『決断するとき』3月20日公開
キリアン・マーフィー主演、実話に基づくベストセラー小説の映画化『決断するとき』が、3月20日(金)よりTOHO シネマズ シャンテほかで全国順次公開。このたび、著名人らがコメントを寄せました。
本作の原作は、クレア・キーガンの小説「ほんのささやかなこと」。その翻訳を手掛けた鴻巣友季子をはじめ、原作を読み絶賛した小野正嗣、トミヤマユキコ、中島京子、古川日出男ら作家・ライターがコメントを寄せています。
さらに、本作に共鳴した作家の柚木麻子、真山仁のほか、北村紗衣、そしてピーター・バラカンも参加。各界の視点から本作への賛辞が寄せられました。
小野正嗣(作家)は次のようにコメントしています。
「キリアン・マーフィーの表情や仕草が、ガタガタ揺れるくたびれたトラックや悲しげな風景が、だから映画を形作るすべての要素が、あのクレア・キーガンの素晴らしい小説の言葉の余韻と余白をさらに豊かにし、私たちのなかにある「人間」に強く働きかける——虐げられた者たちを前にして、無力さの闇に沈みそうになる私たちの心に希望と勇気の灯をともしてくれる」
鴻巣友季子(翻訳家、文芸評論家)は次のようにコメントしています。
「静謐な原作よりもなお寡黙な映画で、抑制されたキリアン・マーフィの演技がすばらしい。ほとんど人間離れして神聖な領域に近づいている。最後は原作よりほんの少し先まで描かれていて、ビルの決意が実行されることが伝わり、しみじみと感じ入った」
北村紗衣(英文学者)は次のようにコメントしています。
「世間に流されずに正しいと思うことをするのはとても大変ですが、そこで行動に出なければ、後で良心の痛みに悩むことになるかもしれません。自分も人の優しさに助けられて生きていたのに、今の社会的地位や安全を優先し、同じような状況で苦しんでいる人を無視することができるでしょうか?この作品はそんな状況でほんの少しだけ勇気を出すのがいかに大事かということを、キリアン・マーフィーの繊細な演技 を通して描いています」
トミヤマユキコ(ライター、マンガ研究者)は次のようにコメントしています。
「原作のすばらしさを損なうことなく創り上げられたこの映画に、心からの拍手を送りたい。ひとりの人間にはひとり分の力しかない。そのことを非力だと嘆くひともいるだろう。しかし、その力がときに、誰かを、何かを、変えることがある。小さな力がもたらす大きなうねり。それを目撃したあなたの人生もまた、うねりはじめるかもしれない」
中島京子(小説家)は次のようにコメントしています。
「アイルランドの小さな町に聖夜が近づく。降りしきる雪。間違ったクリスマスプレゼント。娘たちのクリスマスキャロル。つましい人々のささやかな幸福の陰にある不気味な闇が、キリアン・マーフィーのブルーの瞳に吸い込まれていく。説明を省いた静かな映像なのに、張り詰めた緊張感が目を逸らさせない。ラストシーンのその先を、考えずにはいられない映画だ」
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)は次のようにコメントしています。
「Do the right thing - やるべきことをするかどうか、誰でも葛藤する時があります。自分や肉親が犠牲を強いられる可能性があると尚更難しい決断です。終始抑制されたビルの感情がひしひしと伝わる感動作です」
古川日出男(作家)は次のようにコメントしています。
「あらゆるノイズが削ぎ落とされた傑作。そのことは主演するキリアン・マーフィーが〈寡黙さ〉をもって体現しているが、しかし彼の口はしばしば開きっぱなしになっている。沈黙という名の豊饒な言葉を吐き出しているのだ。そして映画全篇を自身の〈動揺〉で震わせる。むしろ、この作品は「静けさの牢獄」と言えるのではないか。だからこそ、なのだが、その静けさに割って入るサウンドが、あるいは、ほんのささやかに乗せられる音響群が、そこに存在するだけで回想シーンを召喚する。つまり、主人公も鑑賞するわたしたちも、現在と過去とを音によって往き来する。しかも舞台となるアイルランドは教会の〈鐘の音〉でつつまれている。最終的にあなたは思うだろう、「わたしたちは鐘の音に空爆されている」と」
真山仁(小説家)は次のようにコメントしています。
「誰かを助けることが“罪”なのか
見て見ぬふりをすることが“常識”なのか 重苦しいアイルランドの冬の中で浮かび上がる“良心”の意味」
柚木麻子(作家)は次のようにコメントしています。
「巨大な権力の前に我々は無力でしかない、目の前の誰かを助けたところで自己満足でしかない――。この映画は静かな語り口で、そんな絶望を洗い流し、我々の行手に火を灯す。ラスト間際のある場面は、革命の行進のようだった。本作が今の日本公開されることに、大きな意味がある」
若い女性たちの直面した厳しい現実を目撃したとき、彼が下した決断とは
舞台は1985年、アイルランドの小さな町。炭鉱商人として生計を立て、家族と慎ましく暮らすビル・ファーロング(キリアン・マーフィー)は、クリスマスが近づくある日、炭鉱を届けに訪れた地元の修道院で、目を背けたくなる現実を目撃。そこに身を置く少女から「ここから出してほしい」と懇願され、若い女性たちが行き場もなく苦しんでいる現実と向き合うことに。見て見ぬふりをすることが賢明だと理解しながらも、良心の呵責に悩むビル。そんな彼が、ついに下す決断とは…。
『決断するとき』は、3月20日(金)よりTOHO シネマズ シャンテほかで全国順次公開。
[作品情報]
『決断するとき』
原題:Small Things Like These
原作:クレア・キーガン「ほんのささやかなこと」(鴻巣友季子 訳/早川書房 刊)
監督:ティム・ミーランツ 脚本:エンダ・ウォルシュ
出演:キリアン・マーフィー アイリーン・ウォルシュ ミシェル・フェアリー クレア・ダン ヘレン・ビーハン エミリー・ワトソン
製作総指揮:ベン・アフレック マイケル・ジョー ケヴィン・ハローラン 製作:マット・デイモン キリアン・マーフィー アラン・モロニー キャサリン・マギー ドリュー・ビントン
撮影:フランク・バン・デン・エーデン
編集:アラン・デソバージュ 音楽:センヤン・ヤンセン
2024 年/98 分/アイルランド/カラー/1.85:1/5.1ch 日本語字幕:山下美紗 配給:アンプラグド unpfilm.com/ketsudan
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