不法移民をテーマにした映画『ニューヨーク・オールド・アパートメント』ほか5選

『ニューヨーク・オールド・アパートメント』1月12日公開

最優秀作品賞・監督賞・女優賞ら9冠を受賞し欧米映画祭を席巻、NYの片隅に生きる母と息子たちを優しい眼差しで描いた感動作『ニューヨーク・オールド・アパートメント』が2024年1月12日(金) より新宿シネマカリテほか全国公開。このたび、不法移民について解説しつつ、WEB限定ビジュアルをおとどけします。

“移民”とは「本来の居住地を離れて、国境を越えるか、一国内で移動している、または移動したあらゆる人」のこと。仕事や勉学といった自発的な理由の他、紛争や迫害、災害など自発的でない理由で移動を余儀なくされた人もいます。

 

“不法移民”は、不法に入国し在留資格のないままその国に留まっている人や、在留資格を失った後もその国に留まっている人。ヨーロッパでは、2015年に起こったアフリカや中東地域から難民が大量にヨーロッパに押し寄せた「欧州難民危機」によって、難民や移民の受け入れ反対の動きが表面化しました。

 

アメリカでも、2001年同時多発テロ事件以降移民の制限が厳しくなり、トランプ政権下では不法移民の一斉送還が行われました。

 

日本では、外国人労働者は年々増加する一方で、難民認定率は0.3%と主要先進国と比べて受け入れ数が少ない状況です。他国と比べ難民認定の基準が厳しいためです。

 

『ニューヨーク・オールド・アパートメント』以外にも。“不法移民”が描かれた映画があります。

 

幼い頃から日本で育った在日クルド人の少女が主人公の『マイスモールランド』(2022)では、在留資格を失ったことをきっかけに、それまでの当たり前の生活が奪われ、自身の居場所に葛藤する少女の姿が描かれています。

 

韓国で生まれ3歳でアメリカに養子に出された青年が主人公の『ブルー・バイユー』(2022)では、30年以上前の書類の不備によって韓国へ強制送還される危機に瀕した主人公が、アメリカ人の身重の妻と幼い娘と一緒に暮らし続けるために逃れる方法を必死に模索する姿が描かれています。

 

技能実習生として来日するも、劣悪な職場環境から逃げ出し、不法滞在者となった中国人青年が主人公の『コンプリシティ 優しい共犯』(2020)では、他人になりすまして蕎麦屋での働き口を見つけた青年と、孤独を抱えた蕎麦屋の店主が絆を深めていくも、やがて青年を追う警察の手が迫り、ある決断を下す二人の様子が描かれています。

 

内戦が激化する故郷シリアを逃れ、生き別れた妹を探して北欧フィンランドに辿り着いた青年が主人公の『希望のかなた』(2017)では、ヨーロッパを悩ます難民危機のあおりを受け、街でいわれのない差別や暴力にさらされた青年が、小さなレストランのオーナーに雇われたのをきっかけに、希望を見いだす様子が描かれています。

 

公開されたWEB限定ビジュアルは、高層ビルひしめくNYに所狭しと立ち並ぶアパートの外観を背景に、不法移民として暮らすデュラン一家の物憂げな表情と、謎の美女・クリスティンの険しい表情がコラージュされ、スタイリッシュな印象を放っています。

 

日陰者の移民が生きる意味を見いだしていく…

日陰で生きることしか出来なかったぼくらを照らした、ひとすじの愛…安定した生活を夢見て祖国ペルーを捨てNYで不法移民として暮らすデュラン一家。母ラファエラはウェイトレスをしながら二人の息子を女手一つで育て、息子たちも配達員として家計を支えるギリギリの毎日。

 

街から疎外された自分を“透明人間”と憂う二人の息子は、ある日、謎を秘めた美しい女性クリスティンと出会い、恋に落ちます。一方母ラファエラも白人男性からの耳触りのいい話に誘われ飲食店を開業しますが…。

 

アメリカン・ドリームを夢見る母と年頃のピュアな息子たち。そんな“大都会弱者”である貧しい移民家族に訪れた悲劇。日陰で生きる「何者でもなかった」彼らが恋をして、大切な何かに気づき、はじめて「自分」として生きる意味を見出していきます。

 

貧しくも懸命に生きる姿をリアルな息遣いが感じられるNYでの大胆なロケとウィットに富んだ詩的な映像美で紡ぎ出し、観る者の心を掴んで離しません。

 

『ニューヨーク・オールド・アパートメント』は、2024年1月12日(金) 全国公開。

 

[作品情報]

『ニューヨーク・オールド・アパートメント』

原題: The Saint Of The Impossible

監督:マーク・ウィルキンス

脚本:ラ二・レイン・フェルタム

原作:「De heilige Antonio」(アーノン・グランバーグ)

出演:マガリ・ソリエル、アドリアーノ・デュラン、マルチェロ・デュラン、タラ・サラー、サイモン・ケザー

2020 年/スイス/英語、スペイン語/98 分/ビスタ/5.1ch

配給・宣伝:百道浜ピクチャーズ

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