深川麻衣、「『レオン』のゲイリー・オールドマンの余韻が…」『嗤う蟲』

『嗤う蟲』公開中

深川麻衣が主演、若葉竜也が共演する城定秀夫監督のスリラー『嗤う蟲』が新宿バルト 9ほかで全国公開中。このたび、ティーチイン付き舞台挨拶に深川麻衣と城定秀夫監督が登壇しました。

1月24 日の公開以降、SNSには「狂気爆発の最高映画」「深川麻衣の目の演技が素晴らしい」「世の中で怖いのは人間と再認識」などの絶賛評が。

 

スローライフに憧れて田舎移住をする主人公・杏奈役の深川は「普段このようなジャンルを観ない方は『怖かった!』と言ってくれて、見慣れている方でも『思ったよりもヒトコワ系。実際にこんな村あるのかと検索しちゃった』と言ってくれました」と反響を実感。

 

城定監督も「良くも悪くも気持ちが悪いという意見があって嬉しい。ホラーやスリラーとして売っていますが、人間関係やコミュニティの奇妙さに注力して作ったので嬉しい限りです」と喜びのコメント。

 

目の演技を褒められた深川は「ありがたい言葉を頂いて嬉しい」と照れ、城定監督は「僕としては泣いても泣かなくてもよかったけれど、ラスト近くでカメラが深川さんの正面に回った瞬間にポロっと涙がこぼれて。素晴らしい!と思った」と神ショットだと見どころに挙げていました。

 

参考にした作品について聞かれた深川はジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』(2017年)に触れ、「片岡礼子さん演じる隣人の奥さんが花壇を荒らされて詰め寄って来るシーンは、『ゲット・アウト』に出てくるシーンのように警告を発しているのではないかと二人で話し合ったりしました」と回想。

 

城定監督はレギュラー俳優の、一人で狂った村人を演じた松浦祐也について「その夫役を演じた松浦は『全裸でやっていいですか?』とやたら脱ぎたがって『ダメだと言っているだろ!?』というやり取りが何度もありました」とのコメントに笑いが起こっていました。

 

さらに城定監督は撮影中の思い出として「深川さんが優しかった。『犬と一緒に写真を撮りましょう!』と言ってくれて『優しいなあ』と思った」と言いながら、おもむろに“じょうじょう”という名が印刷された「ちいかわ」のシールをポケットから取り出すと、深川は「距離が縮まって城定さんはちいかわが好きと知りまして…。ちいかわの名前入りシールを作れる機械を見つけたので、台本に貼ってもらったらいいかもと思って!」とわざわざ作ってプレゼントしたことを明かし、城定監督は「僕はシンプルなちいかわ推しなんで」と嬉しそうに照れていました。

 

会場からの質問で、好きな悪役に深川は『レオン』(1994 年)でゲイリー・オールドマンが演じた麻薬捜査局の刑事ノーマン・スタンフィールドをピックアップ。「普通だったらこうするだろうがなくて、オリジナリティがある。敵役なのにずっと忘れられず、気になる余韻があるのが凄い」と理由を説明しました。

 

一方、城定監督は田口トモロヲが演じた自治会長の田久保のインスパイア元悪役として「あの小者感は『仁義なき戦い』で金子信雄さんが演じた山守義雄です」と明かしました。

 

最後に深川は「公開から約一週間が経ちましたが、これからも『嗤う蟲』を広げていきたいです」と意気込み、城定監督も「長く上映を続けるためには観客の皆さんの応援と口コミが必要です!」とアピールしていました。

知ってしまった禁断の“掟”

田舎暮らしに憧れるイラストレーターの杏奈(深川麻衣)は、脱サラした夫・輝道(若葉竜也)と共に都会を離れ、麻宮村に移住。二人は、村民たちの度を越えたおせっかいに辟易しながらも新天地でのスローライフを満喫していました。

 

麻宮村の村民たちは、自治会長の田久保(田口トモロヲ)のことを過剰なまでに信奉。ただ杏奈は、麻宮村の村民のなかには田久保を畏怖する者たちがいると不信感を抱くようになっていきます。

 

一方、輝道は田久保の仕事を手伝うことになり、麻宮村の隠された掟を知ってしまいます。それでも村八分にされないように、家族のため掟に身を捧げることに……。

 

『嗤う蟲』は、新宿バルト9ほか全国ロードショー公開中。

 

[作品情報]

『嗤う蟲』

出演:深川麻衣 若葉竜也 松浦祐也 片岡礼子 中山功太 / 杉田かおる 田口トモロヲ

監督:城定秀夫 

脚本:内藤瑛亮 城定秀夫 

音楽:ゲイリー芦屋

2024 年/日本/カラー/シネスコ/DCP5.1ch/99 分/PG-12 

waraumushi.jp

製作幹事:ポニーキャニオン 

配給:ショウゲート 

製作プロダクション:ダブ

 Ⓒ2024 映画「嗤う蟲」製作委員会