塚本晋也監督『ほかげ』東京国際映画祭でも正式出品、アジアン・プレミア上映決定

『ほかげ』11月25日全国公開

塚本晋也監督の最新作『ほかげ』が、11月25日(土)よりユーロスペースほかで全国公開。このたび、10月23日から11月1日に開催される第36回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門の正式出品、アジアン・プレミア上映されることがわかりました。

第36回東京国際映画祭は、初日には昨年同様東京宝塚劇場でオープニングセレモニーが行われるほか、生誕120年となる小津安二郎の特集を組むことが発表されています。

 

また、映画監督安藤桃子がナビゲーターに就任、東京から映画の可能性を発信し多様な世界との交流に貢献することを基本理念に運営していきます。

 

『ほかげ』が正式出品される「ガラ・セレクション」部門は、2021年より始まり、世界の国際映画祭で注目された話題作や国際的に知られる巨匠の最新作、邦画大作等を中心に上映。過去には、マーティン・マクドナー監督『イニシェリン島の精霊』やノア・バームバック監督『ホワイト・ノイズ』、ウェス・アンダーソン監督『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』、ジェーン・カンピオン監督『パワー・オブ・ザ・ドッグ』などが出品されました。塚本監督作品が上映されるのは、第28回の『野火』以来8年ぶり2回目。

 

また今回、新たな新場面写真が公開。女が戦争孤児の頬に手を添えて見 つめる横顔や笑みを浮かべる復員兵、そして、焚火を前に豪快に笑う謎の男の様子等が捉えられています。

 

また、何かを訴えるような表情で一点を見つめる戦争孤児や暗闇の中に項垂れるように佇む復員兵の姿は、終戦から生き延びた人々が抱える痛みと闇を感じさせます。

塚本晋也監督戦争三部作の最終章

戦場の極限状況で変貌する人間を描いた『野火』(14)、太平の世が揺らぎ始めた幕末を舞台に生と暴力の本質に迫った『斬、』(18)、その流れを汲み、戦争を民衆の目線で描き、戦争に近づく現代の世相に問うのが本作です。

 

主演は、2023年後期NHK連続テレビ小説『ブギウギ』のヒロインに抜擢され、今最も活躍が期待されている俳優、趣里。孤独と喪失を纏いながらも、期せずして出会った戦争孤児との関係にほのかな光を見出す様を、繊細かつ大胆に演じ、戦争に翻弄されたひとりの女を見事に表現しています。

 

片腕が動かない謎の男を演じるのは、映像、舞台、ダンスとジャンルにとらわれない表現者・森山未來。飄々としながらも奥底に蠢く怒りや悲しみを、唯一無二の存在感で示しています。

 

主演の趣里が演じる女と交流を深めていく戦争孤児を、『ラーゲリより愛を込めて』や大河ドラマ「青天を衝け」に出演している子役・塚尾桜雅。一度見たら忘れられないその瞳で物語をより深く豊かに彩ります。

 

復員した若い兵士役に、PFFグランプリ受賞作品『J005311』の監督でもある河野宏紀。さらに、映画監督、俳優としても活躍する利重剛、大森立嗣が脇を固めます。

 

 

『ほかげ』は11月25日(土)よりユーロスペースほかで全国公開。

 

[作品情報]

『ほかげ』

出演:趣里、森山未來 

監督:塚本晋也

製作:海獣シアター 

配給:新日本映画社

2023年/日本/95 分/ビスタ/5.1ch/カラー

©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

公式サイト:hokage-movie.com

公式 X:@hokage_movie 

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