オリンピックに沸くパリの暗部をあぶりだすラジ・リ監督の問題作『バティモン 5 望まれざる者』公開決定

『バティモン 5 望まれざる者』5月24日公開

『レ・ミゼラブル』でその名を世界に轟かせたフランスの新進気鋭監督ラジ・リが、“排除”と“怒り”の衝突を描いた緊迫の最新作『BÂTIMENT 5』を、邦題『バティモン 5 望まれざる者』として、5月24日(金)に公開決定。あわせてシーン写真が公開されました。

公開されたシーン写真は9点。

 

バティモン5で働くアビー(アンタ・ディアウ)が、仲間のブラズ(アリストート・ルインドゥラ)と談笑する様子や、行政の思惑で取り壊される古い団地の様子、新しく臨時市長に就任したピエール(アレクシス・マネンティ)が整然とした市庁舎で街並みの新構想を練る姿、行政との戦いに挑むバティモン5の住人らを捉えたものなど、いずれも緊迫感溢れるショットばかり。

 

ラジ・リ監督は、役者として、また1995年にアーティスト集団クルトラジメのメンバーとしてキャリアをスタート。1997年、初の短編映画『Montfermeil Les Bosquets(原題)』を監督、2004年にはドキュ

メンタリー『28 Millimeters(原題)』の脚本を、クリシー、モンフェルメイユ、パリの街の壁に巨大な写真を貼ったことで有名な写真家JR(ジェイアール)と共同で手がけるなど、今、注目を集める新進気鋭のアートティストの1人でもあります。

 

前作『レ・ミゼラブル』では、自身が生まれ育ったパリ郊外の犯罪多発地区モンフェルメイユを舞台に、そのエリアを取り締まる犯罪防止班(BAC)と少年たちの対立を、手に汗握る圧倒的な臨場感で描き出し、観るものの心を鷲掴み。結果、作品は第72回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞、第45回セザール賞4冠最多受賞(観客賞、最優秀作品賞、有望男優賞、編集賞)、第92回アカデミー賞国際⻑編映画賞ノミネート、第77回ゴールデングローブ賞外国語映画賞ノミネートなど各国の映画賞を総なめにし、世界に衝撃を与えました。

 

それから4年。ラジ・リ監督のもとに『レ・ミゼラブル』製作スタッフが再集結し、再びバンリューが抱える問題を持ち前の臨場感に新しい視点を交えて生み出したのが本作です。前作と地繋がりのテーマを採用しつつも、そのドラマはより人間臭さを帯びながらさらに社会性をまとい、観るものを圧倒する力強さで進化した作品となっています。

 

本作は「横浜フランス映画祭 2024」(3月20日~24日)での上映も決定。ラジ・リ監督の来日も予定されています。

オリンピックを控えるパリが抱える暗部をあぶり出す

移民たちの居住団地群の一画=バティモン5の一掃を目論む「行政」とそれに反発する「住人」による、“排除” vs “怒り”の衝突。本作では、恐れと不満の積み重ねが徐々に両者間の溝を深くし、憎しみのボルテージが加速していく様が息もつかせぬ緊迫感で描かれます。

 

このコミュニティ内にある「権力」「革新」「暴力」の3つの視点を交錯させることでバンリュー地区の実態、ひいては花の都パリの知られざる“暗部”をあぶり出します。この街で不都合なものとは一体何なのか、望まれざる存在とは何を指すのか――その真髄を映し出した本作は、まさにラジ・リ監督の真骨頂と言えましょう。

 

2024年夏季五輪を控えて盛り上がりを見せるパリ。世界的な注目を集める大都市が人知れず抱え続ける問題を、サスペンスフルかつエモーショナルにクローズアップした衝撃作の誕生です。

 

『バティモン 5 望まれざる者』は、5月24日(金)公開。

 

[作品情報]

『バティモン 5 望まれざる者』

原題:BÂTIMENT 5

監督・脚本:ラジ・リ

出演:アンタ・ディアウ、アレクシス・マネンティ、アリストート・ルインドゥラ、スティーヴ・ティアンチュー、オレリア・プティ、ジャンヌ・バリバール

2023 年/フランス・ベルギー/シネマスコープ/105 分/カラー/仏語・英語・亜語/5.1ch/字幕翻訳:宮坂愛/映倫区分 G

配給:STAR CHANNEL MOVIES

後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ

 

© SRAB FILMS - LYLY FILMS - FRANCE 2 CINÉMA - PANACHE PRODUCTIONS - LA COMPAGNIE CINÉMATOGRAPHIQUE – 2023

 

公式 HP:block5-movie.com 

公式 X:@STAR_CH_MOVIES