狭いバスケットに俳優とカメラがひしめき合う!『タービュランス 絶空 16,000フィート』メイキング

『タービュランス 絶空 16,000フィート』公開中

最高高度16,000フィートの超上空・超密室サバイバル『タービュランス 絶空 16,000フィート』が、TOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開中。このたび、メイキング写真とともに制作秘話が公開されました。

公開されたメイキング写真では、一面に広がるブルースクリーンの中、大きな気球が鎮座する大掛かりなスタジオセットの全貌をはじめ、キャストたちの仲睦まじい素顔や、緊張感あふれる撮影の舞台裏まで余すことなく切り取られています。

 

監督は、幅広いジャンル映画を手がけ、『エア・ロック 海底緊急避難所』(24)では飛行機×サメという異色スリラーで注目を集めたクラウディオ・ファエ。さらに、『FALL/フォール』(22)、『海底 47m』シリーズ(17・19)、『ブラック・クローラー』(20)など、シチュエーション・スリラーを熟知したプロデューサー&脚本陣が参加しています。

 

キャストには『移動都市/モータル・エンジン』(18)のヘラ・ヒルマー、『戦火の馬』(11)主演のジェレミー・アーヴァイン、エミー賞受賞のケルシー・グラマー、ボンドガールとしても知られるオルガ・キュリレンコら実力派が集結。極限状況のドラマに確かな厚みをもたらしています。

 

クラウディオ・ファエ監督は、この企画に向き合った最初の瞬間から「これは簡単な撮影にはならない」と覚悟していたといいます。

 

「ほぼ全編が熱気球の中で展開する映画なんて、普通に考えて無茶ですよね。でも、その無茶さこそが魅力でもあったんです。空の美しさと、そこで起きる密室劇の緊張感。そのギャップをどう映像化するかが挑戦でした。熱気球は本当に気まぐれなんです。風がすべてを決めてしまう。だから“本物をそのまま使う”という選択肢は最初からありませんでした」

 

そこでチームが選んだのが、実物と人工物を巧みに組み合わせるハイブリッド方式。キャメロン・バルーンズ社が製作したバスケットとスカート部分だけの特注リグをクレーンで吊り下げ、俳優が実際に触れ、揺れを感じられる“半分だけ本物”の熱気球を作り上げたのです。

 

一方で、熱気球から見える壮大な空の景色は、実際の熱気球ではなく、ドロミーティ山脈に飛ばしたドローンが担いました。

 

監督は「ドローンを飛ばして、空の“本物の息遣い”を撮りました。あれが作品の背骨になっています」と振り返ります。こうして撮影された空撮映像は、後にブルースクリーンの背景として合成され、物語の舞台となる“空の世界”を形づくったのです。

 

とはいえ、剛性ではどうしても“人工的な匂い”が残ります。それを徹底的に排除するため「手持ちで撮ること。アナモフィックレンズを使うこと。そして、撮影監督がバスケットの中に入ること。この三つは絶対に譲れませんでした」と監督は語ります。

 

レイノソは俳優と肩が触れ合うほどの距離でカメラを構え、空間を“外から撮る”のではなく“内側から体験する”ように撮影。

 

「狭いバスケットの中で、毎朝まず動線を確認して、マスターショットを決めるんです。でもそこから先は、俳優とカメラに任せました。テイク中にパンしたり寄ったり、反応を拾ったり。あの即興性が、閉ざされた空間に“生きた空気”を与えてくれたんです」

 

作品の中でもひときわ緊迫感を放つ嵐のシーンは、まるで別作品のような規模で撮影されました。三日間にわたり風と水が容赦なく吹きつけ、俳優たちは濡れ続け、寒さと戦いながら演技。監督は「あれはもう、撮影日という名の“非常 に濡れる持久戦”でした。俳優たちは本当に大変でしたよ。だからセット脇に移動式サウナを置いて、体を温めながら撮影を続けました」 

 

自然では再現できない部分はCGIが補い、実景とデジタルの境界を丁寧に馴染ませていきました。編集を担当したタムシン・ジェフリーは、全シーンをブルースクリーン版と完成版の二度編集するという異例の作業に挑みました。

 

監督はそんなタムシンについて、「まず演技を基準に編集して、そこに空撮プレートやVFXが入ると、またリズムが変わるんです。だからもう一度切り直す必要がある。タムシンは本当に忍耐強くて、技術的な嵐の中心で常に冷静でした」と称えます。

 

また、『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』のような大規模空中アドベンチャーと比べれば、本作の予算は決して潤沢ではありませんでした。しかしファエ監督は、制約を嘆くどころか、むしろ創造性を加速させる燃料として受け止め、「制約があるからこそ、工夫が生まれるんです。実際の空撮、クレーン吊りのリグ、手持ちの親密なカメラワーク、必要最小限のCGI、そして俳優の身体性。全部が噛み合って、低予算に見えないスリラーになりました」と明かします。

人も自然も怖い!超上空・超密室サバイバル!

イタリアの世界遺産ドロミーティ(ドロミテ)山脈を熱気球で横断するツアーに参加した夫婦、ザックとエミー。そこへ謎めいた女性ジュリアが同行し、3人は地上を遥かに見下ろす高度へと上昇していきます。

 

しかし、上空に差し掛かった瞬間、ジュリアは突如ザックの不貞を暴露し、ナイフを手に狂乱状態へ。

 

壮絶な痴話げんかに巻き込まれた操縦士はゴンドラから転落し、無線は断線、バーナーは出力全開のまま暴走し、熱気球は操縦不能となります。

 

操縦士不在のまま気球は酸欠寸前の高度16,000フィート(約4,800メートル)に達し、そこから急上昇と急降下を繰り返します。バルーンを裂くほど鋭い岩肌の山腹、突発的な暴風雨、乱気流(タービュランス)など、自然の脅威が次々と襲いかかるなか、狭いゴンドラの中で助け合うどころか互いを罵り合う3人。極限状況の中で事態は容赦なく彼らを追い詰めていくシチュエーションドラマです。

 

『タービュランス 絶空 16,000フィート』は、TOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開中。

 

[作品情報]

『タービュランス 絶空 16,000フィート』

原題:TURBULENCE

監督:クラウディオ・ファエ『エア・ロック 海底緊急避難所』 脚本:アンディ・メイソン『海底 47m』『海底 47m 古代マヤの死の迷宮』(製作総指揮) 製作総指揮:バリー・ブルッカー『FALL/フォール』 音楽:マーカス・トランプ 撮影:ハイメ・レイノソ 出演:ヘラ・ヒルマー『移動都市/モータル・エンジン』、ジェレミー・アーヴァイン 『戦火の馬』、ケルシー・グラマー『エクスペンダブルズ 3 ワールド・ミッション』、オルガ・キュリレンコ『007/慰めの報酬』 2025 年/イギリス・アメリカ/英語/カラー/シネマスコープ/95 分

字幕翻訳:額賀深雪 

配給:彩プロ 

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映倫区分:G

HP:turbulence.ayapro.ne.jp