『ムガリッツ』9⽉19日公開
毎年11〜4月にメニュー開発のため休業するスペインの有名店・ムガリッツ。その⾰新的な料理の誕⽣プロセスを追ったガストロノミック・ドキュメンタリー『ムガリッツ』が9⽉19日に⽇本公開。このたび、「あんなに創造的な怒りを表す⼈はいない」吐き出されるムガリッツへの怒りに対して敬意を表すシーン映像が公開されました。
「あんなに創造的な怒りを表す⼈はいない」映像は、“体験は美⾷であると同時に遊びでもある“というアンドニシェフの⾔葉を象徴するシーンを捉えたもの。
ムガリッツが掲げる“今年のテーマ”を⽰すため、毎年テーブルに置かれる⼩さな“⽤語集”。シェフ、スタッフ、そして客までもが、⾷体験に意味を持たせるために協⼒し合って定義した⽤語が詳しく書かれているこの⼩さな冊⼦には、客が感想を書き込むこともできます。
書かれる⾔葉は、愛ある⼿紙や絵、そして吐き出されるムガリッツへの怒り。ある年、出てくる料理に怒った夫が「⽤語集のページを破りまくっていた記憶をたどったスタッフがその事実に「あんなに創造的な怒りを表す⼈はいない」と振り返り、客に敬意を表す様⼦は、まさにレストラン以上の存在の呼び名に相応しいシーンとなっています。
創的な料理の数々をご紹介!
料理の多くが⼿で直接⾷べるもので、古典的な順序には従わず「ルールを破ることほど好きなものはない」というシェフの概念にふれることのできるこれら品々は、料理の枠を超え、まるでアートピースのようなラインナップとなっています。
「 Drones(ドローン)」

蜂の巣や群れのように、集団システムを構成する私たち⼀⼈ひとりが果たす役割を、ドローンの貢献も含めて擁護しています。
「... or starve to death(…さもなくば飢え死にせよ)」

コンセプトは、お客様⾃⾝がその⾻を割って中に⼊っているものを取り出すというもの。お客様が「⾻」(マンニトールで作られた)と⽯を受け取ります。中には、私たちが再現した「⾻髄」(私たちの“メタ”⾻髄)が⼊っていて、⽜のブロス(出汁)とスジで作られていました。
「 Suspension, flower fingers (時を⽌める、花の指)」

くるみ材で作られた⼆つに分かれた⽊の器があります。⼀⽅にはアプリコットオイルが注がれ、もう⼀⽅には花々が⼊っています。指をオイルに浸し、その指で花をすくい取って⼝に運ぶ、という体験型の料理です」コンセプトは、⾷べ⼿が⾵景の⼀部となり、遊び⼼を持って参加することで、指を汚し、花を⼿で掴み、指を舐めるという⾏為を通じて、⾃然との⼀体感を味わってもらうこと。私たちは⻑年、⾃然の⾵景を捉え、花の時間を⽌め、そのままの姿で楽しむ⽅法を探してきました。この料理は、まさにその試みです。
「The world's navel(世界のへそ)」

この料理は、「ミシュラン」(スペイン語の表現で、腰回りの脂肪のふくらみ、英語でいう"spare tire" のような意味)の形をしており、ホエイ(乳清)/バターミルクとクルミ油の少量の上に置かれ、⼝を直接つけてすするように⾷べるものでした。
「rebaño(群れ)」

グリルしたラムチョップと、⽺の⽑を使ったインフュージョン(抽出液)で作られていました。とても複雑な⽐喩で、「神の群れ」を表現しています。
ムガリッツの舞台裏に潜入
スペイン・バスク地⽅、ガストロノミーの中⼼地に存在する、ミシュランガイドに「レストランを超えた存在」と評され2つ星を獲得した名⾨・ムガリッツ。その名は、21 世紀に⼊る頃から、業界で⼤きな注⽬を浴び始めました。
グラスなどを並べずアーティスティックなオブジェだけを載せたテーブル、カトラリーを排して⼿や⾆を直接使って味わう料理…。『ムガリッツ』の⾰新的な厨房に潜⼊したカメラは、研究開発チームやシェフたちが実験的な料理を作り上げるメニュー開発の様⼦に密着する。
従来のレストランコードをこともなげに崩し、ゲストの好奇⼼を誘い、五感を研ぎ澄まさせ、独⾃の世界観で今までになかった⾷空間を⽣み出したムガリッツ。ムガリッツは、毎年 11〜4 ⽉の 6 か⽉間は休業し、この期間はスタッフ総出で、メニュー開発に専念します。
その年に誕⽣した料理が翌年以降に提供されることはなく、⾰新的なメニューはつねに更新され続ける…そんな異端の名⾨ムガリッツの研究開発チームに密着、メニュー開発の舞台裏を追ったドキュメンタリーが誕⽣しました。
監督をつとめたのは、『REC』シリーズなどのホラー作品で知られるパコ・プラサ。もともとムガリッツの熱⼼なファンだった彼が、その創造の秘密を解き明かすべく厨房に潜⼊、ついにその全貌が明かされます。
『ムガリッツ』は9⽉19日よりシネスイッチ銀座ほか順次ロードショー。
[作品情報]
『ムガリッツ』
原題︓『MUGARITZ. NO BREAD NO DESSERT』
監督︓パコ・プラサ
脚本︓パコ・プラサ、マパ・パストール
提供︓ティー ワイ リミテッド
配給︓ギャガ/2024 年/スペイン/カラー/
96 分/字幕翻訳︓⽐嘉世津⼦
公式HP︓https://gaga.ne.jp/mugaritzmovie/
公式X︓mugaritz_jp
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