋ね者3人の凍った死体。この寒さで馬がやられ、誰かが通りかかって拾ってくれるのを待っていたのでした。

 

馬車の客は、同じく賞金稼ぎのジョン・ルース。ゴツい腕にはめた手錠の先には、連行中のデイジー・ドメルグがつながれています。1万ドルもの賞金をかけられた重罪犯の女で、散々殴られた顔で不敵に笑っています。迫り来る猛吹雪から避難するためルースはレッドロックまでの中継地で、うまいコーヒーにシチュー、装飾品から武器まで何でも揃っているミニーの紳士洋品店へ向かうも、途中でもう一人クリス・マニックスを乗せます。マニックスは新任保安官としてレッドロックへ向かう途中だと主張するも、彼が黒人殺しの南部の略奪団の一員だと知っているルースは信じません…。

 

本作では、カート・ラッセルが演じた役柄のモデルがハーヴェイ・ワインスタインであったと証言されます。

第9作 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年製作)

リック・ダルトンはピークを過ぎたTV俳優。スターへの道が拓けず焦る日々が続いていました。そんな彼を支えるクリフ・ブースは、彼に雇われた付き人でスタントマン、親友でもあります。エンタテインメント業界に精神をすり減らし情緒不安定なリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。ある日、リックの隣に時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と女優シャロン・テート夫妻が越してきます。自分たちとは対照的な2人の輝きに触れたリックは、俳優としての光明を求めイタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演する決意をしますが...。

 

本作では、ワインスタインのセクハラ問題が原因で新たな製作会社での映画作りに挑むタランティーノの撮影中の様子が映されています。

 

『キル・ビル』ユマ・サーマンの事故の真相

本作品は、1992年の監督デビュー作『レザボア・ドッグス』でカンヌ国際映画祭に殴り込みをかけ、一夜にして時の人となったクエンティン・タランティーノの様々な謎に迫るドキュメンタリー。かねてから「長編映画を10本撮ったら映画監督を引退する」と公言するタランティーノ。近く完成するであろう最後の1本の前に特別に用意された、発見と興奮と感動必至の映像作品です。

 

タランティーノの逸話と秘話をタブーなしで暴露するのは、監督第1作目から8作目の『ヘイトフル・エイト』までに出演した俳優たちおよびプロデューサーやスタッフたち。監督は『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督のドキュメンタリー映画でも高く評価されたタラ・ウッド。

 

「『レザボア・ドッグス』の伝説の耳切りシーンはこうして生まれた」「『パルプ・フィクション』のジョン・トラヴォルタの役は別の俳優の予定だった」

「『ジャッキー・ブラウン』の亡きロバート・フォスター感涙秘話とは」

「『キル・ビル』でのユマ・サーマン、事故の真相が今明かされる」

「タランティーノのスタントマンへの愛に胸が熱い『デス・プルーフ in グラインドハウス』」

「アカデミー賞俳優ジェイミー・フォックスが『ジャンゴ 繋がれざる者』でタランティーノからまさかの説教」

「『クエンティンに殺されると思った』と語るダイアン・クルーガー」

「『イングロリアス・バスターズ』で何が?」

「『ヘイトフル・エイト』の天才的脚本の裏側」

「ティム・ロスが『少し知っている』と明かす引退後の計画とは?」

 

『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』は、8月11日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかで全国公開。

 

[作品情報]

『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』

原題: QT8: THE FIRST EIGHT

監督・脚本:タラ・ウッド(『21 Years: Richard Linklater』) 

出演:ゾーイ・ベル/ブルース・ダーン/ロバート・フォスター/ジェイミー・フォックス/サミュエル・L・ジャクソン/ジェニファー・ジェイソン・リー/ダイアン・クルーガー /ルーシー・リュー/マイケル・マドセン/イーライ・ロス/ティム・ロス/カート・ラッセル/クリストフ・ヴァルツ

2019 年/アメリカ/英語/101 分/カラー/ビスタ/5.1ch

R15+

日本語字幕: 高橋彩 

配給:ショウゲート 

公式 HP:https://qt-movie.jp 

公式 SNS:@showgate_youga 

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