『クイーンダム/誕生』1月30日公開
LGBTQ+の活動が弾圧されるロシアに突如現れた次世代のクィア・アーティスト、ジェナ・マービンを追ったドキュメンタリー映画『クイーンダム/誕生』が1月30日(金)にシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほかにて全国公開。このたび、主演ジェナ・マービンの特別インタビュー&3本のストーリー動画&新場面写真2点が一挙公開されました。
公開されたジェナの活動と背景を視覚的に伝える3本のショート動画は次の通りです。
【I AM JENNA MARVIN】は、ジェナがどのようなパフォーマンスを行い、どのような美学を持っているのか。その圧倒的な芸術性をスタイリッシュな映像で捉えた導入編。続く【たった3人の家族ーマガダンで暮らす祖父母との関係ー】では、たった一人の孫を愛しながらも、ジェナの「ノンバイナリー」というアイデンティティを理解しきれず衝突してしまう祖父母との日常。LGBTQ+への理解が極めて乏しい極東の故郷マガダンで、ジェナが猫を“自分だと思って可愛がって”と祖父母に託すシーンは、愛らしくも切ない家族の肖像を映し出しています。最後の【ウクライナ侵攻ー「表現者」から「活動家」へ-】は、2022年、ロシアによるウクライナ侵攻に対し、ロシア出身でありながら明確に反対の立場をとるジェナの決断と、この出来事が人生を大きく変えていく転換点を描いています。
インタビュー
ジェナ・マービンは、首都モスクワから約10,000キロ離れた極寒の地・マガダンで育ち、幼い頃から自らのアイデンティティを自覚し、異質さゆえに暴力や差別の標的とされてきました。しかし、ジェナはその痛みやトラウマを「アート」という武器に変え、スキンヘッドにハイヒール、有刺鉄線といった装いで街に立ち、無言のパフォーマンスで抗議の声を上げ続けてきました。その類まれなる芸術性は「VOGUE RUSSIA」誌面を飾るなどSNSでも大きな注目を集め、現在はロシアから亡命しパリに活動拠点を置いています。
初個展『PROPAGANDA』を皮切りに、リックオウエンスやミシェル・ラミー、フィーカル・マターらといった世界的アーティストとのコラボレーションを果たすなど、ますます飛躍を遂げ、撮影当初21歳だったジェナは、現在26歳。今回、映画『クイーンダム/誕生』の公開を前に、ジェナが自身の哲学、そして仲間や家族との絆を語っています。
本作の始まりは、一本の電話。当時まだシリーズ番組として構想されていた本作の出演者を探していた監督のアグニア・ガルダノヴァに、知人がジェナを紹介しました。
「タクシーに乗っている時に彼女から電話がかかってきました。それは素晴らしい会話で、私はすぐに彼女のことが大好きになりました。彼女は私に『私たちが一緒に世界を変える』と言ってくれた。そんなことを言ってくれた人は、彼女が初めてでした」
驚くことに二人はわずか10分ほどの距離に住む近所同士であることが分かり、すぐに絆を深めます。さらに、のちに加わったプロデューサーのイゴール・ミャコチンもジェナと同じマガダン出身と判明し、「故郷を離れてから、マガダン出身のクィアな人に会ったことがなかった」と語るジェナにとって、この出会いはまさに運命が引き寄せたものだといえるでしょう。
なぜジェナは、自らの身体をキャンバスに表現を続けるのか。そこには「不十分だ」と否定され続けた過去への抵抗がありました。
「私にとってパフォーマンスは救いです。周囲から『理想の姿にほど遠い』『あなたは不十分だ』と突きつけられ、自分自身の表現の力を重荷だと思っていた時期もありました。だからこそ私は、自らの不完全さを、公共の場でのパフォーマンスへと変えることにしたのです。言葉が尽きた者たちのための言語が、パフォーマンスなのです。それは常に何かを失い続ける道でもあります。それでもなお、その場に立っていられるなら――それはあなたが語っている証です。そしてあなたが語っているなら――それはあなたが存在している証です」
2022年、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発。永遠にロシアに戻れなくなってしまう直前、ジェナはロシア国旗の三色旗を象徴する50人のパフォーマーと共に、凄まじい緊迫感の中で最後のパフォーマンスを敢行しました。その後、フランスへと拠点を移したジェナは、両国の環境の差を「例えるなら、これまでの人生ずっと20cmのハイヒールを履いて石炭の上を歩き続けてきたのに、突然、木の床の上を 履き心地の良いスニーカーで歩き始めたようなもの。それほどの違いがあるのです」と語ります。
ロシアでの日々は「一日一日を無事にやり過ごせたという、切実な安堵感」の連続だったと振り返ります。
「学校という組織では先生と打ち解けられず苦労もありましたが、学校を離れてソロ活動を始め、好きな人たちに出会えたことで周囲の不穏な出来事を忘れることができました。困難はありましたが、同時に数えきれないほどの喜びと美しい瞬間もありました。特にロシアでの最後の1年は素晴らしかった。それまで、本当の意味での『自由』を感じたことは一度もなかったのですから」
現在、パリで新たな一歩を踏み出しているジェナに、不安を分かち合える友人の存在を尋ねると、温かな答えが返ってきました。「もちろん。フランスで、愛に包まれています」
クィア・アーティスト、ジェナ・マービンの実録
LGBTQ+ の活動や表現が法律で禁じられているロシアに突如現れたクィア・アーティスト、 21 歳のジェナ・マービン。
首都モスクワから約 10,000 キロ離れた極寒の町で祖父母に育てられたジェナは、幼い頃から 自身がクィアであると認識しており、小さな町ではその存在が暴力の標的となりました。ロシアでは LGBTQ+ は 「存在しないもの」とされ、その当事者たちは日々、差別と抑圧にさらされているのです。
その痛みとトラウマを、ジェナはアートへと変えた。スキンヘッドにハイヒール、身体を締め上げるテープや有刺鉄線をまとい、“静かな叫び”として無言のパフォーマンスを街に放ちます。
やがて、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発。反戦デモに参加したジェナは逮捕され、徴兵の危機に。逮捕、嫌がらせ、社会からの排除――それら全てを背負い、恐怖と絶望を超えた孤高のクイーンが誕生します。
これは、痛みと美しさを纏ったひとりのアーティストによる、命をかけた表現の記録です。
『クイーンダム/誕生』は、1月30日(金)にシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほかにて全国公開。
[作品情報]
『クイーンダム/誕生』
原題 QUEENDOM |
監督:アグニア・ガルダノヴァ
製作:イゴール・ミャコチン、アグニア・ガルダノヴァ
主演:ジェナ・マービン
2023 年 | フランス・アメリカ | ロシア語 | 91 分 | シネスコ | カラー | 5.1ch | 日本語字幕 浅野倫子 | 配給 Elles Films | 協力 吉森崇夫
公式 HP: ellesfilms.jp/queendom
公式 X:@Elles_Films (https://x.com/Elles_Films )
公式インスタ:@elles_films0722 (https://www.instagram.com/elles_films0722?igsh=aWw4d3k4Z3RiZnNj)
ハッシュタグ:#クイーンダム誕生



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