2025年10月〜11月に開催された第38回東京国際映画祭で上映された中から、fy7dが注目した作品を予告編と共に振り返ってみましょう。
ジュリエット・ビノシュ初監督作品『イン・アイ・イン・モーション』
長年フランスを代表する女優として活躍してきたジュリエット・ビノシュの監督デビュー作。
2007年、英国のダンサー兼振付師アクラム・カーンとビノシュが世界各国で公演を行ったダンス・パフォーマンスを、その企画段階から公演当日までの長期間にわたって記録したドキュメンタリー。
パフォーマンスを作り上げる過程で激しい議論を繰り返すビノシュとカーンの姿が、見る者の心を揺さぶります。
[作品情報]
監督:ジュリエット・ビノシュ
撮影:マリオン・スタレンス
製作:セバスチャン・ド・フォンセカ
音楽:フィリップ・シェパード
編集:ソフィー・ブリュネ
編集:ソフィー・マンドネ
音響ミックス:エリック・ティセラン
キャスト:ジュリエット・ビノシュ、アクラム・カーン
127分カラー英語/フランス語英語、日本語字幕2025年フランス
© 2025 MIAO PRODUCTIONS
※東京国際映画祭 特別出品
おとなが女子高生に求める“正解”とは?『白の花実』
周囲に馴染めず転校を繰り返す杏菜が新たな寄宿学校で出会ったのは、美しく完璧な少女・莉花。しかしその莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまいます。
残されたのは一冊の日記には、莉花の苦悩や怒り、痛み、そして、言葉にできなかった“ある秘密”が綴られていました。
やがて日記から青白く揺れる“鬼火”のような魂が現れ、杏菜の心に静かに入り込み…杏菜は予想もつかない行動へと踏み出します。
[作品情報]
監督/脚本/編集:坂本悠花里
プロデューサー:山本晃久
撮影監督:渡邉寿岳
美術:中條芙美
キャスト:美絽、池端杏慈、蒼戸虹子、河井青葉、岩瀬 亮、門脇麦
110分カラー日本語英語字幕2025年日本ビターズ・エンド
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
※東京国際映画祭 Nippon Cinema Now
ペドロ・アルモドバルが性と死の快楽を表現として追い求めた『マタドール』
その過激な性愛表現や暴力描写で賛否両論の議論を生みながらも熱狂的な支持者を獲得しアルモドバルの知名度を高めた異形の第三作。
闘牛のスリルにとりつかれている闘牛士のディエゴは、引退後は次々と女性を誘惑し、性と死の快楽を追い求めていました。一方、謎めいた女性マリアもまた、愛と殺人を結びつけた欲望を抱いていた。
ディエゴに弟子入りした見習い闘牛士のアンヘルは、運命的に出会ったディエゴとマリアが恐ろしい惨劇に突き進んでゆくのを止めようとします。複雑な性格の青年アンヘルを若き日のアントニオ・バンデラスが演じ、国際的評価を獲得しました。
[作品情報]
監督/脚本:ペドロ・アルモドバル
脚本:ヘサス・フェレーロ
プロデューサー:アンドレス・ビセンテ・ゴメス
作曲:ベルナルド・ボネッツィ
撮影監督:アンヘル・ルイス・フェルナンデス
編集:ホセ・サルセド
美術:フェルナンド・サンチェス
衣装:ホセ・マリア・デ・コシオ
メイクアップアーティスト:フアン・ペドロ・エルナンデス
ヘアスタイリスト:テレサ・マティアス
キャスト:アサンプタ・セルナ、アントニオ・バンデラス、ナーチョ・マルティネス
106分カラースペイン語日本語、イタリア語字幕(英語字幕なし)1986年スペイン
© MERCURY FILMS.
