初4K化の戦争映画2選『ジョニーは戦場へ行った』4Kと『野火』4K予告編

『ジョニーは戦場へ行った』4Kと『野火』4K、8月1日全国公開

終戦80年企画『ジョニーは戦場へ行った』4Kと『野火』4Kが、8月1日(金)角川シネマ有楽町ほか全国公開決定。このたび、予告編と場面写真が公開されました。

『ジョニーは戦場へ行った』は、赤狩りによりハリウッドから追放されるも、『ローマの休日』『黒い牡牛』『スパルタカス』など脚本家として多くの名作を生み出したダルトン・トランボが、第一次世界大戦時に身体のほぼ全ての器官を失った青年兵士の視点から戦争の闇を暴いた反戦小説を 1971 年に自らの脚本・監督で映画化。第24回カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリほか三冠に輝きました。

 

市川崑監督の映画『野火』は、第二次世界大戦下、フィリピンのレイテ島を舞台に、病魔に侵された中年兵士が飢餓と孤独に苦しんだ末、目の当たりにした陰惨な戦場を描いています。自身のフィリピンでの戦争体験を基にした大岡昇平による戦争文学の最高傑作を、『犬神家の一族』『ビルマの竪琴』などの巨匠・市川崑監督が、脚本・和田夏十とタッグを組み 1959年に念願の映画化。第14回ロカルノ国際映画祭グランプリほか国内外で数多くの映画賞を受賞しました。

 

『ジョニーは戦場へ行った』4Kと『野火』4Kは、8月1日(金)角川シネマ有楽町ほか全国公開。

終戦 80 年企画『ジョニーは戦場へ行った』4K 触覚以外の全感覚と四肢を失い“意識ある肉塊”と化した青年の魂の叫び

ジョーが目を覚ますと、病院のベッドの上に横たわっていました。第一次世界大戦下、志願してヨーロッパ戦線に出征したアメリカ兵の彼は、砲弾により目、鼻、口、耳を失い、運び込まれた病院で両腕、両脚も切断。首と頭がわずかに動き、皮膚感覚だけが残ったが、姓名不詳の<407 号>と呼ばれ、軍部の実験材料として生かされることに。鎮痛剤を打たれ意識が朦朧とする中、ジョーは想いを巡らせます。最愛の恋人カリーンとの出発前の一夜、釣り好きだった父親と過ごした日々…。

 

[作品情報]

原作・脚本・監督:ダルトン・トランボ「〔新訳〕ジョニーは戦場へ行った」(角川新書/KADOKAWA 刊)

製作:ブルース・キャンベル 

撮影:ジュールス・ブレンナー 

編集:ミリー・ムーア

出演:ティモシー・ボトムズ キャシー・フィールズ ジェイソン・ロバーズ ダイアン・ヴァーシ ドナルド・サザーランド

1971 年/アメリカ/112 分/カラー・モノクロ/ビスタ

©ALEXIA TRUST COMPANY LTD.

終戦 80 年企画『野火』4K 生死の境で人間が獣と化す 極限状態に追い込まれた兵士に迫る非情な選択

第二次世界大戦末期、フィリピンのレイテ島。日本の敗北が濃厚な状況下で、肺病を患った一等兵・田村は部隊から追い出され、病院からも食糧不足を理由に入院を断られます。病院の前で、田村は同じく厄介者として見放された若い兵の永松、足の負傷で歩けなくなった中年兵の安田と出会います。病院が襲撃され、一人逃げた田村は、飢えに駆り立てられるように熱帯のジャングルを彷徨い、途中、別の部隊に同行するも、米軍の一斉砲撃により他の兵士たちは全滅し…。

 

[作品情報]

監督:市川崑 原作:大岡昇平「野火」(角川文庫/KADOKAWA 刊) 脚本:和田夏十 

撮影:小林節雄 

音楽:芥川也寸志

出演:船越英二 ミッキー・カーチス 滝沢修

1959 年/日本/105 分/モノクロ/シネマスコープ

©KADOKAWA 1959