韓国発ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』最多6部門受賞

「第78回トニー賞授賞式」

演劇・ミュージカル界の世界最高峰トニー賞授賞式が、WOWOWで日本時間の6月9日8時より生中継(放送・配信)されました。

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3 年ぶりにラジオシティ・ミュージックホール(ニューヨーク)での開催となった今年の授賞式。ホストは映画『ウィキッド ふたりの魔女』の主人公・エルファバ役を演じ、第 70 回トニー賞(2016)でミュージカル主演女優賞(『カラーパープル』)を受賞しているシンシア・エリヴォ。彼女のオープニング・パフォーマンス「Sometimes All You Need Is a Song」で華やかに幕を開けました。

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ミュージカル部門では、最多タイの 10 ノミネートを受けていた韓国発の 『メイビー、ハッピーエンディング』が前評判通りの強さを見せ、ミュージカル作品賞、主演男優賞(ダレン・クリス)、演出賞(マイケル・アーデン)など最多の 6 部門を受賞。

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このほか、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』も助演女優賞(ナタリー・ベネチア・ベルコン)を含む 4 部門を獲得し、斬新な演出が話題を呼んだ『サンセット大通り』はミュージカル・リバイバル作品賞、主演女優賞(ニコール・シャージンガー)など 3 部門を受賞。作曲のアンドリュー・ロイド=ウェバーも喜びのコメントを残しました。

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ドラマ『glee/グリー』でも知られ、初受賞となったダレン・クリスは、壇上でプレゼンターのアリアナ・デボーズと歓喜のハグ。スピーチでは、本作でブロードウェイ・デビューを果たした主演女優のヘレン・J・シェンへの感謝を口にし「(受賞を)ヘレンとシェアしたいです」と語りました。客席から見守っていたヘレンは感極まった表情を見せ、会場は感動に包まれました。演出のアーデンは 2023 年の『パレード』に続いて 2 度目のトニー賞受賞。スピーチの最後に「もし、クィアのみなさんがこれを見ていてくれるなら、ハッピー・プライド!」と LGBTQ コミュニティに寄り添うメッセージを口にし、喝采を浴びていました。

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演劇部門の最多は『ストレンジャー・シングス:始まりの影』が特別賞を含めて4冠。『パーパス』は演劇作品賞、助演女優賞(カラ・ヤング)の 2 部門を受賞。カラ・ヤングは 4 年連続のノミネートで、初受賞となった昨年(『パーリー・ヴィクトリアス:ア・ノン・コンフェ

デレート・ロンプ・スルー・ザ・コットン・パッチ』 )に続き 2 年連続での同部門受賞となりました。

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このほか、『オー、メアリー!』で脚本を務め、リンカーン大統領の妻メアリー役を演じたコール・エスコーラが、主演男優賞に輝き、演劇演出賞と合わせて 2 冠、『ドリアン・グレイの肖像』も演劇主演女優賞(サラ・スヌーク)、演劇衣装デザイン賞で同様に 2 冠に輝きました。

 

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主演男優賞には、ハリウッドスターのジョージ・クルーニー(『グッドナイト&グッドラック』)がブロードウェイ初出演でノミネートされていましたが、受賞は叶いませんでした。

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毎年、話題を呼ぶパフォーマンスもトップスターたちがハイクオリティのショーを披露。ミュージカル主演女優賞受賞したニコール・シャージンガー(『サンセット大通り』)が見事な歌唱力で歌い上げ、昨年のミュージカル主演男優賞受賞のジョナサン・グロフ(『ジャスト・イン・タイム』)は客席のキアヌ・リーヴスを巻き込んでのセクシーなパフォーマンスで会場を大いに沸かせました。

