国立映画アーカイブ、『映画監督 アンジェイ・ワイダ』として厳選14作品を特集上映

特集上映『映画監督 アンジェイ・ワイダ』開催決定

ポーランドを代表する名監督アンジェイ・ワイダの14作品を厳選上映する『映画監督 アンジェイ・ワイダ』が、12⽉10⽇(⽕)から12⽉26⽇(⽊)まで国⽴映画アーカイブで開催決定。このたび、キービジュアルが公開されました。

本特集上映は、ポーランドで唯⼀⽇本⽂化を紹介する国⽴機関「⽇本美術技術博物館 Manggha(マンガ)」のコレクションを中⼼とした貴重な資料群をもとに構成、ポーランドのクラクフ国⽴美術館で開催された「ワイダ展」の初の外国巡回展が「国⽴映画アーカイブ」において開催されるのを機に企画されました。

 

初期の抵抗3部作と⾔われ当時国内外の映画監督たちに衝撃を与えた『世代』『地下⽔道』『灰とダイヤモンド』から、ワイダ監督が築いた⽇本との深い関係を⽰す後期作品『ナスターシャ』まで14作品(14プログラム)を上映。

クレジット:『ナスターシャ』©1994 H.I.T.,SAY- TO WORKSHOP Inc.,and Television Tokyo Channel 12 Ltd. 写真提供:松⽵、それ以外の作品:©WFDiF

ポーリッシュジャズシーンの顔でもあるクシシュトフ・コメダや、 若き⽇のイエジー・スコリモフスキ、ロマン・ポランスキーらも出演する⻘春映画 『夜の終りに』や、 戦後ポーランドの共産主義政権下においての国家と個⼈の関係を鋭く問うた渾⾝の⼒作 『⼤理⽯の男』、その後⽇譚として描いた『鉄の男』 。ナチスドイツによる迫害から孤児たちを守ろうと奮闘した⼩児科医・作家・孤児院の院⻑の姿を描いた『コルチャック先⽣』 、ワイダ作品で重要な役割を果たした名優ズビグニェフ・ツィブルスキの死の2年後に公開された『すべて売り物』 、歌舞伎俳優・坂東⽟三郎主演でドストエフスキー「⽩痴」を映画化した 『ナスターシャ』の他、14作品中、『ロトナ』『⽩樺の林』 『ヴィルコの娘たち』 『ザ・コンダクター』は、国⽴映画アーカイブ保存のプリントで上映されます。

 

なかでも『ロトナ』『⽩樺の林』『ザ・コンダクター』は⻑年上映される機会がなかった貴重な上映。( 『ナスターシャ』もプリント上映/『サムソン』を除く、他作品はデジタルリマスター版での上映 )

 

ワイダ監督は1980年代後半に来⽇した際、次のように語っています。

 

「私が映画をつくる時には、もちろん⽬的とか動機はあります。映画によってある状況を提⽰するということもそのひとつです。ポーランドの現実を映画としてうつし出すことです。しかし、それは、現在だけではありません。過去の出来事を映画にするときもあります」

 

また、本特集と連動した展覧会の共同監修をつとめたポーランドの映画史家ラファウ・シスカ(ヤギェロン⼤学視聴覚芸術研究所准教授)による講演会も12⽉11⽇(⽔)『灰とダイヤモンド』上映後に開催されます。

 

[開催概要]

企画上映「映画監督 アンジェイ・ワイダ Film Director Andrzej Wajda」

12⽉10⽇[⽕]−26⽇[⽊]会期中の休館⽇:⽉曜⽇

会場:国⽴映画アーカイブ

上映作品:『世代』(1954)、『地下⽔道』(1957)、『灰とダイヤモンド』(1958)、『ロトナ』(1959)、『夜の終りに』(1960)、『サムソン』(1961)、『すべて売り物』(1968)、『⽩樺の林』(1970)、『⼤理⽯の男』(1977)、『ヴィルコの娘たち』(1979)、『ザ・コンダクター』(1980)、『鉄の男』(1981)、『コルチャック先⽣』(1990)、『ナスターシャ』(1994)

公式サイト:https://www.nfaj.go.jp/

主催:国⽴映画アーカイブ、アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート(ワルシャワ)

協⼒:マーメイドフィルム、⽇本美術技術博物館 Manggha、ポーランド広報⽂化センター

料⾦:⼀般 1300 円/⾼校・⼤学⽣、65 歳以上 1100 円/⼩・中学⽣ 900 円/国⽴美術館のキャンパスメンバーズ、障害者⼿帳をお持ちの⽅(付添者は原則 1 名まで)800 円