※東京国際映画祭ワールド・フォーカス第22回ラテンビート映画祭 IN TIFF
オダギリジョー、死が家族をひとつにするキッカケに『兄を持ち運べるサイズに』
『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)、『浅田家!』(20)の中野量太監督5年ぶりの最新作は、作家の村井理子の実際の体験をまとめたノンフィクションエッセイ「兄の終い」をもとに描く家族の物語。
柴咲コウ、オダギリジョー、満島ひかりら豪華キャストで贈る、世界一迷惑な兄が死んで再集結した家族の、てんてこまいな4日間。家族だからこそ言いたかった想いや、聞けなかった言葉が心を揺らします。
[作品情報]
監督/脚本:中野量太
原作:村井理子
音楽:世武裕子
撮影監督:岩永 洋
照明:谷本幸治
録音:猪股正幸
美術:大原清孝
キャスト:柴咲コウ、オダギリジョー、満島ひかり、青山姫乃、味元耀大、斉藤陽一郎、不破万作、吹越 満
127分カラー日本語英語字幕2025年日本/フランス/中国カルチュア・パブリッシャーズ
© 2025「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会
※東京国際映画祭ガラ・セレクション
錦戸亮、弁護士として吠える真実の物語『ブルーボーイ事件』
東京オリンピック、大阪万博に沸いた頃の日本でその事件は発生。この事件の裁判では、ある人間の“幸せか不幸か”が争点となり延々と議論されました。そんな裁判は後にも先にも存在しません、知られざる性的マイノリティの歴史。これは事実に基づく物語です。
[作品情報]
監督/脚本:飯塚花笑
脚本:三浦毎生
脚本:加藤結子
音楽:池永正二
キャスト:中川未悠、前原 滉、錦戸 亮、中村 中、イズミ・セクシー
106分カラー日本語英語字幕2025年日本日活/KDDI
※東京国際映画祭ガラ・セレクション
シングルマザーの公務員が、ふとしたキッカケで風俗の仕事に足を踏み入れる『キカ』
シングルマザーのキカは、子どもを育てながら社会福祉の仕事に従事。だが、恋人が突然亡くなったことで、キカの生活は一変します。 恋人を失った悲しみのなか、第二子の妊娠が判明。経済的にも精神的にも追い詰められたキカは、性風俗の仕事に足を踏み入れます。 ヒロインの葛藤を描きつつ、貧困やモラルについての問題を投げかける作品。カンヌ映画祭批評家週間で上映。 [作品情報] 監督/脚本:アレックス・プキン 脚本:トマ・ヴァン・ザイレン 編集:アニエス・ブリュカール 音楽:ピエール・デスプラ 音響:サブリナ・カルメル 美術:ジュリア・イリバリア 衣装:プリュネル・リュランス・ディ・ロジエ キャスト:マノン・クラベル、マキタ・サンバ、スザンヌ・エルバズ、トマ・クマン 110分カラーフランス語英語、日本語字幕2025年ベルギー/フランス (C)Wrong Men, Kidam ※東京国際映画祭 ワールド・フォーカスワロン・ブリュッセル:ベルギーフランス語圏特集
CODAとクルド人の対立喜劇『みんな、おしゃべり!』
ろう者を親に持つCODA(コーダ)の河合健監督による日本手話とクルド語を題材にしたオリジナル脚本で、日本語社会下の言語格差が生む溝をシニカルに描いた喜劇。
ろう者の父と弟がいる古賀家と、その街に新しく越してきたクルド人一家が対立。古賀家の娘の夏海とクルド人一家のヒワは、お互いの家族の通訳を行うなか、次第に惹かれ合っていくが、両者の対立はやがて街を巻き込む問題へと発展していきます…。
登場人物の第一言語に属する人物をキャスティングし、言語の魅力を取りこぼすことのないよう徹底して制作されました。
ろう者・聴者双方に向けた字幕付き作品。
[作品情報]
プロデューサー:小澤秀平
監督/脚本:河合 健
脚本:乙黒恭平
脚本:竹浪春花
ろうドラマトゥルク・演技コーチング:牧原依里
音楽:渡邊 崇
撮影:向山英司
キャスト:長澤 樹、毛塚和義、ユードゥルム・フラット、福田凰希、ムラット・チチェック、那須英彰、板橋駿谷、小野花梨
143分カラー日本語、日本手話、クルド語、トルコ語、中国語、アメリカ手話英語、日本語字幕2025年日本GUM
福地桃子、初めて知る母の思い『恒星の向こう側』
岩田剛典、大人になりきれない教師が生徒に振り回される『金髪』
大ヒット『パリタクシー』が原作、『TOKYO TAXI』
吉永小百合、登山家として、母として、妻として…『てっぺんの向こうにあなたがいる』
1975年、エベレスト山頂に向かうひとりの女性の姿。一歩一歩着実に山頂(てっぺん)に向かっていくその者の名前は多部純子。日本時間16時30分、純子は女性として初の世界最高峰制覇を果たしたます。 しかしその世界中を驚かせた輝かしい偉業は、純子に、その友人や家族たちに光を与えるとともに深い影も落とします。晩年においては、余命宣告を受けながらも「苦しい時こそ笑う」と家族や友人、周囲をその朗らかな笑顔で巻き込みながら、人生をかけて山へ挑み続けました。 登山家として、母として、妻として、ひとりの人間として…。純子が、最後に「てっぺん」の向こうに見たものとは。 ※東京国際映画祭オープニング作品 [作品情報] 監督:阪本順治 脚本:坂口理子 音楽:安川午朗 製作総指揮:木下直哉 撮影:笠松則通 照明:渡邊孝一 録音:照井康政 キャスト:吉永小百合、佐藤浩市、天海祐希、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずき 130分日本語、ネパール語英語字幕2025年日本キノフィルムズ ©2025「てっぺんの向こうにあなたがいる」製作委員会 ©2025 "CLIMBING FOR LIFE" FILM PARTNERS

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