『ポンヌフの恋人』4K化でふたたび輝く予告編

『ポンヌフの恋人』4Kリマスター12月20日公開

レオス・カラックス監督最大のヒット作『ポンヌフの恋人』が4Kリマスターで12月20 日よりユーロスペースほか劇場公開。このたび、予告編とポスタービジュアル、場面写真が公開されました。

公開された予告映像では、映画史に刻まれる伝説的なシーンが続々。

 

「愛ではち切れそうだ!」――革命 200 年記念日に打ち上がる花火と祝福の爆竹が降りしきる中、アレックスは叫び、大道芸人のアレックスは失恋と目の病の絶望から家を出たミシェルに出会い恋に落ち、恋人の姿を探し街を彷徨うミシェルの痛みを知れば知るほどに惹かれ、想いが募っていくアレックス……。

 

ミシェルも「名前を呼んで」「一緒にいて」とアレックスに心を開いていきます。

 

祝祭の夜、ふたりは激しい感情を爆発させるように狂おしく踊ります。愛は眠らないアレックスとミシェル、パリのポンヌフ橋で疾走する、孤独なふたりの究極の愛がスパークする予告となっています。

 

公開されたポスタービジュアルは、ポンヌフの橋の上でアレックスとミシェルふたりの衝動がぶつかり、ついには重なって、体温を確かめるようにもたれ合う恋人たちの刹那。革命 200 年記念日、鮮やかな歓喜の花火が夜空いっぱいに広がり、情熱的な光と音の一大スペクタクルが凝縮され絵画のように美しく彩られています。

 

「愛は眠らない」というロマンチックなキャッチコピーと共に、「LES AMANTS DU PONT-NEUF」という作品の強靭さを物語るタイトルロゴが据えられた力強いポスターとなっています。

 

『ミッドサマー』(アリ・アスター監督/2019 年)や『パターソン』(ジム・ジャームッシュ監督/2016 年)など、名だたる映画のポスターデザインでも知られるグラフィックデザイナー大島依提亜がデザインを手掛けました。

 

さらに、公開されたシーン写真は 8 点。失明の不安をこぼすミシェルに優しく寄り添いながら彼女を真実から遠ざけるアレックス、ポンヌフで再会したアレックスとミシェルがふたり抱きしめ合うホワイトクリスマス、ミシェルの行方を捜索するポスターが炎で燃え上がるカット、若いアレックスとミシェルを気にかけるハンス 3 人がポンヌフで物思いに耽るシーン、ミシェルが描いた絵をふたりで眺め微笑みがこぼれる幸福なひととき、アンリ 4 世の騎馬像にまたがり銃を放つミシェル、画家だというミシェルに肖像画を描いてもらうアレックス、夜の遊園地で無邪気にはしゃぐふたりの姿などが収められています。

“呪われた映画”

本4Kレストア版はカラックスの協力のもとオリジナル35mmネガからデジタルレストア、撮影監督キャロリーヌ・シャンプティエが修復と色彩補正を監修、トマ・ゴデールが音響を担当しています。

 

大ヒットとなった『ポンヌフの恋人』ですが、その製作は簡単なものではありませんでした。パリ市からポンヌフ橋を借り切って撮影に入る直前、主演のドニ・ラヴァンの思わぬケガで撮影中止に。再度の許可は下りず、夜間シーン用だったモンプリエ郊外ランサルグのセットをフランス映画史上最大のオープンセットにしてポンヌフ橋を再現。しかし底なしの資材と長期の人件費で2つのプロダクションが破産、製作は中断し強風でセットも倒壊、製作費は膨らみ続け、混迷を深める状況をマスコミがスキャンダラスに書き立て、「呪われた映画」とまで呼ばれました。

 

 

先行きが危ぶまれる中、カラックスは『ポンヌフの恋人』が完成させるに値する映画だと証明するため、映画監督のスティーブン・スピルバーグやフィリップ・ガレルら映画監督や文化人を試写室に呼び、未編集のフィルムを上映。スティーブン・スピルバーグは後に「この映画には激しさや美しさ、想像力があふれている!」と称賛。他にもラッシュを見て感動した参加者から映画の完成を望む多くの声が寄せられました。

 

最終的に『カミーユ・クローデル』などで知られた大物プロデューサー、クリスチャン・フェシュネール(1944-2008)が製作を引き受け、日本からもカラックスの友人・堀越謙三(ユーロスペース代表、1945-2025)が出資し映画は完成するも、製作費はセットだけで 6 億近く、合計 30 億円を超えました。

 

失意のふたりが辿った運命は!?

天涯孤独で不眠症の大道芸人アレックス(ドニ・ラヴァン)と失恋の痛手と眼の奇病による失明の危機で家出した画学生ミシェル(ジュリエット・ビノシュ)。ホームレスとなった二人は、パリの最も古い橋ポンヌフで出会います。

 

愛を告白できないアレックス、過去の初恋に生きるミシェル。カラックスが見つめる二人の感情の軌跡は、失意と闇からはじまり、息もつかせぬスビードで希望と生命へと疾走し、回転して…。

 

『ポンヌフの恋人』4Kリマスターは、12月20 日よりユーロスペースほか劇場公開。

 

[作品情報]

『ポンヌフの恋人』

原題:Les Amants du Pont-Neuf

監督・脚本:レオス・カラックス

撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ

出演:ジュリエット・ビノシュ、ドニ・ラヴァン

1991年/フランス映画/カラー/125分/DCP

配給:ユーロスペース