メトロポリタン・オペラ2024−25シーズン
メトロポリタン・オペラ(MET)最新ステージのライブビューイングは2024-25シーズンが始まっていますが、第6作目『フィガロの結婚』が5月30日より1週間、東劇のみ6月12日まで2週間限定公開中。このたび、5月31日のスペシャルトークイベントに俳優の海宝直人が登壇しました。
『ライオンキング』や『レ・ミゼラブル』『アナスタシア』『ミス・サイゴン』など人気舞台に出演し、舞台やヴォーカリストとしての音楽活動の他、映画『リトル・マーメイド』『ウィキッド ふたりの魔女』といった話題作の日本語吹替キャストを務めるなど、幅広い分野で活躍している海宝直人さん。そんな海宝さんのトークイベントということもあり、多くのファンが来場し会場が熱気に包まれました。
実際にニューヨークのメトロポリタン歌劇場に訪れたことがあり、『ライオンキング』の演出家ジュリー・テイモア演出の《魔笛》について「熱量も高く活気がある雰囲気で、『ライオンキング』に通じるパペットなども楽しめた」とエピソードを語り、トークが始まりました。
音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』でダ・ポンテ役を演じた海宝さんは、今作の台本作家ダ・ポンテの印象について、「とてもツイていない、すごく不運な人。でもコンプレックスを抱えながらも喝采を浴びることをエネルギーにしており、ドラマチックで数奇な人生を生きた人。良いタイミングを逃しながらも、イタリアやオペラについての愛に溢れている人物で、愛すべき人物だったんだろう。」と熱く語りました。
今回の《フィガロの結婚》での印象に残ったシーンは?という質問には、「セットが回転しながら、登場人物にフォーカスしていくオープニングからすごく引き込まれた。」と廻り舞台を活用した演出に感激した様子。
歌手陣については、「始点が聴こえないまま、天井から歌声が降ってくる様な歌声はどうやって出しているんだろうと、家でも練習した(笑)。」と、伯爵夫人役のフェデリカ・ロンバルディが歌うアリアに感動した様子で、真似をして歌声も披露しました。
また、「オペラは生の歌声なので、最後まで音を出し続けないと聴こえなくなってしまう。演出でも、色んな解釈があるところもオペラの魅力。」と語り、「演者の表情や仕草を間近で観られ、幕間のインタビューや舞台転換が観られるのはライブビューイングの魅力。」とMETライブビューイングについても語りました。
フィガロの結婚を機に様々な思いが錯綜し大騒動
舞台は、18 世紀のスペイン(本演出では 1930 年代)、セヴィリャ。アルマヴィーヴァ伯爵の従僕フィガロは、小間使いのスザンナとの結婚を控えて幸せいっぱい。だがスザンナは、伯爵が彼女に横恋慕し、以前廃止した初夜権を復活させようともくろんでいると打ち明けます。
怒り心頭のフィガロは、冷淡な夫に悩んでいる伯爵夫人の助けを借りて、伯爵に一泡吹かせる計画を練るが、フィガロに想いを寄せる女中頭のマルチェッリーナや小姓ケルビーノらがからんで大騒動に……。
『フィガロの結婚』は、5月30日より1週間、東劇のみ6月12日まで2週間限定公開。
[作品情報]
『第6作:モーツァルト《フィガロの結婚》』
◆上映期間:5 月 30 日(金)~6 月 5 日(木)
※東劇のみ 6/12(木)まで 2 週上映
◆上映館:東劇・新宿ピカデリーほか全国 21 館
【指揮】ヨアナ・マルヴィッツ
【演出】リチャード・エア
【出演】マイケル・スムエル、フェデリカ・ロンバルディ、オルガ・クルチンスカ、ジョシュア・ホプキンス、
サン=リー・ピアース、エリザベス・ビショップ、マウリツィオ・ムラーロ ほか
【MET 上演日】2025 年 4 月 26 日
【上映予定時間】3 時間 40 分(休憩 1 回)
■公式サイト:https://www.shochiku.co.jp/met/program/6003/
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