クロエ・ジャオ、歌舞伎の影響を認める『ハムネット』対談映像

『ハムネット』4⽉10⽇公開

第50回トロント国際映画祭にて観客賞(最⾼賞)、東京国際映画祭クロージング作品として上映されたクロエ・ジャオ監督最新作『ハムネット』が、4⽉10⽇(⾦)公開。第38回東京国際映画祭での⿊澤明賞受賞をきっかけに実現したクロエ・ジャオ監督と李相⽇監督のスペシャル対談映像が公開されました。

公開されたスペシャル対談映像では、まず互いに古典や芸術家の宿命と向き合った作品を⼿がけた両者がそれぞれの最新作に通底するテーマについて⾔及。

 

李監督は『ハムネット』について、「⾮常に精緻でありながら⼈間の深層に届く作品。シェイクスピアとい う⽂学と舞台芸術、そして⼈間の魂が⾼いレベルで結びついている」と語り、「映画でこんな表現が可能なのかという衝撃を受けた」と絶賛した⼀⽅、『国宝』との共通点として「天才の神話を崩す」という視点を挙げたジャオ監督。「(芸術の)裏側にあるのは決して綺麗事ばかりではない。⾁、⾎、⾻を持った等⾝⼤の⼈間としての儚さ」を描いたからこそ、「(『国宝』は)多くの⼈の⼼に届いた」と称賛。

 

また両作に共通する点として、芸術家が誰にも⾒えない“⾵景”を追い求める宿命と孤独の存在が挙げられた。

 

李監督は、『ハム ネット』に登場する森の“⿊い⽳”が主⼈公アグネスの内⾯のみならず、芸術に携わる⼈間が抱える内的な闇を象徴していると指摘。ジャオ監督も「私たちは“景⾊”について語っている」と応じ、表現⽅法は違えども⽬指すものの近さに共鳴したと語ります。

 

さらに『ハムネット』を準備する前のタイミングで歌舞伎について研究していたことを明かしたジャオ監督。「その時に⼥性が蛇に変わる話を⾒つけました。鐘が重要なモチーフでした。私はそれがすっかり気に⼊ってしまい、プロデューサーに鐘を登場させたいとお願いしました」「だから『ハムネット』にも僅かながらも歌舞伎の影響がある」「初めて歌舞伎の舞台を観劇して、感銘を受けたんです」と明かす⼀幕もありました。

 

演出やキャスティングについての話題に及ぶと、李監督は『国宝』では「まず“型”を徹底的に⾝体に叩き込むこと」を重視したと説明。「体に全て染み込ませた後に、何かそれ以上の観念的なものがこう⽴ち上ってくるっていう思想があるように僕は受け取っている」「まずはその型を2⼈(吉沢亮、横浜流星)に徹底的に習得してもらうことが第⼀条件」だったと伝えます。

 

それに対しジャオ監督は、「キャスティングが映画の80%を決める」と語ります。そして、配役を決めた後に俳優の⼈間性を活かす形で脚本を構築する⾃⾝の⼿法を明かし、本作主演ジェシー・バックリーに対しては「夢の中で作業するかのようなボディワーク」を依頼、「ジェシー・バックリーという役者とアグネスという役の境界を無くすような」「ジェシーはその境界にとどまることができた。意識と無意識の間・知っていることと知らないことの間。だから全ての瞬間が存在しています」と⾔い、「だから李監督が型が重要だと⾔ったことに私も同意します。深淵に存在が⽣まれるようにね」と伝えました。

 

対談の終盤にはお互い⼀番気になる質問が。両監督の創作姿勢や哲学についての質問が交わされ、互いの創作の根源へと踏み込む、⽰唆に富んだ対話となりました。

同名小説の映画化

本作は、2020年に発表され、英⼥性⼩説賞、全⽶批評家協会賞を受賞し世界から喝采を浴びたマギー・オファーレル著の同名⼩説「ハムネット」の実写映画化。

 

舞台は 16世紀イギリスの⼩さな村。森を愛し、薬草の知識に優れ、不思議な⼒を宿した妻アグネス・シェイクスピアと、劇作家としてロンドンで活動する夫ウィリアム・シェイクスピア、そしてその3⼈の⼦どもたちが描かれます。

 

ロンドンへ単⾝で出稼ぐ夫を尊重し、⽗親不在のなかで⼦どもたちを守り奮闘するアグネスでしたが、あるとき⼀家に⼤きな不幸が降りかかり…。 

 

『ハムネット』は、4⽉10⽇(⾦)公開。

 

[作品情報]

『ハムネット』

原題︓HAMNET

監督・製作総指揮︓クロエ・ジャオ

脚本︓マギー・オファーレル、クロエ・ジャオ

製作︓スティーヴン・スピルバーグ、サム・メンデス

出演︓ジェシー・バックリー、ポール・メスカル、エミリー・ワトソン、ジョー・アルウィン

2025 年/イギリス/ビスタサイズ/126 分/カラー/英語/5.1ch/⽇本語字幕翻訳︓⾵間綾平/⽇本語字幕監修︓河合祥⼀郎/映倫区分︓G/配給︓パルコ ユニバーサル映画 

©2025 FOCUS FEATURES LLC.

公式サイト︓hamnet-movie.jp/公式 X︓@hamnetjp