色彩のパレット「魔法の森」に迷い込む感覚…『ペルリンプスと秘密の森』本編特別映像

『ペルリンプスと秘密の森』12月1日公開

『父を探して』で第88回アカデミー賞⻑編アニメーション賞にノミネートされた“イベロアメリカ”の最重要作家のひとりアレ・アブレウ監督の最新作『ペルリンプスと秘密の森』が12月Ⅰ日に公開。このたび、「時には手描きのインクの染みも採用した」という唯一無二の“魔法の森”映像を捉えた本編特別映像が公開されました。

公開された映像は、煌めく色彩で埋め尽くされた“魔法の森”の様子を捉えたもの。まるでパッチワークを繋ぎ合わせたような不思議な森の風景は、パウル・クレーの水彩画の中に入り込んでしまったような錯覚を覚える、重要なシーンの一つです。

 

アブレウ監督自身も「色彩のパレットは、この映画にとって重要な言語」と明かし、ペルリンプスが光として森に入り込んだというアイデアを表現するために、様々な色のスペクトルで映画を溢れさせたそう。

 

「アクリル絵の具で何度も下地を作り、更に、色彩を決めるためにまず紙の上で、次にコンピュータ上で実験を行い、テクニックやツールを駆使しながら、それぞれの瞬間に最も意味のある組み合わせを最終的に決めていきました。時には手描きのインクの染みを使っています。伝統的な2Dのアニメーションで、3コマ打ちにするか2コマ打ちにするかはシーンによって使い分けましたし、一部3Dも使いましたが、レンダリング(処理)で2Dにしています」

森を守りたい…現代人へ問いかける、現実と希望

テクノロジーを駆使する太陽の王国のクラエと自然との結びつきを大切にする月の王国ブルーオの二人の秘密エージェントは、巨人によってその存在を脅かされる魔法の森に派遣されています。

 

森を守る唯一の方法は、光という形でこの森に入り込んだ「ペルリンプス」を見つけること。敵対していた二人は共通する目的のために協力し合うことに。しかし平和をもたらすという謎の生物を探すうちに、物語は思いがけない結末にたどり着きます。そこに隠された現代への問いかけとは…?

 

『ペルリンプスと秘密の森』は12月1日公開。

 

[作品情報]

『ペルリンプスと秘密の森』

原題:Perlimps

脚本・編集・監督:アレ・アブレウ(『父を探して』) 

音楽:アンドレ・ホソイ/オ・グリーヴォ

2022年 ブラジル/スコープサイズ/80分

日本語字幕 星加久実 

後援:在日ブラジル大使館 

配給:チャイルド・フィルム/ニューディアー

(c) Buriti Filmes, 2022