ウクライナ人と文化を象徴するクリスマスキャロル『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』

『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』7月7日公開

ウクライナの民謡をもとに生まれた「キャロル・オブ・ザ・ベル」の歌に支えられ、ひたむきに生き続ける戦時下の家族の姿を描く『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』が7月7日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほかにて全国公開。このたび、冒頭3分映像と劇中の子どもたちをイメージしたスペシャルイラストが公開されました。

冒頭に流れるのは、オレシャ・モルグネツ=イサイェンコ監督から届いたコメント動画。現在もキーウで暮らしながら精力的に制作活動を続ける監督は「登場人物たちは作中殆どの時間を外界から隔絶されていますが、音楽が彼女らをその悲しみから守っているのです」と語り、劇中「歌」を光に過酷な状況を乗り越えようとする3家族の姿を通して、どんな国でも文化が人間性にとって最も大事なことであるという本作のメッセージを伝えています。

 

続く映像は、本作の冒頭シーンを切り取ったもの。1978年のNY、ある舞台の楽屋で1人の女性が懐かしそうに1枚の家族写真を眺めていますが、そのバックに流れる美しく響き渡る歌声は、まさに本作のタイトルにもなっているクリスマスキャロルとして有名な「キャロル・オブ・ザ・ベル」。ウクライナで古くから歌い継がれている⺠謡「シェドリック」に1916年“ウクライナのバッハ”の異名を持つ作曲家マイコラ・レオントーヴィッチュが編曲、英語の歌詞をつけたものです。大ヒットハリウッド映画『ホーム・アローン』(90)内で歌われ、世界中に知られるようになりました。そして、この歌は「ウクライナ語、ウクライナ文化が存在している」という明確な証として今も歌い継がれており、本作の象徴的な楽曲として採用されています。

 

併せて公開されたイラストは、ウクライナ人デザイナーとして活躍する「エレナちゃん」が本作のために手がけた作品。群⻘色の美しい空の夜、それぞれの⺠族衣装を纏いながら楽しそうに歌を歌う2人の子供の姿は、劇中、偶然ともに暮らすことになる登場するウクライナ人の娘ヤロスラワとポーランド人のテレサをイメージしており、さまざまな⺠族が共生していく社会を祈るようなものとなっています。

「キャロル・オブ・ザ・ベル」とは?

クリスマスキャロルとして有名な「キャロル・オブ・ザ・ベル」は、ウクライナで古くから歌い継がれている民謡「シェドリック」に1916年“ウクライナのバッハ”との異名を持つ作曲家マイコラ・レオントーヴィッチュが編曲し、英語の歌詞をつけたもの。映画『ホーム・アローン』(90)内で歌われ、世界中に知られるようになりました。この歌は「ウクライナ語、ウクライナ文化が存在している」という明確な証として今も歌い継がれています。

 

1939年1月、ポーランドのスタニスワヴフ(現ウクライナ、イバノフランコフスク)にあるユダヤ人が住む母屋に、店子としてウクライナ人とポーランド人の家族が引越ししてくるところから映画はスタートします。

 

ウクライナ人の娘ヤロスラワは音楽家の両親の影響を受け歌が得意で、特にウクライナの民謡「シェドリック」=「キャロル・オブ・ザ・ベル」は歌うと幸せが訪れると信じ大事な場面で都度その歌を披露する愛らしい女の子でした。

 

しかし、間もなく第2次大戦が開戦。スタニスワヴフはナチス・ドイツによる侵攻とソ連によって占領され、ポーランド人とユダヤ人の両親たちも迫害によって連行され、娘たちだけがスタニスワヴフの家に残されます。

 

ユダヤ人の娘ディナ、ポーランド人の娘テレサの3人の娘たちを分け隔てなく守り通して生きるウクライナ人の母であり歌の先生でもあるソフィア。だがその後、さらに戦況は悪化、ナチスによる粛清によってウクライナ人である自身の夫も処刑されてしまい、自分の娘、ポーランド人の娘、ユダヤ人の娘に加えて「この子には罪はない」と言って、さらにナチス・ドイツの息子もさらに匿うことになるも──。

 

『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』は、7月7日に、新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほかで全国公開。

 

 

[作品情報]

『キャロル・オブ・ザ・ベル』

原題:Carol of the Bells

出演:ヤナ・コロリョーヴァ、アンドリー・モストレーンコ、ヨアンナ・オポズダ、ポリナ・グロモヴァ、フルィスティーナ・オレヒヴナ・ウシーツカ

監督:オレシア・モルグレッツ=イサイェンコ 

脚本:クセニア・ザスタフスカ 

撮影:エフゲニー・キレイ 

音楽:ホセイン・ミルザゴリ

プロデューサー:アーテム・コリウバイエフ、タラス・ボサック、マクシム・レスチャンカ

2021/ウクライナ・ポーランド/ウクライナ語/シネマスコープ/122分

配給: 彩プロ 後援:ウクライナ大使館 映倫G 

(C)MINISTRY OF CULTURE AND INFORMATION POLICY OF UKRAINE, 2020 – STEWOPOL SP.Z.O.O., 2020