人が自然と集う「豊かな暮らし」、喜多俊之デザイン「RENOVETTA」

「LIVING×DESIN 2023」喜多俊之「RENOVETTA」

トータルインテリアの見本市「LIVING×DESIN 2023」が、東京ビッグサイトで9月6日〜8日に開催されました。注目したのは、本展プロデューサーでもある喜多俊之が展開した「RENOVETTA(リノベッタ)」ブース。大阪での展示を東京で再現したもので、70㎡前後の平均的なマンションや古民家の従来の間取りを見直して、住む人の日常の暮らしや変化するライフスタイルに対応できる本来の住まいを取り戻そうというプロジェクトでした。

喜多デザイン、ウッドスタイル製テレビ収納。上下左右にテレビ掛け部分の5つのモジュールで構成されている
喜多デザイン、ウッドスタイル製テレビ収納。上下左右にテレビ掛け部分の5つのモジュールで構成されている

暮らしの「本当の豊かさ」とは、自然と会話が広がること、良いモノを選びそれを長く大事に使うこと、自然や季節を工夫して取り入れることだといいます。

 

発想の元はなんと、縄文時代の竪穴式住居。こだわったのは、家の真ん中に人が集まる構造にすること。これは、納戸化してしまった日本の集合住宅に「豊かな暮らし」を取り戻す、プロジェクトという名のついた新しいリノベーション・システムです。

皆が集う住まいのあり方とは?

人を招きたくなる、サロンのような住まいだといいます。

 

「もっと気軽に誰かを自宅に招いたり。花を飾り、音楽とともに食事や会話を楽しんだり。家族はもちろん、人が自然と集まる場所になる。そこに流れるのは、かけがえのない時間…それは、叶えられない夢でしょうか?いいえ。この新発想リノベーション・システムなら部屋の広さはそのままに、暮らしが素敵に変わります」

タムラ設計製70㎡向けキッチン
タムラ設計製70㎡向けキッチン

組み立て式和室「障子結界庵」

天然い草2畳と、気密性に優れた檜材の敷居(結界枠)、柔らかい光を通す障子で構成されたKITAオリジナルの組み立て式和室「障子結界庵」は、日本の伝統的な心を大切できる空間。

「これがひとつあるだけで、伝統的な日本の暮らしが再現できます。たとえばお正月や雛祭りなど、時には着物でお茶会を開いたりハレの日には人の集いが自然と生まれます。普段は和リビング、来客時には布団を敷いて寝室にもなる。そんな多様性のある日常の暮らしが心豊かに暮らせる本当の我が家の姿です」

ライフスタイルを変化させる住まいはライフステージの変化にも対応できる住まい

一般的なマンション(約70m²)の間取りを取り払ったうえで、そこをひとつの空間と考え、その中身を今の家族の暮らしにフィットするよう変えていくべきだと言います。

 

「子育て中でも、介護中でも、一人暮しでも。集える住まい、片付いた住まい、誇れる住まいをご提案します。たとえば、間仕切りは、あなたの暮らし方とアイデアで自由に変えられる構造になっているため、たとえば、大人数でのパーティーなど『シチュエーションの変化』はもちろん、家族が増えたり、介護が必要になったりという『ライフステージの変化』にもフレキシブルに対応。この新発想リノベーション・システムが、住まいへの夢を、どんどん実現していきます」

 

これまでの住まいが、人生の舞台になる。人が集うことで、住まいだけでなく多目的コミュニティ空間にもなる。

 

いい音と大画面に人が集う「ホームシアター」の、これからのあり方の重要なヒントといえるでしょう。

写真ではわかりにくいが、側面から反り留めを入れてある香川に本社を持つ桜製作所製テーブル。「ひじょうに難しい技術だがうまくできた。どんな素材同士でも組み合わせできるし、長いのだって作れる。でも最近、いい木が少なくなってきちゃって」(喜多)
写真ではわかりにくいが、側面から反り留めを入れてある香川に本社を持つ桜製作所製テーブル。「ひじょうに難しい技術だがうまくできた。どんな素材同士でも組み合わせできるし、長いのだって作れる。でも最近、いい木が少なくなってきちゃって」(喜多)
増えすぎる竹材を曲げ木加工して製作した椅子
増えすぎる竹材を曲げ木加工して製作した椅子

[企画・プロデュース]

RENOVETTA

http://www.renovetta.com/concept.html

Stile LIFE(有限会社 スティレライフ) 大阪市中央区北浜2−1−23 8F

 

(取材、写真、文:遠藤)