『ティル』12月15日公開
1955年8月28日に、アメリカ合衆国ミシシッピ州マネーで起きた「エメット・ティル殺害事件」。アフリカ系アメリカ人による公⺠権運動を大きく前進させるきっかけとなったこの事件をもとに初めて劇映画化された『ティル』が12月15日(金)より日本公開。このたび、出演のほか製作も務めたウーピー・ゴールドバーグのインタビュー映像が公開されました。
製作プロデューサーとして本作を率い、キャストとしても出演するウーピー・ゴールドバーグは、すでに世界的に有名なこの事件を改めて劇映画化することについて「完成に漕ぎ着けるまで⻑く厳しい闘いでした」と述べています。
「皆もう知ってる話だ、と言われましたよ。ヨーロッパでの集客が見込めないとも」だが「私の出演作は向こうでも人気です」「黒人映画の需要はある」と反論。
そんな中、2020年ミネソタ州ミネアポリスで白人警官が黒人男性フロイド氏を暴力で死亡させるという「ジョージ・フロイド殺害事件」が発生したことで、風向きが変わったそう。
「国全体が“いい加減にしてくれ”と立ち上がりました、黒人の物語にも注目が集まったので、“ぴったりの題材がある”と改めて提案したわけです」
自身が演じたエメット・ティルの祖母の役柄について、また、物語全編を通して描きたかった、いつの時代も普遍的な「子を持つ親の葛藤」などを振り返り、改めて「最近のアメリカではこうした歴史が語られなくなってきている」と本作の公開の意義を語っています。
ひとりの母親の行動力が公民権運動を推進
舞台は、1955年、イリノイ州シカゴ。夫が戦死して以来、空軍で唯一の黒人女性職員として働くメイミー・ティル(ダニエル・デッドワイラー)は、一人息子で14歳のエメット:愛称ボボ(ジェイリン・ホール)と平穏な日々を送っていました。
しかし、エメットが初めて生まれ故郷を離れ、ミシシッピ州マネーの親戚宅を訪れた際に悲劇は起こります。エメットが飲食雑貨店で白人女性キャロリン(ヘイリー・ベネット)に向けて「口笛を吹いた」ことが白人の怒りを買い、1955年8月28日、彼は白人集団にさらわれ、壮絶なリンチを受けた末に殺されて川に投げ捨てられたのです。
我が息子の変わり果てた姿と対面したメイミーは、この陰惨な事件を世に知らしめるため、常識では考えられない大胆な行動を起こします。そんな彼女の姿は多くの黒人たちに勇気を与え、一大センセーションとなって社会を動かす原動力となっていきます…。
『ティル』は、12月15日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー。
[作品情報]
『ティル』
原題『TILL』
製作:ウーピー・ゴールドバーグ(『天使にラブ・ソングを...』)、バーバラ・ブロッコリ(『007』シリーズ)
監督・脚本:シノニエ・チュクウ
出演:ダニエル・デッドワイラー、ウーピー・ゴールドバーグ、ジェイリン・ホール、ショーン・パトリック・トーマス、ジョン・ダグラス・トン プソン、ヘイリー・ベネット
2022年/アメリカ/シネマスコープ/130分/カラー/英語/5.1ch
字幕翻訳:風間綾平
PG-12
配給:パルコ ユニバーサル映画
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