野水伊織「何が“Xファクター”になるかわからない」──『Pearl パール』にちんだスナック開店

スコセッシを魅了したA24のホラー『Pearl パール』

あの『ミッドサマー』を手掛けたスタジオA24が贈る最新作『Pearl パール』がTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中。それを記念し「スナック“パール” 開店〜一夜の夢〜」と銘打った一夜限りのスナック「パール」が日暮里・元映画館で開店しました。

トークショーでは、大のホラー映画好きを公言している声優・野水伊織が、パールとお揃いの真っ赤なワンピースを着て、自前で用意したという“マイ斧”を持って登場。次のように本作の感想を語りました。

 

「パールの顔は少女のようなあどけなさが残っていて、その年齢ならではの声色を表現していたので、声優としても勉強になりました。自分もオーディションに立つ側として、あのシーンを観ていると共感性羞恥に似 た感じで『うわー!』って(笑)。このシーンは純粋に楽しめなかったです」

 

「『X エックス』を観たときは、若さとか年齢の話などのテーマがあると思ったのですが、『Pearl パール』を観ると印象がガラっと変わりました。表現の世界にいるとオーディションって(演技やダンスが)うまい子が選ばれるかというとそうでもなかったり、その時々で求められているものは受ける側にはわからないので、何が“X ファクター (未知の才能)”になるかわからないという状況がありつつ、パールとマキシーンの2役をミア・ゴスが演じることで “女性の執念”を描くことがこの作品のテーマなのかなと思いました」

 

また、ホラー映画の“武器”を自作するのが趣味といい、「今回は小さめの斧でしたが、次はピッチフォークを作ります(笑)」と意気込み、1日ママとしてバーカウンターにも立って来場者と作品について歓談したり記念写真撮影に応じたりしていました。

 

つづいて、本作のほか『ミッドサマー』らA24作品の日本公開時のグラフィックデザインを手掛けるデザイナー・大島依提亜が登場。初日から完売する劇場がでるほど好評の本作のパンフレットについて聞かれると次のように明かします。

 

「『Pearl パール』のパンフレットは中の文章が縦書きです。本作の舞台は1918年ですが、作品のルックは1950年代のイメージなので、その時代の映画パンフレットはどういったものかをリサーチしてこの形になりました。海外ではそもそも映画のパンフレットが存在していないので、当時、日本で発売された洋画のパンフレットを参考に作りました」

 

また、作品については次のように語りました。

 

「続編と言うにはもったいないくらい、単独作として完成度が高かったと思います。ジャンル映画を観ていると、そのジャンルに真摯に寄り添えば寄り添うほど突き抜けて、映画表現自体の新しさを更新するような可能性がある瞬間に立ち会う時がよくあるんです。今年のアカデミー賞作品賞を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』もそうですし。『Pearl パール』も、アカデミー賞からは遠い作品ではありますが、徳が高い、非常に大事な映画だと思います」

『X エックス』の前日譚

ダンサーを志し、スターの華やかな世界に憧れるパール。人里離れた農 場で、厳格な母と体が不自由な父に育てられた彼女の愛への渇望が、スタ ーへの夢を育み、両親からの異常な愛が、その夢を腐らせていきます......。籠の中の無垢なる少女が抑圧から解き放たれたとき、比類なき無邪気と残酷をあわせもつシリアルキラーが誕生しました。

 

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が第95回アカデミー賞で7部門を受賞し話題の映画スタジオA24製作の最新作『Pearl パール』は、『X エックス』の前日譚であり、現在製作中の完結編『MaXXXine(原題)』とあわせ、A24初の三部作としても注目され、世界の国際映画祭を席巻してきました。

 

その中で、マーティン・スコセッシ監督が魅了され、ベネチア国際映画祭が狂喜し、ホラー映画初のオスカー候補と噂されるほど世界中を熱狂させたのがこの作品。鑑賞時、彼女の狂気に圧倒されながらも、最後には、彼女の笑顔の虜になってしまうでしょう。

 

『Pearl パール』は、7月7日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開中。

 

[作品情報]

『Pearl パール』

原題:PEARL

監督:タイ・ウェスト 脚本:タイ・ウェスト、ミア・ゴス 出演:ミア・ゴス、デヴィッド・コレンスウェット、タンディ・ライト、マシュー・サンダーランド、エマ・ジェンキンス=プーロ 配給:ハピネットファントム・スタジオ 

公式 HP:happinet-phantom.com/pearl/ 

公式 twitter:@xmovie_jp

2022 年|アメリカ映画|上映時間:102 分|

© 2022 ORIGIN PICTURE SHOW LLC. All Rights Reserved.