「ヒジャブは必須。態度も服装も気をつけて」『聖なるイチジクの種』決死の覚悟で臨んだ監督のインタビュー映像

『聖なるイチジクの種』2月14日公開

第77回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、先⽇発表された第97回アカデミー賞では国際⻑編映画賞にノミネートされた実話ベースのサスペンススリラー『聖なるイチジクの種』が、2月14日に公開。このたび、本作を決死の覚悟で世には放ったラスロフ監督のインタビュー映像が公開されました。

「私の作品のほとんどは、秘密裏に製作されたもの」

 

検閲に捉われない⾃由な映画作りへの願いと、そのビジョンに共感する⼈集めがいかに困難なものかを語るラスロフ監督。

 

本作でも、逮捕される危険に晒されながらも、⻑年イラン映画界に影を落としてきた⼤きなタブーを打ち破るために「勇敢な⼥性たちがヒジャーブなしでカメラの前に⽴った」こと、それは常にスタッフたちと共に裏ルートを辿りながら、物語を進めるために打開策を⾒出してきたことを明かし、本作が無事⽣み出されたことは「奇跡」だったと振り返ります。

 

もちろん、全てがうまく⾏ったわけではありませんでした。

 

「いま彼ら(スタッフや俳優)はプレッシャーをかけられ、訴訟を起こされています。それでも彼らが このプロジェクトに参加したことを後悔していると聞いたことはありません」

 

冒頭の本編映像は、⽗親の昇進を祝う席で、⺟親が娘たちに今後のたち振る舞いを説くワンシーン。

 

「ヒジャブは必須よ」

「SNSへの写真投稿は禁⽌」

「常に清廉潔⽩でいること」

「少しでも隙を⾒せれば、すぐ糾弾される」

「態度も服装も、出かける場所も気をつけて」

 

⾃由に⽣き、暮らすことがままならない未来を悲観するような少⼥たちの表情を捉えています。

ある日、家庭内で 1 丁の銃が消えた――。“

国家公務に従事する⼀家の主・イマンは、20年間に亘る勤勉さと愛国⼼を買われ、夢にまで⾒た予審判事に昇進。しかし業務は、反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を課すための国家の下働きでした。

 

報復の危険が付きまとうため、国から家族を守る護⾝⽤の銃が⽀給されますが、ある⽇家庭内から銃が消えます…。

 

最初はイマンの不始末による紛失だと思われましたが、次第に疑いの⽬は、妻・ナジメ、姉のレズワン、妹・サナの3⼈に向けられます。

 

誰が︖何のために︖ 捜索が進むにつれ互いの疑⼼暗⻤が家庭を⽀配する。そして家族さえ知らないそれぞれの疑惑が交錯するとき、物語は予想不能に壮絶に狂いだします…。

 

『聖なるイチジクの種』は、2月14日(金) TOHO シネマズ シャンテほか 全国順次公開。

 

 

[作品情報]

監督・脚本:モハマド・ラスロフ カンヌ国際映画祭ある視点部⾨【脚本賞】『ぶれない男』(17)、ベルリン国際映画祭【⾦熊賞】『悪は存在せず』(20)

出演:ミシャク・ザラ、ソヘイラ・ゴレスターニ、マフサ・ロスタミ、セターレ・マレキ

2024 年/フランス・ドイツ・イラン/167 分 

配給:ギャガ 

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