美術館所蔵作品をデジタル・アーカイブ化し、作品の持つ魅力や制作技法の体験を通じて楽しく学べる展覧会『なつやすみはアートであそぼう!~出張美術館・深掘り!?美楽(びがく)展~』が、エプソンスクエア丸の内のエプサイトギャラリーにて、7月26日から9月1日まで開催されます。
今年4月1日から、約70年ぶりに博物館法が改正・施行され、博物館・美術館の事業として所蔵資料のデジタル・アーカイブ化が追加されました。新たな時代に即したこのような流れは、従来型の静的展示からの脱却を試みる好機とも捉えられています。
一方で、実際にデジタル・アーカイブ化を実施している登録博物館は24.4%に留まっているのが現状です。
エプソンは高精細なプリント技術に加え、実績あるプロジェクション技術など最新のデジタル技術を活用することで、これまで数多くの美術作品のデジタル・アーカイブ化に携わり、原画をより忠実に複製するノウハウを蓄積してきました。
今回の展覧会では、上田市立美術館の協力を仰ぎ、同美術館とエプソンアヴァシス株式会社(以下エプソンアヴァシス)の連携で2022年に開催した「深掘り!?美楽(びがく)」展をベースとし、所蔵作品の複製画を展観するとともに、デジタル化した作品をエプソンアヴァシスが開発した鑑賞補助アプリによって深く掘り下げ、制作過程を追体験するような体験型作品鑑賞を実現します。
[展覧会の構成]
1.ミュージアム品質の複写/複製および複製画展示
「ブルトンヌ・漁夫/山本鼎」「婦人像/中村直人」「海景/林倭衛」「ドミノ・パイ/ハリー・K・シゲタ」の作品を実物大で複製し・展示。
プリントには、エプソンの高画質プリンターSureColor「SC-P9550」(12色機全色顔料)を使用。
一部の原画の高精細複写は、Phase One(フェーズワン)社製カメラシステム IQ4 150MP(1億5千万画素)を使用。
2.鑑賞補助アプリによる展示作品の深掘り
会場にて展示している作品は、タブレットを使い、色と構図が作品に与える役割や、作品制作の原理を学びます。鑑賞補助アプリは、エプソンアヴァシスの制作。
アプリ体験ができる作品
「ブルトンヌ/山本鼎」木版画の版ごとに色を選び、アプリ上で作品を刷ることができます。
「漁夫/山本鼎」木版画に描かれたはんてんの陰影を、彫刻刀で彫る体験ができます。
「婦人像/中村直人」描かれた人物や猫の首の長さを伸ばしたり縮めたりして、構図が作品に与える印象を体感できます。
「海景/林倭衛」海や木々の明度や筆遣いの密度を変化させ、作品の奥行(遠近感)を調整できます。
「ドミノ・パイ/ ハリー・K・シゲタ」撮影現場を再現した模型のライティングや角度を調整し、撮影の疑似体験ができます。
3.プロジェクションによる体験の拡張
「ブルトンヌ/山本鼎」「婦人像/中村直人」「海景/林倭衛」「ドミノ・パイ/ハリー・K・シゲタ」の作品では、鑑賞補助アプリで来場者が作成したデータを複製画に並べて投映し比較することで、より理解を深めることができます。
4.オンライントークショー
上田市立美術館の学芸員・山極佳子を招き、鑑賞補助アプリを制作したエプソンアヴァシスの加藤寛人、高精細の複写/複製を手掛けたエプソン販売のコラボレーションコーディネーター・佐藤拓郎を加えたトークショーを開催、美術館の DX 化の事例や展望について語ります。
※美術館関係者様向けの内容ですが、一般の人も参加可能。
「Co-Creation Meeting MuseumDX について考える。~デジタル・アーカイブとデータの活用方法~」
・日時 :8月2日15:00~16:00
・開催方法:オンライン開催(Zoom)
・申込詳細:https://pd.epson.jp/showroom/lp_form/co-creation_seminar_230802
[実施概要]
「なつやすみはアートであそぼう!~出張美術館・深掘り!?美楽(びがく)展~」
開催場所:エプソンスクエア丸の内 エプサイトギャラリー(東京都千代田区丸の内 3-4-1 新国際ビル 1F)
会期 :7月26日〜9月1日
時間 :11:00~18:00
(休館日:日曜日、8月13日〜16日)
共催 :エプソンアヴァシス株式会社
企画協力:上田市立美術館、アガイ商事株式会社
https://www.epson.jp/showroom/marunouchi/epsite/gallery/exhibitions/2023/0726
https://avasys.jp/
https://www.santomyuze.com/museum/
https://www.agai-jp.com/