東出昌大、「こんなに個人宛にたくさん連絡をもらったのははじめて」──『Winny』大ヒット御礼舞台挨拶

東出昌大主演『Winny』大ヒット公開中

2002年に金子勇が開発・公開したファイル共有ソフト「Winny」をめぐるネット史上最大の事件を描く映画『Winny』が、大ヒット公開中。このたび、大ヒット御礼舞台挨拶がTOHOシネマズ六本木ヒルズでおこなわれました。

舞台挨拶には、東出昌大、三浦貴大、木竜麻生、松本優作監督が参加。

 

公開から約1か月の月日を経るも、いまだチケットが取りづらいなどロングラン大ヒットを記録中の事態に松本監督は、「こんな経験ないというくらい『観たよ!』というメールを沢山いただく」と反響を実感しており、「今はネット技術の変革期に当たる時期で、Winny事件も当時のネット黎明期の変革期に起きたもの。新しい時代になる中でこの事件から得た教訓をどう活かしていくのか?この映画が今公開されたことに意味を感じます」と手応えを感じている様子。

 

革新的なソフト「Winny」を開発した金子勇を演じた東出は、「僕の個人のホームページに、生前の金子さんを知る方から沢山ご連絡をいただいたりして。そのような反応の来たのは初めてのこと」と驚きを隠せません。

 

サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光を演じた三浦も、「僕は知り合いからただの酒飲みの兄ちゃんだと思われているので、『ちゃんと役者の仕事やってるじゃん!』と認められた」と嬉しそう。「僕は普段ボヤーとしているので役者と思われていない。今回の反響を機に頑張らないといけないと改めて思いました」と意気込みを語りました。

 

桜井恵子役の木竜は「別の作品の現場でスタッフさんや俳優さんから『観たよ!』と言われたりして、作品が沢山届いていることを実感しました」と満面の笑み。

 

ちなみに本作の舞台挨拶に木竜が参加するのは初めてで、木竜の印象について東出は「柔和だし、明るいし、木竜さんがいると自然と現場が明るくなって華やいだ」と絶賛、三浦も「芝居に対しても一生懸命」と太鼓判を押します。

 

さらに松本監督から「透明感があって、わかりやすい芸能人感がない。今の日本の俳優の世界に少ない唯一無二の存在」と手放しで評されると、木竜は「恥ずかしい!今日は大ヒット御礼なのに、こんなに私が喜ぶ会でいいの!?」と赤面しっぱなし。

 

また木竜と『菊とギロチン』で初共演した東出は「技術が付くと自分を可愛く見せることや綺麗に見せることを覚えがちで素直に居続けるのは難しい。それを木竜さんはなされている」と唯一無二の俳優だと強調。

 

恐縮する木竜に対して、三浦も「もう今日は木竜さんを褒める会!」と乗っかると、東出も「今日の舞台挨拶はホンワカですね~」と応じ、終始楽しげな舞台挨拶となりました。

 

最後に木竜は「自分としても観られて良かったと思う作品。色々な感想があることが映画を豊かにするので、素直な感想を色々な人たちに伝えてほしいです」とさらなる大ヒット祈願。

 

三浦は「東出君と僕の芝居のアプローチは真逆ですが、年齢も近い東出君と共演出来たことが嬉しい。今後も役者を続ける中でまた共演したいです」と再会を誓っていました。

 

東出は「コンプライアンス的にという言葉がよく聞かれる昨今。映画界もドラマ界もタブーに切り込むのではなく、それを当たり前のこととして取り組まなければいけない。この映画に対しても『よく作れたね!?』という反響が多いけれど、今後も『Winny』のような映画を作れる日本であればいいと思います」と俳優としての希望を口にしました。

 

松本監督も「数えきれないほどのスタッフ、キャスト、関係者の皆さんがいたからこそ、この映画の公開が実現しました。まさに奇跡的に生み出せた作品であり、今の時代に『Winny』を公開出来たことに対して日本映画界に希望を感じます。僕自身、この映画を通して新しい可能性を感じ取れた気がします」と感謝の気持ちとヒットの喜びを語りました。

当時大問題となった「Winny」事件の真相

「Winny」とは、金子勇(ハンドルネーム47)が開発したファイル共有ソフトで、インターネット上でつながった複数のパソコンでファイルを共有する分散ファイルシステムの技術を使用したもの。金子が電子掲示板サイト「2ちゃんねる」上で「Winny」を公開すると、瞬く間にユーザーは増え、ピーク時は200万以上の人が使用していたと言われています。

 

当時ではあまり利用されていなかったP2P技術を発展させ、データをバケツリレー方式で転送するため、匿名性が非常に高いのが特徴。そのため、映画やゲーム、音楽などの著作物データが許可なく流通し、著作権侵害の温床と指摘されて問題に。

 

一方で、その特性を悪用したウイルスも流行。感染すると意図せずデータが流出してしまい、警察や自衛隊の内部資料、企業の顧客情報や個人所有のプライベートファイルなどが漏えいし、回収不能に。当時の安倍官房⻑官は会見を開き「情報漏洩を防ぐ最も確実な対策は、パソコンでWinnyを使わないことです」と呼びかける事態となりました。

 

次々に違法コピーした者たちが逮捕されていく中、開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑で2004年に逮捕。サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光は、「開発者が逮捕されたら弁護します」と話していた矢先、金子の逮捕報道を受け、急遽弁護を引き受けることになり弁護団を結成。金子と共に裁判で警察の逮捕の不当性を主張するも、第一審では有罪判決を下されてしまいます。しかし運命の糸が交差し、世界をも揺るがす事件へと発展し…。

 

なぜ、一人の天才開発者が日本の国家組織に潰されてしまったのか?本作は、開発者の未来と権利を守るために、権力やメディアと戦った男たちの真実を基にした物語です。

 

映画『Winny』は公開中。

 

[作品情報]

『Winny』

企画: 古橋智史 and pictures

原案: 朝日新聞 2020年3月8日記事 記者:渡辺淳基 

プロデューサー:伊藤主税、藤井宏二、金山

監督・脚本:松本優作

撮影監督・脚本:岸建太朗 

制作プロダクション:Libertas/制作協力:and pictures 

出演:東出昌大、三浦貴大

配給:KDDI/ナカチカ 

©2023 映画「Winny」製作委員会 

公式 HP:winny-movie.com

Instagram:winny_movie 

Twitter: @winny_movie