当事者のエキストラ参加!ノンフィクションのようなリアリティ『バティモン 5 望まれざる者』メイキング

『バティモン 5 望まれざる者』公開中

『レ・ミゼラブル』でその名を世界に轟かせたフランスの新進気鋭監督ラジ・リが、再開発に伴う移民排斥運動を描いた最新作『バティモン 5 望まれざる者』が公開中。このたび、ドラマとドキュメンタリーが混在するようなラジ・リ監督ならではの独特の撮影現場風景を捉えたメイキ ング映像が公開されました。

メイキング映像は、ラジ・リ監督が実際にバンリュー地区に住むエキストラたちと様々な対話しながら演技指導し撮影を進めていく様子を捉えたもの。

 

市⻑の横暴に耐えかねた住人たちが、新しいリーダー「アビー」を擁立するためにデモを決行するシーンでは、エキストラが「自分の権利のために意見を表明したい」「もうウンザリだからね」と、実際の生活を語りながらリアルな気持ちのままで撮影に参加した結果、ドラマとドキュ メンタリーが一体化したような映像へと昇華させていく手法も見られます。

オリンピックを控えるパリが抱える暗部をあぶり出す

移民たちの居住団地群の一画=バティモン5の一掃を目論む「行政」とそれに反発する「住人」による、“排除” vs “怒り”の衝突。本作では、恐れと不満の積み重ねが徐々に両者間の溝を深くし、憎しみのボルテージが加速していく様が息もつかせぬ緊迫感で描かれます。

 

このコミュニティ内にある「権力」「革新」「暴力」の3つの視点を交錯させることでバンリュー地区の実態、ひいては花の都パリの知られざる“暗部”をあぶり出します。この街で不都合なものとは一体何なのか、望まれざる存在とは何を指すのか――その真髄を映し出した本作は、まさにラジ・リ監督の真骨頂と言えましょう。

 

2024年夏季五輪を控えて盛り上がりを見せるパリ。世界的な注目を集める大都市が人知れず抱え続ける問題を、サスペンスフルかつエモーショナルにクローズアップした衝撃作の誕生です。

 

『バティモン 5 望まれざる者』は公開中。

 

[作品情報]

『バティモン 5 望まれざる者』

原題:BÂTIMENT 5

監督・脚本:ラジ・リ

出演:アンタ・ディアウ、アレクシス・マネンティ、アリストート・ルインドゥラ、スティーヴ・ティアンチュー、オレリア・プティ、ジャンヌ・バリバール

2023 年/フランス・ベルギー/シネマスコープ/105 分/カラー/仏語・英語・亜語/5.1ch/字幕翻訳:宮坂愛/映倫区分 G

配給:STAR CHANNEL MOVIES

後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ

 

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