ウクライナの少女が「鐘のキャロル」を歌う『キャロル・オブ・ザ・ベル』本編特別映像

『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』7月7日公開

ウクライナの民謡をもとに生まれた「キャロル・オブ・ザ・ベル」の歌に支えられ、ひたむきに生き続ける戦時下の家族の姿を描く『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』が7月7日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほかにて全国公開。このたび、ウクライナ人の少女が、歌うと願いが叶うという「鐘のキャロル」の言い伝えを信じてナチス・ドイツ兵の前で歌を披露する本編特別映像が公開されました。

公開された本編特別映像は、ナチス・ドイツ兵に「鐘のキャロル」を披露するウクライナ人の娘・ヤロスラワの姿が切り取られています。「殺さないで」…歌の最後、祈りのように真っ直ぐ伝える姿が、見る人の涙を誘う映像となっています。

 

本作品は2021年に完成しましたが、まるで22年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻を予感していたかのようなタイミング。オレシア・モルグレッツ監督は現在もキーウに住み、子を持つ母親としてドキュメンタリー映画を手掛けています。

「キャロル・オブ・ザ・ベル」とは?

クリスマスキャロルとして有名な「キャロル・オブ・ザ・ベル」は、ウクライナで古くから歌い継がれている民謡「シェドリック」に1916年“ウクライナのバッハ”との異名を持つ作曲家マイコラ・レオントーヴィッチュが編曲し、英語の歌詞をつけたもの。映画『ホーム・アローン』(90)内で歌われ、世界中に知られるようになりました。この歌は「ウクライナ語、ウクライナ文化が存在している」という明確な証として今も歌い継がれています。

 

1939年1月、ポーランドのスタニスワヴフ(現ウクライナ、イバノフランコフスク)にあるユダヤ人が住む母屋に、店子としてウクライナ人とポーランド人の家族が引越ししてくるところから映画はスタートします。ウクライナ人の娘ヤロスラワは音楽家の両親の影響を受け歌が得意で、特にウクライナの民謡「シェドリック」=「キャロル・オブ・ザ・ベル」は歌うと幸せが訪れると信じ大事な場面で都度その歌を披露する愛らしい女の子でした。

 

しかし、間もなく第2次大戦が開戦。スタニスワヴフはナチス・ドイツによる侵攻とソ連によって占領され、ポーランド人とユダヤ人の両親たちも迫害によって連行され、娘たちだけがスタニスワヴフの家に残されます。ユダヤ人の娘ディナ、ポーランド人の娘テレサの3人の娘たちを分け隔てなく守り通して生きるウクライナ人の母であり歌の先生でもあるソフィア。その後、さらに戦況は悪化、ナチスによる粛清によってウクライナ人である自身の夫も処刑されてしまい、自分の娘、ポーランド人の娘、ユダヤ人の娘に加えて「この子には罪はない」と言って、さらにナチス・ドイツの息子もさらに匿うことになるも──。

 

『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』は、7月7日に、新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほかで全国公開。

 

 

[作品情報]

『キャロル・オブ・ザ・ベル』

原題:Carol of the Bells

出演:ヤナ・コロリョーヴァ、アンドリー・モストレーンコ、ヨアンナ・オポズダ、ポリナ・グロモヴァ、フルィスティーナ・オレヒヴナ・ウシーツカ

監督:オレシア・モルグレッツ=イサイェンコ 

脚本:クセニア・ザスタフスカ 

撮影:エフゲニー・キレイ 

音楽:ホセイン・ミルザゴリ

プロデューサー:アーテム・コリウバイエフ、タラス・ボサック、マクシム・レスチャンカ

2021/ウクライナ・ポーランド/ウクライナ語/シネマスコープ/122分

配給: 彩プロ 後援:ウクライナ大使館 映倫G 

(C)MINISTRY OF CULTURE AND INFORMATION POLICY OF UKRAINE, 2020 – STEWOPOL SP.Z.O.O., 2020