『ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』公開中
ビートルズ敏腕マネージャーの実話『ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』が、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中。このたびジョー・スティーヴンソン監督のインタビューが公開されました。
「ビートルズの後ろに立っている写真でしかブライアン・エプスタインの顔を見たことがないのなら、この映画でビートルズを彼の後ろに置いてみよう。」と話すのは本作の監督を務めたジョー・スティーヴンソン。
「ブライアン・エプスタインについての映画は、一方では彼の業績、アーティストへの献身、寛大な性格を称えるものでなければならない。もう一方では、彼の心に多くの傷を負わせ、事故死へと導いたものから逃げないようにする必要がある。絶対的なサクセスストーリーであったビートルズとの時間だけを描いた映画を作りたくなるかもしれないが、ブライアンは他の多くのアーティストのことも深く愛していた」
さらにつぎのようにも語り、真摯に描きたかったという想いも打ち明けます。
「薬物摂取についての映画を作りたくなったかもしれないが、彼の薬物摂取は快楽主義的なものではなく、主に実用的なものだった。制御不能になった偶然の習慣であり、彼が積極的に追い求めたものではない。また、パートナーを見つけ、ゲイであることが違法だった時代にゲイであることについての葛藤だけを描いた映画は、彼自身がセクシャリティに規定されることを拒んでいたのに、彼のセクシャリティに規定させることになってしまう」
ビートルズのメンバーから全幅の信頼を寄せられていた彼を映画で描く上で監督は「私にとっての優先事項は、最終的に正直な映画を作ることだった。ブライアンには、彼がしたこと、したいこと、すべてを称える正直な映画がふさわしい。この映画を通して、私たちは難しい題材を甘く描くことなく彼を称えることができる。ありのままの自分を抑圧する社会が、個人的なレベルで何をもたらすかを人々に思い起こさせることができる」と熱く語ります。
今作の見どころについては次のようにアピールしました。
「ブライアン・エプスタインの勝利は並外れたものであり、私はその瞬間を喜びと興奮をもって描きたかった。そのスピードは信じられないほど早く、スリリングに感じられるはずだ。その結果、彼の歩んできた不思議な旅路に微笑みながら、足取りも軽やかに通り過ぎていく映画になることを意図した。」
最後に「この映画を見てブライアンに会ったような気分になってもらい、彼がどれほど素晴らしい人物であったか、どれほど驚異的な功績を残したかを知ってもらうことが私の最大の望みである。彼の物語を伝える映画ができるまで、どうしてこんなに時間がかかったのでしょう?ブライアンの晴れ姿を監督できて光栄だ」と締めくくりました。
ビートルズ活躍の裏にあった人知れぬ葛藤
ブライアン・エプスタインは、祖父が始めた家具店で日々忙しい毎日を送っていました。店舗に増設したレコード部門も2年後には看板部門に成長。
ある日、リヴァプールのクラブ「キャヴァーン」で、まだ駆け出しの4人組ローカルバンド「ビートルズ」と出会います。4人が奏でる音楽に図らずとも心を奪われ、バンドのメンバーたちにマネージメント契約を打診。ステージマナーを教え、衣裳も髪型もととのえます。
当初は有名レコード会社にそっぽを向かれたバンドでしたが、ついにEMI傘下のパーロフォンから辛くもデビューを遂げ、瞬く間に世界中でその名を知らぬ者がいないほどの存在になっていきます。
メンバーの活躍にエプスタインも喜びをあふれさせるが、彼の中にはマネージャーとしての表の顔からはうかがい知れぬ、一個の人間として満たされない思いがありました…。
『ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』は、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中。
[作品情報]
『ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』
原題:MIDAS MAN
監督:ジョー・スティーヴンソン
出演:ジェイコブ・フォーチュン=ロイド、エミリー・ワトソン、エディ・マーサン
2024 年/イギリス/英語/112 分/スコープ/カラー/5.1ch/日本語字幕:斉藤敦子 字幕監修:藤本国彦
配給:ロングライド
©︎STUDIO POW(EPSTEIN).LTD
https://longride.jp/lineup/brian
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