デル・トロ、「⼥性ならではの繊細な視点などクソ⾷らえ」『サブスタンス』対談映像

『サブスタンス』5⽉16日公開

主演のデミ・ムーアが第82回ゴールデングローブ賞を受賞、第97回アカデミー賞では5部門ノミネート、第31回SAG賞でも主演女優賞の話題作『サブスタンス』が、5⽉16日に公開。このたび、本作のコラリー・ファルジャ監督がギルモア・デル・トロ監督の行った対談の特別映像が公開されました。

映像は、アカデミー賞作品賞・監督賞を含む4部⾨を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)など、傑作ジャンル映画を⽣み出し続ける、メキシコの⻤才監督、ギレルモ・デル・トロ監督とコラリー・ファルジャ監督による対談を捉えたもの。

 

ファルジャ監督のこれまでの作品は“爆発“ではなく“排出“、つまりは「個⼈的な想いを吐き出した作品ではないか︖」というデル・トロ監督からの問いに対しファルジャ監督が「確かに2作品とも個⼈的な映画」と認めつつも、映画制作という⾃由な場所で「現実では⾔えないことを爆発」させたかったと告⽩する姿や、『サブスタンス』劇中で何度も出てくるモチーフ“鏡““脱⽪“についておとぎ話とSFというキーワードを通したそれぞれの考察、ほか映画業界での男性監督と⼥性監督の扱われ⽅の違いなどにも率直に⾔及。

 

デル・トロ監督が「最近はメキシコやヨーロッパで⼥性がジャンル映画として興味深い作品をつくる」「“⼥性ならではの繊細な視点“などクソ⾷らえだ・笑」と、この動きを全⾯的に⽀持していることを表明、「そういう⼥性監督たちに君も親近感を持っている︖」とファルジャ監督に質問すると「私の思いと全く同じです」と同意。⾒た⽬やジェンダーで⾃⾝の意⾒の捉えられ⽅が変わってしまう現在の偏った社会システムの問題点を提起しつつ、⾃⾝がホラーやジャンル映画に挑戦し続ける理由を、制作の現場では「⼥性監督はまだマイノリティ」「権威に対しては、ジェンダーの差はまだほとんど変わっていません」と指摘。その中で戦い続けるにあたり「この世界(ホラー、ジャンル作品)なら⽣の感情をぶつけられるから」と吐露。なので「“これが実際の暴⼒よ““私たちは耐えることを強いられているの“」というメッセージを作品を通して訴えていることも告⽩しました。

 

そんなファルジャ監督の思いを受けたデル・トロ監督は「映画『キャリー』の主⼈公の怒りを思い出した」「⼿加減しなかったところが素晴らしい」と絶賛。その後も、デル・トロ監督が「本当に美しいし、真実に満ちていると思う」と挙げる『サブスタンス』のラストシーンについて、それぞれの視点からの解釈を提⽰、デル・トロ監督は、⾊彩の美しさも特徴的なキューブリック監督を例に挙げながら「映画的なデザインを実現した重要な作品の⼀つだ」と称賛したほか、ファルジャ監督がセリフではなく視覚デザインや感覚を重視する理由や、「観客を違う世界に連れて⾏きたい」という想いを実現するためにこだわっていることなど、余すことなく創作の源泉について語っています。

美と若さに執着し再生医療に走る大女優の末路

50歳の誕⽣⽇を迎えた元⼈気⼥優のエリザベス(デミ・ムーア)は、容姿の衰えから仕事が減少、ある再⽣医療“サブスタンス”に⼿を出します。治療薬を注射するやいなや、エリザベスの上位互換体“スー(マーガレット・クアリー)がエリザベスの背を破って現れます。

 

若さと美貌に加え、エリザベスの経験を武器に、たちまちスターダムを駆け上がっていくスー。しかし、⼀つの⼼をシェアするふたりには「⼀週間ごとに⼊れ替わらなければならない」という絶対的なルールが。にもかかわらずスーが次第にルールを破りはじめ……。

 

 

『サブスタンス』は、5⽉16日公開。

 

[作品情報]

 『サブスタンス』

監督・脚本︓コラリー・ファルジャ『REVENGE リベンジ』

出演:デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイド

イギリス・フランス/142 分/R-15+

配給:ギャガ 

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