メキシコ誘拐ビジネスの実態に戦慄『母の聖戦』1月20日ロードショー
メキシコ誘拐ビジネスの実態を背景に、子どもを誘拐犯から取り戻す母親の愛と執念を描く『母の聖戦』が、1月20日(金)にいよいよロードショー公開されます。ここで、本作品同様メキシコの誘拐事件をテーマにした映画3本を紹介します。
メキシコ誘拐ビジネスは深刻な社会問題
麻薬カルテルなど犯罪組織による誘拐ビジネスが横行するメキシコでは、年間約6万件にもおよぶ誘拐事件があると推定されています。
我が国では、身代金目的の誘拐という犯罪は極めて成功率が低いのに刑罰が重いことから、俗に“割に合わない犯罪”と言われています。年間約8万人が行方不明となっていますが、警察に届出されたのちその多くが所在確認され95〜98%は解決しています。
しかし中米メキシコでは、そのような常識は一切通用しません。しかも、家族を誘拐された被害者家族の多くが組織の報復を恐れ、警察に相談することもできず泣き寝入りを強いられているといいます。なんと誘拐犯罪の99%が解決されないまま闇に葬られ、深刻な社会問題となっているのです。
これを遠い国の出来事だからと目を背けてよいのか?考えるきっかけにしていただければ幸いです。
『母の聖戦』 1/20(金)公開
メキシコ北部の町で暮らすシングルマザー、シエロのひとり娘である十代の少女ラウラが犯罪組織に誘拐。冷酷な脅迫者の要求に従い20万ペソの身代金を支払っても、ラウラは帰ってきません。警察に相談しても相手にしてもらえないシエロは、自力で娘を取り戻すことを誓い、犯罪組織の調査に乗り出します。
そのさなか軍のパトロール部隊を率いるラマルケ中尉と協力関係を結び、組織に関する情報を提供したシエロは、誘拐ビジネスの闇の血生臭い実態を目の当たりにしていきます…。
人生観が一変するほどのおぞましい経験に打ち震えながらも、行方知れずの最愛の娘を捜し続けるシエロは、いかなる真実をたぐり寄せるか...。母の深い愛情と強い怒りを描いた衝撃作であると同時に、並外れた緊迫感がみなぎるクライム・スリラーです。
『息子の面影』 2022年公開
メキシコの貧しい村に暮らすマグダレーナ。貧困から抜け出すため仕事と夢を求めた息子は、友人とアメリカへ向けて旅立ち、そのまま消息を絶ちます。
多くの若者が国境を越えようとして命を失うことが多い中、マグダレーナは息子を探すため、ひとりで村を出発。やっとの思いで得た情報を頼りにある村へと向かうマグダレーナは、道中で息子と同じような年齢の⻘年ミゲルに出会い、彼が母親を探していることを知ります。
息子と母、それぞれが大切な存在を探している二人は共に旅を開始。荒涼としたメキシコの大地を美しく切り取りつつ、今なおメキシコに残る貧困問題をはじめとした問題を鋭く描き出したヒューマンドラマとなっています。
『マイ・ボディーガード』 2004年公開
米軍の対テロ部隊で長年暗殺任務に従事し、心と体に大きな傷を負ったジョン・クリーシー(デンゼル・ワシントン)は、生きる希望を失っていました。そんな彼を見かねた部隊の先輩レイバーンは、クリーシーに誘拐事件が多発するメキシコシティに住む実業家ラモスの娘ピタ(ダコタ・ファニング)の護衛の仕事を紹介します。はじめは仕事に対して乗り気でなく無愛想なクリーシーでしたが、無邪気で優しく聡明なピタに少しずつ心を開いていきます。
そしてピタが誘拐犯に拉致されたとき、クリーシーの過激な追跡が始まります…。A・J・クィネルのベストセラー小説『燃える男』をトニー・スコット監督が映画化したアクションドラマです。