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この日、一番の盛り上がりを見せたのは、2015 年にブロードウェイで上演されトニー賞 11 部門に輝き、今年で 10 周年を迎える『ハミルトン』のオリジナルキャストが再集結してのパフォーマンス。リン=マニュエル・ミランダ、レスリー・オドム・ジュニア、ジョナサン・グロフ、アリアナ・デボーズなど、いまや大スターとなったキャスト陣が顔を揃えての圧巻のパフォーマンスに会場は熱狂に包まれました。

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また例年同様にプレゼンターとして、過去の受賞者やハリウッド俳優など錚々たる面々が来場。セレモニーが幕を開けた直後の演劇主演女優賞のプレゼンターをキアヌ・リーヴスが務めたほか、映画『ハリー・ポッター』シリーズのドラコ・マルフォイ役で知られ、舞台版でも同役を演じることが発表されたばかりのトム・フェルトンにベン・スティラー、サミュエル・L・ジャクソン&ラターニャ・R・ジャクソン夫妻、オプラ・ウィンフリーなど豪華スターたちが式典に花を添えました。

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WOWOW のスタジオでは、ナビゲーターを務める宮澤エマとスペシャル・サポーターの京本大我、演劇ジャーナリストの影山雄成が東京のスタジオから、同じくナビゲーターの井上芳雄、ゲストの浦井健治、演出家で大阪芸術大学教授である勝田安彦が大阪のスタジオから授賞式を見守りました。

 

京本は、「今年ニューヨークに行った経験が大きく、より楽しめました。もっとブロードウェイに行って観劇したくなりました」とトニー賞を振り返りました。

 

宮澤は、自身も今年観劇した『サンセット大通り』でミュージカル主演女優賞を受賞したニコール・シャージンガーについて、「女優として女性として歳を重ねることに対し、たまに希望を見いだせないこともありますが、この生き様を見せられると歳を重ねることが楽しみですし、演劇界の未来は明るいなと感じました」とコメント。

 

井上は韓国発の『メイビー、ハッピーエンディング』の大躍進に「アジアのミュージカルの歴史が変わる」と歓喜し、受賞結果を踏まえ「トランプ政権になって何が変わるのか?と思っていたんですけど、これまでと変わらずに多様性、新しいものを認めるブロードウェイとトニー賞がいてくれた気がして心強く感じましたし、勇気をもらえました」と笑顔で語りました。

主な部門受賞結果

★演劇作品賞 『パーパス』

★ミュージカル作品賞 『メイビー、ハッピーエンディング』

★演劇リバイバル作品賞 『ユーレカ・デイ』

★ミュージカル・リバイバル作品賞 『サンセット大通り』

★演劇演出賞 サム・ピンクルトン『オー、メアリー!』

★ミュージカル演出賞 マイケル・アーデン『メイビー、ハッピーエンディング』

★演劇主演男優賞 コール・エスコーラ『オー、メアリー!』 ※初受賞

★演劇主演女優賞 サラ・スヌーク 『ドリアン・グレイの肖像』 ※初受賞

★演劇助演男優賞 フランシス・ジュー『イエロー・フェイス』 ※初受賞

★演劇助演女優賞 カラ・ヤング 『パーパス』

★ミュージカル主演男優賞 ダレン・クリス『メイビー、ハッピーエンディング』 ※初受賞

★ミュージカル主演女優賞 ニコール・シャージンガー『サンセット大通り』 ※初受賞

★ミュージカル助演男優賞 ジャク・マローン 『オペレーション・ミンスミート』 ※初受賞

★ミュージカル助演女優賞 ナタリー・ベネチア・ベルコン 『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』 ※初受賞

 

[番組情報]

「生中継!第78 回トニー賞授賞式」

WOWOW オンデマンドで配信中(6/15(日)午後1:59まで)

「第 78 回トニー賞授賞式 字幕版」

6/15(日)午後 2:00~ WOWOW プライムで放送/WOWOW オンデマンドで配信

※放送・配信終了後アーカイブ配信あり(6/29(日) 午前8:59まで)

※スタジオパートは一部抜粋編集して放送致

番組 URL:https://www.wowow.co.jp/stage/tony/