小津安二郎監督『東京物語』、『男はつらいよ』シリーズの御前様役となどで活躍した笠智衆が生誕120年を迎えるのにちなみ、テレビ初の6作品がCS衛星劇場で5月に一挙放送されます。

注目は小津安二郎監督『父ありき 4Kデジタル修復版(※2K放送)』。ロシアで発見されたプリントと組み合わせ4Kスキャン&修復を行った最長版が放送されます。

この他、市村泰一が監督した風俗喜劇『女嫌い』、戦争で燃え尽きた華族の青年を中心としたコメディ『南の風 瑞枝の巻』『續南の風』もラインナップ。 『男はつらいよ』の笠智衆出演作6本も放送されます。

1942年

[監督・脚本]小津安二郎

[脚本]池田忠雄、柳井隆雄 

[出演]笠智衆、佐野周二、津田晴彦、佐分利信、坂本武、水戸光子

修学旅行中の事故で1人の生徒を死なせた責任を取り教職を辞した父と、そんな父の誠実な生き方を尊敬してやまない息子のふれあいを綴った人間ドラマ。父と子が釣りをするシーンなど、小津美学の重要な要素が数多く含まれた作品で、小津安二郎監督を語る上で欠くことのできない1作です。

1964年

[監督]市村泰一

[脚本]柳井隆雄、石田守良、今井金次郎

 [出演]笠智衆、三木のり平、倍賞千恵子、香山美子、吉田輝雄、勝呂誉、五月女マリ、轟夕起子

製鋼会社に勤める原(笠智衆)は、三十数年間堅物で通すも、病気をきっかけに浮気の虫を起してしまいます。ある日、かつて庶務課にいて今は新宿のバーに勤めるルミと出会い、京都出張に同伴。そこにルミのヒモと自称する男が現れ原を強請ってきて、友人家族らを巻き込んだ騒動に発展します。

[監督]吉村公三郎

[原作]獅子文六

 [脚色]池田忠雄、津路嘉郎

 [出演]佐分利信、笠智衆、高峰三枝子、河村黎吉、水戸光子、斎藤達雄、葛城文子

朝日新聞に連載された獅子文六の小説の映画化で、二部構成の前編。おぼっちゃま育ちで仕事も長続きせずブラブラしている宗像六郎太(佐分利信)は、気分転換に家族とともに訪れた鹿児島で旧友の加世田(笠智衆)と再会。加世田は、新興宗教に絡む儲け話を持ち込んできます。

[監督]吉村公三郎

[原作]獅子文六 

[脚色]池田忠雄、津路嘉郎

 [出演]佐分利信、笠智衆、高峰三枝子、水戸光子、斎藤達雄、河村黎吉

二部構成の後編。西郷隆盛を開祖とする新興宗教を布教すれば金が取れる川の場所を教えるという話は全くの嘘でした。神戸でその真実を知った六郎太と加世田は落胆し、東京には戻らず熊本へ向かいます。六郎太の母春乃は、彼を連れ戻そうと許嫁の瑞枝を迎えに向かわせます。一方の六郎太はさらに南方へ向かう船上に。

[監督]佐々木啓祐

[脚本]斎藤良輔、新藤兼人 

[出演]河村黎吉、風見章子、笠智衆、若水絹子、辻野禮子、磯野春雄、斎藤達雄

貧しい人々のためのアパートの管理人吉田とよ(若水絹子)は、十数年前に夫と別れ、女手に娘二人を抱えつつアパートの住人から尊敬されています。ところが、家主である高橋(笠智衆)は、アパートをホテルに切り替えようと企んでいました。ある日、男が、高橋に頼まれたと言って立ち退きの強談判に。

[監督]佐々木康

[脚本]新藤兼人 

[出演]佐野周二、小宮令子、笠智衆、逢初夢子、山口勇、村上冬樹、三井弘次

北国の山深い炭鉱の町に、何処からかふらりとやって来た松崎英二(佐野周二)は、坑内夫となりメキメキと採炭成績を上げ、ヤマの所長藤森(笠智衆)からも信頼を得ました。この町のカフェーの女給春枝(逢初夢子)は英二の亡き戦友の妻で、彼がこの町に来た目的は、彼女を不良鉱員らから救うことでした。

男はつらいよ 旅と女と寅次郎[放送日] 5月6日(月)午後6:30~

男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎[放送日] 5月13日(月)午後6:30~

男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎[放送日] 5月20日(月)午後6:30~

男はつらいよ 寅次郎真実一路[放送日] 5月27日(月)午後6:30~

男はつらいよ 寅次郎恋歌(日本語字幕放送)[放送日] 5月12日(日)午前8:15~

男はつらいよ 奮闘篇(音声解説・日本語字幕放送)[放送日]5月17日(金)午前11:45~ 

「笠智衆生誕120年記念特集」は、5月放送。

番組詳細

https://www.eigeki.com/news/606

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