羽田行くならこっちもね!ハイテクと食の共演 天空橋駅直結の大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」(HICity)開業

単なる商業施設ではない、多様な人、モノ、情報が集いジャンルを超えた“最先端”を創造する場所

羽田空港跡地第1ゾーンに造られた天空橋駅直結の大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」(HICity/エイチ・アイ・シティ)が11月16日(木)にグランドオープンしました。ここではプレス向けに行われた内覧会の様子をお伝えします。(23年11月16日取材/写真:遠藤)

新たな価値創造を実現する日本初のスマートエアポートシティ 「HICity」は、延床面積約13万m²を超える建物に、研究開発施設・オフィス、先端医療センターといった“先端”と、イベントホール、宿泊施設、日本文化体験施設、飲食店といった“文化”に関する施設が集まりひとつの「まち」を形成しています。

 

事業主体は、鹿島建設、大和ハウス工業、京浜急行電鉄、日本空港ビルデング、空港施設、東日本旅客鉄道、東京モノレール、野村不動産パートナーズ、富士フイルムが出資した「HICIity」の開発のみを担う羽田みらい開発株式会社。「HICity」は単なる商業施設ではなく、先端技術による実証実験の取組みと日本独自のカルチャー体験の機会を提供するもので、オフィスワーカー、研究者、クリエーターや観光客、来街者など多様な人々が集うことで、ヒト・モノ・情報のジャンルを超えた交流を創造する場所になっています。

検診までインバウンド 藤田医科大学東京 先端医療センター

「藤田医科大学 羽田クリニック」とともに次世代医療・研究の拠点であると同時に、先端医療、精密検査・検診、活動長寿のための医療を提供しています。利用者の9割は日本人だが、最近では検診のために訪れる外国人によるインバウンド需要が増えており、多くは中国人だそう。

注目を浴びていたのは、立ったまま検査ができる「立位CT」。腰痛など荷重がかかった状態でなければ発見できない病状を明らかにできる可能性があると期待されています。

羽田発のノウハウが世界に羽ばたく日も!? terminal.0 HANEDA

日本空港ビルデングによる、企業参加型コワーキングスペース。待ち時間短縮やスムーズな案内表示など、空港の課題に異業種で連携して取り組みます。正式開業は24年1月予定でまだ見学できませんでしたが、ここでいちはやく検証して得た知見を、国内外の他の空港へソリューションとして提供できることを目指しています。(提供CG)

大田区の名店が一堂に!Lifestyle Marche

2階Innovation Corridorのテントには、現代日本のライフスタイルが体感できるマルシェを展開しています。写真は、取材当時の大田区の個性豊かなパン屋が集合した「パンマルシェ」。

サンプルじゃないよ、食べられる!3D フードプリンター

山形大学による未来食、3Dフードプリンターの展示とデモンストレーション。これは樹脂による模型ではなく、実際に寿司の姿形・味を再現したもので、食品です!素材としては、かまぼこのような練り物だそう。

風に乗ってくる世界を表現 アートプロジェクト「Air Lines」

フリーのアーティスト尾角典子によるZONE E 2F DEJIMAとZONE H屋外壁面(SKY MAPPING  by Sony Design Consulting)に展示された実験映像は、世界重から風に乗って集う飛行機のエンジン音をイメージ。「HANEDA INNOVATION CITY」と空港の結びつきを、英国在住の作曲家Ebe Okeのサウンドに乗せて製作されました。

工場の町ならではのアートプロジェクト「表現する素材展 More than Materials」

「ものづくりのまち」として知られる大田区のまち工場をwe+が実際に訪ねて蒐集してきたいわゆる素材75点を、背景にあるストーリーとともに展示。壁に並ぶ該当番号を付したカードには、表にキーワードが記され、裏に素材名が記されています。説明しすぎないのがいい。

ホリエモンもびっくり!? &SPACE PROJECT

堀江貴文の創設した北海道インターステラテクノロジズの宇宙ロケット開発で出た廃材を活用し、新しいプロダクツにアップサイクルしようというBASE9のプロジェクト。取材時は「宇宙家具」を展示していました。

廊下がオシャレ!ホテルメトロポリタン 羽田

イタリアンにニューヨーク的アレンジを加えた「レストラン イル チェーロ 羽田」のほか、廊下が滑走路のような客室エリア、宿泊者専用の屋上からも、飛行機の発着が拝めます。

実験室 ロボットラボ・レストラン AI_SCAPE

コックやウエイターすべてがロボットで構成。素材を温めてトレーに載せ、それを注文があったテーブルまで運びます。

 

この場で生じた改善点は直ちにフィードバックされて次に生かされるという意味で、単なるレストランでなく「ラボ」なのです。

羽田までの運航も近い!自動運転バス

日本初スマートシティモデル事業における自動運転バスの恒常的導入への取り組みが、2020年には「HICity」内に国内初となるスマートシティにおける自動運転バスの恒常的導入として実現。2021年には、羽田空港第3ターミナル間の“公道”で一般利用者向けに初めて運行実証を実施、以降⻑期実証を含む計5回の実証実験を実施しています。今後、羽田空港との自動運転実装(レベル4)に向けて、取組みを継続するといいます。

 

フランスNAVYA製の車体「ARMA」に至っては、運転席もなく車の前後の区別もないデザインですが、公道を走行するにあたり道路交通法の求めによりこのようなミラーやウインカーなどが必要になっているとのこと。誠に無粋。

最先端のテクノロジー、食、情報を感じられる「HICity」。羽田方面に行く機会があれば、ぜひルートに入れましょう!

 

[施設概要]

「HANEDA INNOVATION CITY(羽田イノベーションシティ)」

事業主体 :羽田みらい開発株式会社

主要機能 :先端モビリティセンター(テスト路併設)、先端医療研究センター(医療・研究施設、滞在施設)、研究開発拠点(ラボ、大規模オフィス)、区施策活用スペース、会議研修センター(カンファレンスルーム・滞在施設)、ライブホール、文化体験商業施設、水素ステーション、交流・連携スペースほか

場所 :東京都大田区羽田空港一丁目1番4号

京浜急行電鉄空港線・東京モノレール「天空橋駅」直結

敷地面積 :約5.9ha (羽田空港跡地第1ゾーン全体では約16.5ha)

延床面積 :約131,000m²

規模 :地上11階・地下1階

スケジュール:2020年7月まち開き(一部先行開業済)、2023年11月グランドオープン

認定・選定 :国家戦略特区、⺠間都市再生事業計画[国土交通大臣認定2018年/特定都市再生緊急整備地域内]、国交省・内閣府・総務省・経産省「スマートシティ官⺠連携プラットフォーム」参画(2019年)、国土交通省「スマートシティ/先行モデルプロジェクト」 選定(2020年)、総務省「データ連携促進型スマートシティ推進事業」選定(2020年)

公式 HP:https://haneda-innovation-city.com/

公式 Instagram :@haneda_innovation_city

公式 X:HANEDA INNOVATION CITY(@HICity_OFFICIAL) 

公式 Facebook:https://www.facebook.com/HICity.official